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VOLVO for LIFE

今の自分の車はなにかと愛着がある、もうISO規格の車には乗るのは難しいけど。
脳幹出血の後遺症で麻痺が左半身に色濃く出ているが故に好きな外国車を運転することが難しい。
トランスポーターとして入手したのだが思いのほか満足度が高く、運転できない今日に至っても父の運転で何とか来ていた。
まさかそれまで国産車一筋の家庭に輸入車が来るとは思わなかった。


選んだ経緯

自転車を始めてそれなりにトランスポーターとして実家のワゴン車(日産:ステージア2.5ℓ4WD)を使うことが多くなり、ルーフキャリアまで購入して運用していた。

それこそ全国を巡った、SUGOや金比羅山、どれもが自転車競技のシクロクロスなんかに繋がる。

そんなある日、競技が終わり他の趣味でもある鉄塔を撮って帰るときに出足がどうも悪くなってしまった。
トランスミッションの不具合である。
元々この車はエンジンの油圧関係が少しグズッていて可変バルブの動きが渋くなっていた、そこに今回の不具合である。
どうも現象から2速固定な感じ、これは大変そうである。
案の定2速固定、元々の油圧関係のエンジン機関不具合そしてこの頃には走行自体も16万キロを超えており、乗り換えも少し考える。
そもそも全国を色々と遠征する、自転車が積める、が前提であり、乗り換えるにしてもワゴン車前提で当初は考えていた。

どうせ乗るなら外国車と思い始めたのは乗り換えが本格的に現実味を帯びてきたころだ、今あるワゴン車を治すにしても距離もそこそこ走っている、エンジンの油圧関係、ミッションを治すのにそれなりの金額がかかるだろうことが余計に拍車をかけた。

候補の車は実家の車で僕が出すこともあって新車は難しい、中古車両になるがアウディ:オールロードクアトロ、メルセデス:Eクラスワゴン、そしてボルボ:V70である、この時はまだワゴンの考えでいたからこの様な候補だった。
しかしシクロクロスユースとなると冬のスポーツ、雪なども考慮する必要があることを考えるとEクラスは後輪駆動のために候補落ち。
オールロードクアトロを考えたが確か3,2ℓなのが少し頭に引っかかっていた、この時自分の車が別にあり、あくまでも実家の車というのがあったから税金の関係などもあり排気量を2,5ℓまでとしたかったからだ。
こうなってV70が段々と視野に入ってき、絞れてきた!と。
ところがこれは実家の車、自分の車ではない、自分名義でもないし。
駐車場は実家の庭、少しは自分家の機械式駐車場も脳裏にあったりしたけど実家なら車両高は関係ない、そんな理由でV70もクロスカントリーと呼ばれる少し背の高いモデルも視野に入ってきた。

XC90との出会い

一応どんなものか見に行くことになり専門店に車両を見に行く。
少し遠いが専門店に見に行くのが得策と思った、ラテン車等なら近場にあるのは知っていたが今回の候補には残念ながら当てはまるモノがない。
北欧車についてはほとんど知識が皆無な僕、ホイールピッチは?マイナートラブルは?とか何も知らない。
実は父も僕も国内の車メーカー経験があり、それなりの知識や技術は多少なりとも持ち合わせていた。
国産と海外の車は基本概念も違うのは知っているつもりだった・・・。

展示場を物色していると当然営業担当者が来る、で理由を話して車を見ていくのだがなかなかこれが難しい、決め手がない感じだ。
この時には実家の車にして自転車レース時には実家で過ごし、そこから遠征に行くことは割り切っていたから今度は背の高いSUVタイプまで視野に入っていた、但し排気量はよぎっていたが。
メルセデスのLMまで見てたが排気量の関係で少し躊躇はしていた。

ボルボ専門店だけあり玉数は豊富で目移りする。
昔から中古車両に乗ることが多かったが、その時はほかに候補もないし、特殊な車ばかりだったからそれ程悩むことはなかった、乘るか乗らないかだけだったから。
よくよく思い出していけば、昔ホテルで行なわれていた輸入車の合同展示会でBMWのX5が出たころかな?買いもしないのに見に行ってXC90とX5を比較したりしてたっけ、そんなことが思い出される。

専門店にはV40、V50、V60、V70、XC70、それにXC60、XC90、遠征に使えそうな車両はそれこそピンキリ、選り取り見取り。
どれがいいか迷う、自分ではなかなか難しい、決定打が・・・、ここで比べていくと段々と値段が上がっていく。
XC60とかもいいなぁと見ていたのだがトランスポーターとしての使い方なのでそこまでラグジュアリー感は求めてはいなかった。
しかしそこで提示された車両はなんとXC90の初期の頃のモデル、2.5の4WDまさしく求めている感じだった、トランスポーターにはお値打ちだった。
当初は前輪駆動車でもアリとは思っていたが、使い方がトランポでましてや毎年恒例の野辺山シクロクロスの時、駐車場がいっぱいで臨時駐車場?の畑みたいな時もあったし、ステージアの時は4WDってこともあり比較的にラフに走行していたが、ほかの車は売られていく子牛のドナドナ宜しく、大型のトラクターで牽引されてるのを目撃していたからそういった時のことも脳裏をよぎった。

かなり綺麗な個体、年式はそれなりにしてるけどフラッグシップ感が半端ない。
そうなってくるとソレしか見えなくなるものだ、基準ができたのはいいことだろう。
一度帰宅して落ち着いて考える、色々調べるのだが良さそうだ。

再度訪問でこれに決めた。

運用


ルーフキャリアはステージアから移植、ベース部分のみ更新となった。
買ってから気づいたんだけど、5気筒2.5ℓモデルって言うけど、厳密には少しオーバーの2521ccなんで原則として3ℓと同じ排気量区分なんですねwww、これはうっかりでした。

それからは外国車によくあるプライバシーガラスではない仕様なのでフイルム貼ったり、冬のシクロクロスを見据えてスタッドレスタイヤセット調達となった。
スタッドレスタイヤは購入先のお店に運良くXC90にも適用できるサイズのものが出ており飛びついたのを覚えている。

もともとよく行動はしていたのだがますます移動、遠征したのではないだろうか?。
前のトランスポーターよりも使える、荷物の搭載量が違うのだ。

中積み、ルーフ積み、どんな条件でもOK、これは両親も喜んだ。

シクロクロスのメインは冬、当然雪の時もあるが先述したようにスタッドレスタイヤも手に入れられたし怖いものはなかった(油断大敵だが)。

雪が降りしきるシクロクロスの駐車場で4WDなのにスタックして脱出できなくなるところを友達が少し押してくれて難を免れた時もあったw、過信はつくづく禁物だなぁと実感した、タイヤの溝も少なかったのもあるが・・・。

ホントにXC90になってからはよく両親連れて遠征が多い気がする、それまでは単騎で行くか友人のハイエース遠征が多かったのだが。
旅行気分での遠征が増えた、前泊で試走、後泊で観光。
その中には応援観戦だけで前泊、レース当日と観光・観戦だけの時なんかも増えてきた。
それくらい自転車生活以外もかなり豊かにしてくれた、大船に乗っている気(GTロマン風に言えばトリノステーションワゴンに乗ってる)になる感じだろうか。

メンテナンス作業


全国津々浦々駆け巡る、当然イニシャルコスト、ランニングコストはかかってくる。
親子でそれなりにメーカー経験アリなだけに欲が出ているわけではないが自分である程度は出来る自信もあったしそれなりに交換できるところなどは簡単に手に入るものなどはしていった。
タイヤ交換にバルブ交換はマスト、オイル交換までは流石にだったけどブレーキパッド交換くらいまでは対応できた。

経験のないヘッドライニング貼替!

数年乗り継いときだろうか?、甥っ子姪っ子を載せていた時、当然サードシート展開でそこに乗っていたのだが天井のヘッドライニングが少しずつ垂れているのを見つけた。
徐々にそれは広くなり、とうとう全域に広がった。

「空が落ちてくる!」、ガノタ故に出てきた言葉w。
これは一大事、これまで輸入車とか乗ったことがないからどうしようとなったけど、調べるとアルアルみたいだし、父いわく昔の国産車も似たような事案はあったそうだ、近年は材質などから国産ではまず見ることがないのだろう。
交換費用はそれなりにするよう、大概はヘッドライニング交換のようだったからそりゃあそれなりの費用がかかるわけだ。
ならば自分たちで何とかすればの考えになった、まだ僕も健常だったから・・・。
ホームセンターで遮光カーテンをサイズ分、スプレー糊を購入。
取りあえず剝がす、A~Dピラー、ルームランプ、ラゲージ後端のガーニッシュ、外せるものは外した。

季節は初夏、汗だくだ。
ばらしてしまったのだから後戻りは出来ない、頑張ってカーテン貼り付け。
ヘッドライニングばらしで数時間、ヘッドライニングにカーテン貼り付けが半日くらい、乾かして細分切り取りが数時間、取り付けは半日位を要した。

少し色合いは違うけど垂も治ったし気持ちがいい、再びこれで遠征が豊かになる。
諸先輩には240とかで室内をメンテされてると聞いてる、今回はそれにならっただけのこと、達成感は計り知れなかったが。


これ以降もそりゃあ全国駆け巡った、物凄く思い出深い。

脳幹出血

でもね2019‐06‐03に僕は脳幹出血を発症しその後は発声も含めフィジカル機能を失った、一命はとりとめたが出血部位が橋と呼ばれる部位でほとんどの運動機能が後遺症のためになきに等しいまでになってしまった、それ故に構音障害もある、初見の人などとのコミュニケーションはどれくらいだろう。
それから半年は入院生活を余儀なくされる。
リハビリ病院で何とか運動に嚥下、発声のリハを行い退院する(期限が決まっている)までに何とか助手席に座れるようになった、これができるまで大変だった。

久しぶりのXC90に感動したのを今でも忘れない。
流石にこの身体ではISO規格の車に乗れないし、ましてや外出も激減する、退院してからの走行は年に3000㎞未満にまで落ちている、クリニック通いとかがほとんどだ。
しかし乗っているとそれなりにどこかはほころびてくる。
ちょっとAピラーが怪しかったのだが、それが具現化した。
Aピラーなので範囲は小さいのだが前回の残り部材がスプレー糊だけだったのでカーテン新調、ところが同じものがもうなかったので似た感じのものをチョイス、僕がこんなだから父1人で貼り直し。

こっちの方が純正っぽい。
こうして今日に至るのだが、ここまで大きなトラブルもなくよくこれたものである。


この身体故に退職もしてしまったし大変だ。
何とかしてもう少しXC90で思い出を残したいものだ。

これから


だいぶん走ったものだ、しかし今回駆動系は問題なさそうだがパイロットランプの点灯が出てきた、折しももうすぐ車検、簡単には治る気配はないのだけれど機関良好なだけにこの不具合が悩ましい、悔やまれるが仕方ないこと。

購入した専門店にアポイントが取れ(父がおこなったが)どうなるかだ、一応今回はもう2年お世話になるつもりだが、僕がこんなだからハンドル周りのレイアウトをハンディキャッパー用に修正してまで乗る感じではない、改造してまでも現実的ではない、父の運転に僕が助手席、これが現実的だろう。
取りあえずはあと2年、思い出を残せるよう。
VOLVO LIFE。






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