「鬼=悪者」?ホントにそう?

こんにちは(^^)

昨年は「鬼滅の刃」が大ヒット!ぜんぶではないけれど、わたしもアニメを観てみました。鬼が鬼になる前の、苦悩や絶望感に慈愛の眼差しを向ける炭治郎くんが印象的でした。


質問 六十一

心の中の鬼はどうやって退治しますか?

谷川さんの心の中にも、鬼がいますか?

谷川さんの答

昔いた、いま鬼は行方不明。

もうどこかへ立ち去ったのかもしれないが、

まだどこかに隠れてるのかもしれない。

もしまた出てきたら………

退治するという発想はやめて、とりあえずハグする。

で、当分同棲していっしょに酒飲んだりして、

鬼の愚痴を聞いてやる。

『谷川俊太郎質問箱』(ほぼ日刊イトイ新聞、2007年)より


さいきんでは、「昔話法廷」の桃太郎裁判の回(NHK E)や『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人、双葉社、2019年)で、さかのぼっては『桃太郎』(芥川龍之介)で、桃太郎の加害性がとりあげられています。立場をかえて、殺された鬼の家族にしてみれば、いわれのない理由で大事なものを奪われたことになっています。

語り部の方々の存在のことも考えます。かれらはご自身の中に鬼を抱えたとしても、その声に耳を傾け、悲劇が再び起こることのないよう生き証人としてご自身の経験を語っています。鬼はもう鬼でなく、おそらく。

経験上、負の感情(筆舌尽くしがたい苦痛、惨めな思い…)をどこかに忘れ去ったり蓋をして封印したと思っていても、年月を経て顔を出すことがあります。腐敗がすすんでることもあります。さて、そこに耳を傾けられるか?問われてるかもしれません。

Listen to voice of the weak and stand by him/her(you) ☆

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