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日向坂46「3周年記念MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~」のセットリストを考える

ことしの3月30日と31日の二日間に分けて「3周年記念MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~」を東京ドームで開催されることが決まった。ついにたどり着いた約束の卵。もともとは2019年末の「ひなくり2019」でサプライズ発表されたように翌年の「ひなくり2020」でその夢は達成されるはずだった。しかし、言わずもがなコロナ禍によって日向坂46の活動は、2020年春以降、大幅に制限されることになる。結局、二回の延期を経て、やっとの思いで東京ドーム開催までこぎ着けたわけだ。

新メンバー募集の記事でも触れたように、二年間ライブ公演が思うように行かなかったことで、約束の卵でのライブ開催は、当初の想定よりもずっと重い意味を持つようになった。これがグループにとって幸せなことなのか不幸なことなのかは、おそらく現時点では評価ができない。3月7日放送の「Tokyo Speak Easy」で図らずも裏が取れてしまった「漢字・ひらがな合同選抜」が未遂に終わったことが結果的には日向坂の単独デビューとその後の躍進の遠因となったように、いまこの瞬間の不運が夢を掴むチャンスになるかもしれないし、逆に現在の幸せが将来の不幸の種になる可能性もある。しかし、どんな結果を招いたとしても「3回目のひな誕祭」の東京ドーム公演が日向坂46というグループの転換点になることだけは確実なのだ。

ただ、いちファンがそうやって始める前からコトを大きく構え過ぎたり、ハードルを上げたりしてしまうのは、あまり健全とは言えないかもしれない。とりあえず、ファンにできるのは、まず全力でライブを楽しみに待つこと。そして、開演時間に間に合うようにあらゆる用事や仕事を片付けておくことである。

ライブまで残り3週間を切る中、「music swimer / さく」さんの興味深いnoteを読んだ。「3回目のひな誕祭」のセットリスト予想である。しかも過去の流れを組んだ「固め」の予想セトリと、さくさんの好みを盛り込んだ妄想セトリの二パターン用意されている。とても面白いのでぜひ読んでほしいのだが、せっかくなので僕もさくさんの真似をして自分なりのセットリストを考えてみることにした。


でも、さくさんと全く同じことをしてもひねりがないので、ちょっとだけアプローチを変えてみる。去年の主催有観客ライブ(TIFやMTVといったフェス等の客演やCD特典の配信限定ライブは除く)を一通り眺めてみた上で、セットリストを考えてみようというわけだ。2021年は3月に「デビュー2周年記念 Special 2days ~MEMORIAL LIVE:2回目のひな誕祭~」、7月に「W-KEYAKI FES. 2021」、9月〜10月に「全国おひさま化計画 2021」、12月に「ひなくり2021」と計4回(19公演)のライブがあった。ほぼ四半期に一回のペースだ。この間、5月に5thシングル「君しか勝たん」、10月に6thシングル「ってか」のリリースがあった。シングル制作やリハーサルの期間を考えるとこれがほぼ限界だと思うが、ことしも同様のペース配分でシングルリリース&ライブ公演が行われると思われる。本当は一年に3枚ぐらいはシングル出してほしいところだけど。握手会の全国巡業が難しくなった分、アリーナツアーを定例化するのでは?と予想している。


2021年の主催ライブを振り返る

まずはそれぞれのライブのセットリストをまとめてみた。表題曲には(表)の印、全員参加のカップリング曲には(C/W)の印をつけている。また、小坂菜緒休業期間中は、代理センターも明記した。

2021年3月27日(土)「デビュー2周年記念 Special 2days ~MEMORIAL LIVE:2回目のひな誕祭~Day2」

<最新作>1stアルバム「アザトカワイイ(C佐々木美玲)」
<欠員>1名:富田鈴花(体調不良)
<セットリスト>
OVERTURE
M1. アザトカワイイ(表)
M2. ソンナコトナイヨ(表)
M3. ドレミソラシド(表)
〜〜MC 1〜〜
M4. ひらがなで恋したい
M5. 僕たちは付き合っている
M6. 抱きしめてやる
M7. 君に話しておきたいこと
〜〜MC2〜〜
M8. 半分の記憶(期)
M9. 永遠の白線(期)
〜〜MC3〜〜
M10. こんなに好きになっちゃっていいの?(表)
N11. キツネ(C/W)
M12. My fans(C/W)
M13. 期待していない自分(表)
M14. NO WAR in the future 2020
〜〜MC4~~
M15. 青春の馬(C/W)
M16. JOYFUL LOVE
~~アンコール~〜
M17. キュン(表)
〜〜MC5〜〜
EN1. 約束の卵2020

去年の「2回目のひな誕祭」は、今回のライブのセットリストを考える上で重要なヒントになる。前半に表題曲を固め、期生曲を挟んだ後、ライブ向けの全体カップリングで盛り上げて「JOYFUL LOVE」「約束の卵2020」の流れは、日向坂のライブの定番と言っていいだろう。だが、Day1には「ユニット祭」が開催された他、コロナ禍以来はじめての有観客ライブだったため、若干トリッキーな構成になっている。たとえば「M4. ひらがなで恋したい」から「M7. 君に話しておきたいこと」までのひらがな楽曲リレー。これ以来、日向坂のライブでは「ひなたざか」に収録された再録曲を除き、ひらがな時代の楽曲は披露されていない。「期待していない自分」もこのライブがラスト披露だ。さらに、ユニット曲は前日に披露したので、一曲も組み込まれていない。「ひな誕祭」と銘打つだけあって他と比べるとわりとコアなファンの方が喜びような印象のセットリストだ。

2021年7月10日(土)「W-KEYAKI FES. 2021 Day2」

<最新作>5thシングル「君しか勝たん(C加藤史帆)」
<欠員>1名:小坂菜緒(休業)
<セットリスト>
OVERTURE
M1. 君しか勝たん(表)
M2. ドレミソラシド(表)(代理C丹生明里)
M3. キュン(表)(代理C加藤史帆)
M4. ソンナコトナイヨ(表)(代理C東村芽依)
〜〜MC1〜〜
M5. 声の足跡(C/W)
〜〜MC2〜〜
M6. Right?(期)
M7. 世界にはThank you!が溢れている(期)
M8. どうする?どうする?どうする?(期)
〜〜MC3〜〜
M9. 膨大な夢に押し潰されて(C/W)
M10. My fans(C/W)
M11. アザトカワイイ(表)
M12. 青春の馬(C/W)(代理C金村美玖)
〜〜MC4〜〜
M13. 誰よりも高く跳べ!2020
M14. JOYFUL LOVE
〜〜アンコール〜〜
〜〜MC5〜〜
EN1. 約束の卵2020

「W-KEYAKI FES. 2021」は真夏の屋外ライブとあって最初から最後までアップテンポの曲揃いだ。「こんなに好きになっちゃっていいの?」や「ホントの時間」のような落ち着いた曲調の楽曲は意図的に省かれている。オープニングから表題曲4連発とハードだが、「M11. アザトカワイイ」「M12. 青春の馬」の流れは特にメンバーもキツかったようで、雑誌のインタビューやラジオで度々その壮絶さを振り返っている。見ている分にはメチャクチャ楽しいライブだったけど、次屋外ライブをやるとしてもやり方を変える気がしている。

2021年9月15日(水)〜10月20日(水)「全国おひさま化計画 2021」

<最新作>6thシングル「ってか(C金村美玖)」
<欠員>1名:小坂菜緒(休業)
<セットリスト>
M1. NO WAR in the future 2020
〜〜MC1〜〜
OVERTURE
M2. 青春の馬(C/W)(代理C金村美玖)
M3. アザトカワイイ(表)
M4. キュン(表)(代理C加藤史帆)
M5. My fans(C/W)
M6. ドレミソラシド(表)(代理C丹生明里)
M7. 声の足跡(C/W)
M8. ときめき草/(C/W)川は流れる(C/W)/こんなに好きになっちゃっていいの?(表)(代理C齊藤京子)
〜〜MC2〜〜
M9. 何度でも何度でも(C/W)
M10. 酸っぱい自己嫌悪/夢は何歳まで?/あくびLetter
M11. どうする?どうする?どうする?/世界にはThank you!が溢れている/Right?(期)
〜〜MC3〜〜
M12. 君しか勝たん(表)
M13. 膨大な夢に押し潰されて(C/W)
M14. キツネ(C/W)
M15. 誰よりも高く跳べ!2020
M16. JOYFUL LOVE
M17. ってか(表)
〜〜アンコール〜〜
EN1. ソンナコトナイヨ(表)(代理C東村芽依)
〜〜MC4〜〜
EN2. 約束の卵 2020

「全国おひさま化計画 2021」のセットリストは正直あまり特筆すべき点がない。日向坂46の人気曲を揃えたオーソドックスな構成と言える。あえて指摘するとしたらOVERTURE前に「M1. NO WAR in the future 2020」を入れた構成は面白いが、僕はここを見逃してしまったので演出に関してあれこれ言うことができない。ただ、「ひなくり2021」はこのド定番のセットリストといかに重複せず、かつ、面白いライブにするか?を考えた内容になっていたので、抑えておくべきセットリストではある。

2021年12月25日(土)「ひなくり2021」

<最新作>6thシングル「ってか(C金村美玖)」
<欠員>1名:小坂菜緒(休業)
<セットリスト>
OVERTURE
M1. アディショナルタイム(C/W)
M2. 膨大な夢に押し潰されて(C/W)
M3. ソンナコトナイヨ(表)(代理C東村芽依)
〜〜MC1〜〜
M4. アザトカワイイ(表)
M5. 好きということは…(期)
M6. 世界にはThank you!が溢れている(期)
M7. この夏をジャムにしよう(期)
M8. 嘆きのDelete
M9. まさか 偶然・・・
M10. こんなに好きになっちゃっていいの?(表)(代理C齊藤京子)
M11. 川は流れる(C/W)
〜〜MC2〜〜
M12. ホントの時間(C/W)
M13. 何度でも何度でも(C/W)
M14. 日向坂
M15. MY fans(C/W)
M16. キツネ(C/W)
M17. ってか(表)
M18. 誰よりも高く跳べ! 2020
M19. 思いがけないダブルレインボー(C/W)
M20. JOYFUL LOVE
〜〜アンコール〜〜
EN1. 君しか勝たん(表)
〜〜MC3〜〜
EN2. 約束の卵 2020

「ひなくり2021」は、メイン楽曲をある程度抑えつつ、このライブならではのカラーを出すために苦心したことが伺える。まず代表曲「キュン」と「ドレミソラシド」を入れていない。その上で「M8. 嘆きのDelete」や
「M9. まさか 偶然・・・」などソロ曲/ユニット曲を組み込んだ。あと「M14. 日向坂」の披露は珍しいかもしれない。しかし、「ひなくり2019」「ひなくり2020」のようなストーリー仕立ての構成をやめたおかげで若干どっちつかずの演出になっていたと思う。


ここまで振り返ってみるとライブのセットリストのパターンが見えてくる。基本的にはオープニングに人気の高い表題曲で会場を温めて、MCを挟んだところで最新シングル収録曲を中心にカップリング曲を披露。期生曲パートでメンバーの体力を温存しつつ、終盤に「MY fans」「キュン」「NO WAR in the future 2020」「誰よりも高く跳べ! 2020」といったライブ定番曲で盛り上げ、最後に「JOYFUL LOVE」でエモーショナルに締める。アンコールに表題曲と「約束の卵 2020」でフィナーレ…といった具合だ。

「2回目のひな誕祭」以来、ひらがな楽曲が披露されないのは、単純に「三期生が参加できなから」だと思われる。22人全員でライブをやる以上、メンバーの出番は平等でなければならない。だからライブ定番曲は「ひなたざか」で「2020」をつけて再録し、フルメンバーで披露できるようにしたのだろう。その中で「期待していない自分」や「ハッピーオーラ」といった名曲がこぼれてしまったのはとても残念なのだが。

そして、オタク目線で考えるといちいち「文脈」を盛り込みたくなるが、冷静になって考えてみると、ライブ会場をどう盛り上げるか?を愚直に追求した並びになっているようだ。「文脈」に載せた内容で言うと、せいぜい広島公演が初日だった「全国おひさま化計画」の一曲目に「NO WAR in the future 2020」を披露したことや、なにかとエピソードに欠かない花ちゃんズの「まさか 偶然・・・」が必ず「ひなくり」では披露されることぐらいだろうか。だから僕は「3回目のひな誕祭」もあまり曲順や演出に過剰な意味を与えないセットリストになるのでは?と予想する。

「3回目のひな誕祭」予想セットリスト

ここまでの議論を踏まえた上で、僕が予想する「3回目のひな誕祭」はこれだ。

<最新作>6thシングル「ってか(C金村美玖)」
<セットリスト>
OVERTURE
M1. アザトカワイイ(表)
〜〜MC1〜〜
M2. ソンナコトナイヨ(表)(代理C東村芽依)
M3. 膨大な夢に押し潰されて(C/W)
M4. ドレミソラシド(表)(代理C丹生明里)
〜〜MC2〜〜
M5. ひらがなけやき
M6. 永遠の白線
M7. 未熟な怒り
M8. 期待していない自分
〜〜MC3〜〜
M9. Right?
M10. ときめき草 
M11. こんなに好きになっちゃっていいの?(表)(代理C齊藤京子)
M12. 窓を開けなくても
〜〜MC4〜〜
M15. アディショナルタイム(C/W)
M16. NO WAR in the future 2020
M17. キツネ(C/W)
M18. 誰よりも高く跳べ! 2020
M19. ってか(表)
M20. JOYFUL LOVE
〜〜アンコール〜〜
EN1. キュン(表)
〜〜MC5〜〜
EN2. 約束の卵 2020
EN3. 7th新曲(表)

このセットリストを考える上で苦労したのが「小坂菜緒の参加」と「ひらがな楽曲の取り扱い」だ。

小坂菜緒の復帰はとてもうれしいけど、無理はしてほしくない。フル参加はないと想定した。アニバーサリーライブなので表題曲は一通り披露すると思うけど、1st〜4thシングルにかけては代理センターのままで行く可能性もあるだろう。その上で、小坂菜緒が表題で参加し、かつ、いきなりセンターに立たなくていい楽曲として「M1. アザトカワイイ」を選んだ。冒頭は表題曲で一気に加速するイメージ。ただし「キュン」は最後に残しておきたいのと「こんなに好きになっちゃっていいの?」はバラード調なので、「M2. ソンナコトナイヨ」と「M4.ドレミソラシド」でまとめた。

「2回目のひな誕祭」に続き、ひらがな楽曲ゾーンはあると予想。ただし、先ほど触れたようにここで厚みをもたせすぎると三期生の出番が少なくなってしまう。「ひらがなけやき」は特別な曲なので最後の方に持っていくことも考えたけど、クライマックスで一期生と二期生しかステージに立っていないのは寂しいので、泣く泣く序盤に置くことにした。「M6. 永遠の白線」は僕が生で聴きたいからここに入れている。小坂菜緒復帰を彩るなら二期生曲は「世界にはThank you!!が溢れている」が最適だと確信しているが、ライブの尺的に期生曲ゾーンを二回入れるとは思えない。ここはバランスを考えて「M7. 未熟な怒り」を選んだ。

ひらがな楽曲ゾーンが終わったあとの日向坂楽曲ゾーンのはじまりは三期生曲「M9. Right?」にした。序盤は出番が控えめなので、ここでひとつ流れを変える重要なポイントで三期生に華を持たせるのが流れとしてきれいだと思う。次世代を担うメンバーたちへの「交代」という「文脈」を少し乗せてみた。「M10. ときめき草」もひらがな臭の残る初期の重要曲なので、このタイミングに組み込む。「M12. 窓を開けなくても」は、レア楽曲枠で入れた。上村ひなのソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」をこのゾーンに入れても面白いと思ったが、全体曲や三期生曲の前後には組み込みにくい上に、きれいな流れを描けなかったのでやめた。

「M15. アディショナルタイム」から「M20. JOYFUL LOVE」までは、これまでのライブの実績を考えた組み合わせ。ここでライブ曲を固めてくるのはほぼ確実だが、小坂菜緒がどれぐらいステージに立つのか次第で顔ぶれは変わってくると思われる。「M17. キツネ」で「HINATAZAKA46 Live Online, YES! with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」や「ひなくり2021」のような対立演出を取り入れ、正式センター小坂菜緒 vs ツアーを引っ張ってきた代理センター河田陽菜を同時に見せてくれたら燃えるんだけど、どうだろう(また「文脈」を乗せたがる)。

アンコール後の一曲目は「EN1. キュン」をチョイス。小坂菜緒が全体曲センターのパフォーマンスに復帰するなら、負荷を考えてもここしかないだろうと思った。なにより日向坂の幕開けを告げた大切な曲だ。東京ドーム公演では本家センターにやってもらうのが筋だろう。二曲目には「EN2. 約束の卵 2020」。ライブ一曲目に入れるのも考えたけど、そういうトリッキーな遊びは取り入れないのが日向坂のライブなので、あえて保守的に定位置を選んだ。

そして、最後は願望も込みで「EN3. 7th新曲(表)」にしてみた。東京ドーム公演はゴールではなく通過点だ。新メンバーを迎える準備が進む中,
次の一手を見せることで「日向坂46 第二章」の幕開けを宣言する。あるいは「日向坂46デビューカウントダウンライブ!!」における「日向坂」のように、描き下ろしの「NEXT約束の卵」が初披露される可能性もある。もともとその位置は「ひなたざか」収録の「ただがむしゃらに」だったはずなのだが、「ひなくり2020」が無観客配信ライブとなった結果、いまや誰も話題にしない空気曲と化してしまった。いずれにしても「約束の卵」が最後では若干歯切れが悪い。日向坂46が次に何を目指すのかを、ある程度ここで示していくのではないだろうか。

最初に『だから僕は「3回目のひな誕祭」もあまり曲順や演出に過剰な意味を与えないセットリストになるのでは?と予想する。』と言っておいて、結局僕の大好きな「文脈」まみれのセットリストが完成してしまった。本当はもう少し好みを盛り込みたかったところだが、さすがにメチャクチャなライブ妄想になってしまうので控える。まだまだ気の抜けない感染状況だが、日向坂46の記念すべき節目の日を楽しみに待ちたいと思う。

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