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【BREAKING DOWN】なぜ素人が元プロに勝てるのか?

■はじめに

タイトルで誤解されることのないように、素人、元プロについて簡単に定義しておきます。

ここでいう素人は、格闘技経験はあるもののプロとして活動してはいない競技経験者とします。

元プロは文字通り、何かしらの格闘技でプロとして活動していた時期のある人とします。

*完全な格闘技未経験者が経験者に勝つことはほぼありません(とんでもない体重差がある場合は例外)

この文章は格闘技を経験したことのない方向けの投稿なので、格闘技をされている方からしたら「何を当たり前なこと言ってるんだ」となるかもしれませんがご了承ください🙏

■BREAKING DOWNについて

"1分間最強の男を決める"がコンセプトの大会であり、1分1Rの試合をして勝敗をつける超短期決戦の闘いです。プロアマは不問とされています。


■BREAKING DOWNのシステムの上手さ

1分1Rという設定が、「1対1でリアルにケンカをした時に勝敗が決まる時間」という説もありますが、

個人的にはこの設定は、素人と元プロとの技術差を減らし、ジャイアントキリング(弱者が強者に勝つ番狂せ)を起こりやすくするためのシステムだと思っています。

というのも、1分の闘いは技術差が出にくい条件だからです。


■イメージは100m走と1000m走

100mを足の速い一般人とアスリートが全速力で走ったとして、その差はだいたい3〜4秒になるかと思います。
差はあるけど、その差にとんでもない開きがあるかというとそうでもありません。

一方1000m走では、いくら持久力に自信のある一般人であっても、走る時間に応じてみるみるアスリートから引き剥がされていくかと思います。
時間が長引くほどに、その差は目に見えるほどはっきりした差となって現れます。

これは、100m走という短期決戦ではあまり訓練や技術がいらないという話ではなく、ぱっと見の印象として差が小さいように見える(一般人が健闘しているように見える)ということです。

この理屈はそのまま格闘技でも当てはまります。
(僕が話せるのはボクシングにおいてですが…)


■走ること・闘うこと

「走ることと闘うことは違う!」という意見もあるかと思いますが、実際にボクシングをしている一選手としての見解はこうです。

全力でパンチをすることはそんなに難しくない

1分間なら、ある程度トレーニングすれば全力を出し続けることが可能

技術が洗練されていくにつれて、無駄のない省エネの動きになる

ボクシングにおいては、ボクサーのクラスが上がるにつれてラウンド数が増えていく
→技術が拮抗してくると短期では決着が着きにくくなる


C級→4R
B級→6R
A級→8R
日本タイトルマッチ→10R
世界タイトルマッチ→12R

これは、
互いの競技力が拮抗してくる

短いラウンド数では決着がつかなくなる

ラウンド数を増やす

長時間闘うための技術(無駄のない洗練された動き)が必要になってくる

という流れで生まれたシステムだと思います(個人の見解)

走ることでも同じような経緯が考えられます。
(現に400m、800m、1500m…と一定の距離での競技があるから)

100m走と1000m走で鍛え方(走り方)が違うように、
格闘技における1分1Rの戦いと3分数ラウンドの闘いでは、鍛える技術が当然変わってきます

どれだけ過去に格闘技の実績があったとしても、その闘い方がBREAKING DOWNのルールにフィットしていなければ足元をすくわれることもあります。

だからこそ、 BREAKING DOWNと他の競技を簡単に比較できないし、大番狂せも起こりうる上手い設定だなと思います。


■ BREAKING DOWNの展望

上のような流れでラウンド数が増えていくと、せっかくのBREAKING DOWNらしさ(1分1Rの超短期決戦)がなくなり、他の競技に寄っていくかたちになると思います。

だからこそ、BREAKING DOWNにおいては「100m走のような瞬発的な技術の高め方」
すなわち
1分でいかにKOに持っていくかの技術や戦術」を突き詰めて、その視点での解説もあれば面白いのかなと個人的には思っています。

(オーディションを通して、選手のキャラを知った上で闘いを観れるのは充分面白いですが)


■終わりに

BREAKING DOWNについての賛否がSNS上で飛び交っていた時期がありましたが、BREAKING DOWNが好きかどうかは置いておいて、

個人的にはBREAKING DOWNの存在はありがたいなと思います。

なぜなら、これまで全く格闘技に興味を持たなかった人たちでも、「BREAKING DOWNは見たことある」という人が多いからです。

つまり、格闘技に興味を持つためのきっかけ(入口)を作ってくれているわけです。

BREAKING DOWNという入口から、ボクシングなのかキックボクシングなのか、はたまたMMAなのか、それぞれの方向へ興味を向けていくのはその格闘技に携わるの選手や関係者、ファンであって、

BREAKING DOWNを上手く利用したらいいというのが個人的な考えです。

(だからこそ、この文章を書かせて頂いてます、ハイ笑)

BREAKING DOWNに限らず、物事には良い部分と悪い部分どちらもあるのが常のことなので、
自分自身の中で「ここはこうだから良くないね、これはこれで良い部分だね」と思考のフィルターを通すことが大事なのかなと🤔

ここまで読んで下さった方々には、いよいよ明日に迫った「BREAKING DOWN7」をいろんな視点で観て頂いて、楽しんで頂けたらと思います。

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