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ツナガラナイト「会社員として働きながら社外で活動すること」全文

先日、ツナガラナイトという超異業種交流会で
ゲストスピーカーとして登壇させていただきました。
そのことを各SNSで投稿したところ
話を聞きたかったという社交辞令を沢山いただいたので
調子に乗ってここに
準備していた全文を置いておこうと思います。

少々長いですが、お付き合いいただけると幸いです。


目次

・自己紹介
・超人見知りだった僕がなんで色んなことをする様になったのか
・集客どうするか問題
・ZERO CUT
・会いに来る美容師をする上で決めた3つのこと
・会いに来る美容師になって起こったこと
・なんで会社員としてなのか
・さいごに


『会社員として社外で活動すること』

・自己紹介
BEAUTRIUMという美容室で働いているのですがどういうお店かと言うと
20年数年ぐらい前ですかね?
キムタクが主演のビューティフルライフってうドラマしっている人はいますか??
そのドラマの技術監修や店舗提供をしていて
その後カリスマ美容師ブームという美容師がアイドルみたいな感じで
もてはやされた時代があったんですけど、言えばそのブームを作ったような会社なんです。

僕世代の人にはピンとこないと思うので
もう一つ言うと、篠原涼子さんと三浦春馬さん、藤木直人さんがでていた
ラストシンデレラっていうドラマはしっていますか?
あれ一応美容師の話なのですが、その技術監修をしていたりする会社と言えば
なんとなくわかりますかね??

割と大きい会社なんです。
更に言うと、うちは子会社の子会社なので
母体は超でかいんです。


そういう会社で働きながら社内外で色々活動したりしているのですが
実際どういうことをやっているのかと言うと

・営業後に毎日1人だけ無料でカットをするZERO CUT
・去年の中国地方豪雨災害へのチャリティーイベント
・ヘアとメイク、カメラのプロでチームを組んで変身企画
・奈良県の小学校で中井さんと一緒にプロフェッショナルプロジェクトへの参加
・SUPER SPINNS三ノ宮店とBEAUTRIUMでコラボカットイベント
・自分で勝手に企画して自店舗のリクルートイベントを開催
・スタッフみんなで各スタイリストをどう売り出すかっていうコンサル会
・モテる人を育てるバーチャル中学校『モテ中』の運営

ざっとこんな感じです。
こんなことをやり始めたのが1年ちょっと前ぐらいです。

元々活発に人と会ったり常に何かをしている人だったのかというと全くそうではなくて、
むしろめちゃくちゃ人見知りだしめんどくさがりなんですよ。
よく友達の友達は友達みたいなこと言うじゃないですか。
僕にとって友達の友達は敵だったんですね。
なので、友達の友達や知らない人が沢山いる場に誘われてもほとんど全部断っていましたし
万が一行ったとしても人見知りなので、自分からほとんど話さなかったような人間なんです。
正直今こうやって大勢の前でこんなお話をしていることなんて1年前の僕には
全く想像できませんでした。


・超人見知りだった僕がなんで色んなことをするようになったのか

みなさん働いているといろんな不満がありますよね。
その不満が自分で解決できることならいいのですが
だいたいのことがそうでないことが多い。
会社となると自分以外の人間が複数いるし
自分以外の人が作ったルールの中でやらないといけないから
なんで?と思ってもルールだから。で終わらされてしまう。
でも、変えられないと思っていたことでも
もしかしたら自分で変えられるんじゃないか。
ということが結構あるんです。
例えばうちのお店で実際あったことなんですけど
『1年目が鍵の開け閉めをしなければならないルール』というのがあって
お店の片づけは基本的に1年目がやるので
『鍵開け』はわかる。
けど、だらだら遅くまで残っている先輩を待たなければいけない理由なんてないはずなんです。
その理由をいろんな先輩に聞いてみても
「そういう風にやってきたから」や「今は昔に比べるとまだマシ」とかいう
質問の答えに全然なっていない返事ばかりが返ってくるわけです。
こうやって言ってる先輩たちも、きっと1年目の時は
愚痴っていたはずなのにいざ自分が先輩になるとなんで
同じことを後輩にしてしまうのだろうと考えましたがその時は答えが出なかったんです。
そんなことを考えながら僕に後輩ができ
後輩たちが片づけが終わっていたので先に帰らせました。
すると、いろんな先輩から「なんで帰したん?」「1年目帰して鍵誰が閉めんの?」
(鍵は2つあるのです。)
この時初めて気が付きました。
先輩たちが1年目の時に不満に思っていたにも関わらず変えようとしなかった理由が。
『めんどくさかった』
からなんです。

今までやってきたことをこの方がいいと思って変えようとすると
色んな人に色んなことを言われるから
それがめんどくさくて、なにか不満に思っても何もする気にならないんです。
何もしない方が『楽』だという判断をしたんだなと
そして、その不満に耐えられなくなった人から辞めていくんだなと。
この会社の“ガン”に気づいた瞬間でした。
その“ガン”は人であり組織の構造そのものでした。
実際僕も1年目の時は毎日辞めてやろうと思っていましたし
「なんでお前だけ他の人と違うねん」「お前がいると輪が乱れる」
と何度も何度も言われ
もちろん自分の至らない所もたくさんあります。
ありますが、なんでここまで言われないといけないのか?
こんなことを言われてまで今の会社にいる必要があるのか?
自分は普通じゃないのか?
普通ってなんなのか?
頑張って普通にしてみても
それは自分にとって普通のことではないので
とてもしんどいし続かないし、結局普通ではないみたいなのでまた怒られる。
異物は徹底的に潰される
そんな組織。
でも、少し変わった人や意識が高いと言われる人が
居られない組織なんてこの先知れてると思うし
そんな会社なんてつまらない。
誰かが居場所を作らないと
この先入社してくる後輩たちがずっと苦しみ続けるんです。
そんなおかしいことないですよね?
後輩たちは色んな想いをもって入社してきているのに
そのお店の人達に絶望して辞めていくのです、、、
そんな環境に耐え、なんとかスタイリストになったのですが
ここでまた大きな問題に気が付きました。

・集客どうするか問題

スタイリストになると、お客様の髪の毛を切られるようになるのですが
そのお客様をどうやってつれてくるのか。
という大きい問題が浮かび上がってきました。

現状の美容室の集客として
・ホットペッパー等の美容サイト
・SNS
・口コミ

等があるんですが
うちはブランドイメージを守るために
割引をしないといけない集客サイトを使っていません。

加えてSNSはそれこそ
SNSでお客さん呼んでくるやつださいとかって言っちゃってた会社なんです。
インスタが爆発的に盛り上がっている間もそこまで使っているスタッフはいなかったので
今からやってもそこでどうにかなるには少し難しい。

口コミがうちは一番多いのですが
問題は『口コミしてくれるお客様がそもそもいない』ということなんです
なので、あのカリスマ美容師ブームの時にいたスタッフは
このまま口コミで勝ち続けるだろうが、
これからスタイリストになる人はかなり難しいのです。

お客様がいないからずっと遊んでいる人、寝ている人
そのストレスを他のスタッフにぶつける人。
そして辞めていく。
そんな夢も希望もない状態です。

そんな先輩を見ているスタッフは
当然のように自分をそこに重ねて絶望し辞めてく。
この無限ループです。


会社が本来やらなければいけない集客をなかなかやらない。
やらないというよりは、何をやればいいのかわかっていない&遅い
会社に任せておくといつまでたっても何もやらないことはもう
アシスタント時代から肌で感じていたことなので
自分でやちゃおうと。


その前に
「そもそもなんで美容師になったんだっけ?」に立ち返ったわけです。


僕は高校生の時に初めて担当してくれた美容師さんが
最初から最後まで笑顔で、すごく楽しそうだったんですよ。
その姿を見て僕は気持ちが良くて
「自分が楽しく働けて、それが感謝される仕事ってめっちゃいいな」
と思って美容師になったなと

そしたら、僕のモチベーションは
僕が楽しいと思えることなので
お客様がそもそもいないと楽しくない
となるんですよ。
お客さんがいないと楽しくないなら増やさないといけないのですが、

自分でやるのはいいけど、何をすればお客様が増えるのかわからない。
わからないけど、とにかく僕という人間が美容師をやっていることを
1人でも多くの人に知ってもらわないとどうにもならないなと思ったことから

・ZERO CUT

とにかく自分のことを知ってもらおうと思って
時間が取れる週2.3日、営業後に1人だけ無料でカットをしました。
それをZERO CUTと言います。
友達のデザイナーが付けてくれた名前とロゴです。

これはいわゆるカットレッスンとやっていることは同じなんですが
営業中は7000円をもらってカットをしているので
ちゃんとそれ用の名刺とタイトルを作って、カットレッスンとは違うんですよ。
というポーズを取りました。

延べ50人ぐらいやってお客様として来てくれるようになったのは2人ぐらい。
もっと続けようと思ったのですが、後輩の指導や色々夜に予定が入るようになって
できなくなってしまったので辞めました。

結果2人しかお客様になってもらえなかったのですが
何もしなければその2人もお客様になっていなかったはずですし
単純に営業以外で50人切ったので、最初のころに比べると技術は上手くなっていたし
50人の初めての人を営業プラスでやっているので度胸も付きました。

つまり、自分の余っている時間だけを使ってこれらの経験を得られたのです。

で、思ったのが
お客様とプライベートでつながってはいけないルールってほんと?
ということです。

うちの会社ではお客様とSNSやプライベートでつながることを禁止されていました。
禁止されている理由としては
・クレームを受けやすい
・なあなあになってしまう
・そもそもつながりたくない人がいる

クレームというか、もっとこうして欲しいとかここがうまくできないとか
そういうもののことなのですが、
それを言えずにほかのお店に行っちゃうより
そういう不満に向き合った方が長い目でみた時に絶対いいと思うし

なあなあになってしまうとかは
SNSで繋がっても繋がらなくてもそうなる人はそうなるし
そうならない人はそうならないとしか言いようがない。

最後のそもそもつながりたくいとう人に関しては
もちろんそういう人もいるのでこちらから積極的に繋がりにいくようなことはしません。
何度も何度も来ていただく上で自然とそうなった時に
「いや、会社の決まりで繋がってはいけないんです」と言うことに
なんのメリットがあるのだろうか。

美容師はお客様の人生といい意味で癒着できるから良い仕事だと思っているのに。

実際、お客様としてきてくれた2人も
SNSで繋がってコミュニケーションを取っていたからだったりします。

その疑問から
能動的に会いに行こうと思って
“会いに来る美容師”というキャッチフレーズで活動しはじめました。
ちなみに「会いに行く」ではなく「会いに来る」なのは
今一緒にモテ中を運営している校長がまだカフェでバイトをしている時に
すでに僕のお客様だったのでカフェに会いに行ったときに
「ほんまに来た!!」と言われたことからこの名前になりました。


・会いに来る美容師をする上で決めた3つのこと

会いに来る美容師をやる上で決めたことが3つあります。
・誘われたら 行く!と答える
・一緒にやってもらえませんか?と言われたらやる!と答える
・興味が無くても初対面では質問する


1つ目
初めにお話しした通り僕は人見知りです。
人見知りなのでいく!と言ったはいいものの、当日を迎えると絶望します。
約束の当日を迎える度に やっぱり行きたくないなー、どうやって断ろうかなーとなりますが
行くと言ってしまったからには行かないわけにはいかないので行きます。
行くとやっぱり楽しいので来て良かったの繰り返しです。
いわゆるショック療法を1人で勝手にやっています。

2つ目
こういうことを今度やろうと思うんだけど、、、
と投げかけられたら食い気味でいいですね!やりましょう!と言います。
これは相手が知っている人、友達に限ったことではありますが
僕は社内で虐げられていたので何かをやろうとしている人を応援したいし
協力できることがあるなら協力したいと思っています。
もし、やろうとしていることがあんまりおもしろくなさそうだったら
おもしろくなるように提案しまくります。
その上でソリが合わなくなったら今回は一緒にしないほうがいいね。となります。

3つ目
人ってみんないい所があると思うんですよ。
なので、その人に興味が湧かなくても質問して深掘っていくうちに
その人のおもしろい部分が見えてくることが多いんです。
なので、自分のことを話すより先に相手に興味を持つ努力をするのです。


これらは全部もともと人見知りだったから決めた3つなので
そうじゃない人はしなくていいと思います。
ただ、大事なのは①,②をやると
こいつは絶対来てくれるし、誘えば乗ってくれる奴だと思われて
いろんな話がやってきます。
人は、否定されたくないし傷付きたくない生き物だと思うので
誘うハードルを下げるというのはとても大切だと思います。

③つめはやると単純にいいやつだと思ってもらえることが多いです。
自分に興味を持って話を聞いてくれて、しかも全肯定してくれる人を
悪く思う人ってそんなにいないと思うんですよね。


・会いに来る美容師になって起こったこと

会いに行く美容師をするって決めてからいろんなイベントや
飲み会なんかに参加しているうちに
ZERO CUTを姫路でもやってやと言われ
「いいよー」と即答すると、その発起人、僕、姫路の美容師さんと4人と
ファッションのスタイリストとして大阪モード学園で先生をやっている友達の7人で
・『ZERO CUTはモテる為にある』というタイトルで
カット、パーソナルスタイリングアドバイス、
ゆうこすさんの『SNSで夢を叶える』をプレゼントをして
料金は投げ銭してもらったのですが
合計35,000円近く頂いて、それをすべて
中国地方豪雨災害への支援にまわしたり

・ヘアとメイク、カメラのプロでチームを組んで
ちゃんと美容に興味はあるんだけれど、実際自分に何が似合うのかとか
どうすればいいのかわからない方に『変身企画』というのをしたり

・SUPER SPINNS三ノ宮店とBEAUTRIUMでコラボした
無料カットイベント企画、運営をしたり

・おもしろい小学校の先生がいて奈良県の小学校で中井さんと一緒に
プロフェッショナルプロジェクトっていう授業でお話させてもらったり

・自分で勝手に企画して自店舗のリクルートイベントを開催したり

・スタッフみんなで各スタイリストをどう売り出すかっていうコンサル会をひらいたり

・フリーでギフトデザイナーをやっているお客さんに
神戸をプロポーズの聖地にしたいんで、なんかやってくださいって言われて
モテる人を育てるバーチャル中学校『モテ中』の運営をしたり

・今度9月に秋田県で
文化庁と県の認証事業でAKITA ART ACTIONっていうアートのイベントがあるのですが
そういえば僕は『みんな表現者』というアート集団に属していたみたいで
そこにパフォーマーとしてでることになったりと

他にも細々やっていたりするのですが
こうやって、いわゆる美容師がやるようなことではないことを
沢山経験させていただいています。

・なんで会社員なのか

美容師をやっていると
よく、将来独立するの?と聞かれるのですが
残念ながら僕はお金の管理なんてできないので雇われている方が自由でいいんです。

それに、今の会社にはとても感謝しているし
スタッフのことも好きだし、
不満もたくさんあるけれどまだ僕にもできることがあると思っている
辞める時は今の会社に僕が必要とされなくなった時なのかな。

もし、将来独立するとしたら
経営をしてくれるパートナーと僕はプレイヤーとしてなのかな?と
正直ずっと美容師をやっているのかどうかもよくわかりません

で、最近よく“リスク”をとって動けというパワーワードを聞くことがあると思うのですが
それは、それ相応の覚悟を持ってやれという意味で
いきなりフリーランスでやっちゃえる人はいいと思うのですが
大体の人はそうじゃないと思うんです。

僕も無理です。
ご飯食べたいです。

じゃあ、そういやっていきなり外に飛び出せない人はどうすればいいかというと
会社にいながら、会社で培ってきた技術と自分のストーリーを持って外に出ればいいのです。

会社にいると面倒な雑務やお金周りのことは全部やってくれます。
お給料もちゃんと払われます。
その状態で外に出られるってめっちゃ良くないですか!?

僕の場合は会社への利益につながってほしいと思ってやっているので
こうやって色々やっていることが会社にとって何もならなかったとしても
会社に何の損もありませんし
こういうことをやってみたけど、これは上手くいかなかったという
選択肢を減らすこともできます。

僕がやっていることが上手くいけば、会社への利益になりますし
僕がやっていることも認められると思います。
もしかしたら僕の姿を見て何かを始めるスタッフが出てくるかもしれません。
僕は会社にいるだけでは得られない経験や友人を沢山得られます。

・さいごに

ごちゃごちゃ言いましたが
みんながみんな何かをしないといけないわけではないと思うんです。
楽しいことや、不満に思うことはみんなそれぞれ違うはずですし
不満を解決するにはどうすればいいのかを考えて行動する人がいれば
何も不満に思わない人がいたり、本当に様々です。

だれが偉いわけでもありません。
みんな、死なずに生きてるだけで偉いと思うのです。
日本では毎年自殺で2万人もの人が亡くなっているんですけど
それはメキシコの麻薬戦争で1年間に亡くなる人数とほぼ同じなんです。

そんな人間関係紛争状態の中でみなさんは生きているんです。
生きているだけで偉いのですが
どうせ生きているなら少しでも楽しく生きた方がいいじゃないですか

その楽しく生きるっているのが僕にとっては
現状のままじゃしんどすぎた。
だから僕は僕が生きやすいように
理不尽だと、変だなと思うことを少しでもマシな環境にしようとすることでしか
たまたま生きられなかったから。
今日もまたこんなことをしているわけです。

社会を大きく変えることはできないかもしれないけど
自分ぐらいは変えられそうな気がしませんか?

こういうことをしていると社内の人間にも、友達にも
あいつ何やってるんやろうと
変な目で見られることは本当によくあります。
肩身は狭いし、つらいこともあります。

何も考えず、何もしない方が楽かもしれません。
でも一歩踏み出した先にはこうやって僕の話に耳を傾けてくれる人がいるように
辛い思いをしながらも前に進もうとしている人が沢山いて
そんな色っぽい人達と僕は生きていきたいなと思っています。

何かあれば声をかけてください。
一緒に何かやりましょう。
そして、あわよくば髪の毛を切りに来てください。


今日はほんとうにありがとうございました。


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