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キャッチライトのお話

スタジオ撮影が最近増えている。
すると瞳の中が気になってくる。キャッチライトだ。
瞳の中をみればライティングもわかるしどんな機材でどんな状況で撮ったのかほとんどわかるという人もいる。たしかに瞳の中から得る情報は多い。

キャッチライトの発想はそもそも映画の撮影からきているらしい。交通事故で顔に怪我をおった女優を銀幕でカムバックにあたってより魅力的に写すためにカメラのまわりにさまざまライトを廻らせて撮ったのが始まりのようだ。
スチールでは現在、様々なストロボやライトが賑々しく用いられ、その形状や入り方をカメラマン達はものすごく研究しているのも周知のことだろう。

写真におけるキャッチライトは要するに瞳のなかに映り込んだ光だ。
それを Light caught by the eye
なのか、Light that catches the heart or the viewer
なのかはわからないが、いずれにせよ被写体にみずみずしい精気や最後の命の光をふきこむものの一つということだ。

だから、絵画に目を転じると、少し調べたけでも二世紀ごろのミイラ肖像画(埋葬されたミイラの顔の部分に置かれた、おそらく本人の肖像画)にもしっかりと瞳の中に自然光であろうキャッチライトが描かれている。

閃光粉にはじまり、フラッシュバルブや現代のストロボ、タングステンライトからカーボンアークライト、HMI。蛍光灯、LED。
写真家達は機材がどうかわってもこの近代、現代の松明をともしながらRealよりは実はLiveなものを写真に込めようとしているのだろう。

(FBより再録失礼します)


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