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フェルミ推定の4パターン

概要

この4パターンでだいたいのフェルミ推定ができます。

フェルミ推定の4パターン図

所有ベースというのは、ある程度の期間ごとに定期的な買い替えがありえるモノ(耐久消費財など)を扱います。買い替えの頻度は耐久年数・陳腐化といった視点で考えます。テレビ・スマホ・自動車・パソコンなどは市場規模の議論をしやすいでしょう。

存在ベースというのは、一度設置したら利用できる限りは利用し続ける設備や備品を扱います。耐久年数は法的な視点と物理的な視点のうちで使いやすい方を用います。ポスト・電柱・ゴミ捨て場・噴水・信号などは市場規模の議論をしやすいでしょう。

需要ベースというのは、頻繁に購入されるモノ(一般的な消費財)を扱います。1日あたり、1週間あたりの消費量から年間量を推測するよう要素の解像度をあげることも多いです。牛乳・おにぎり・トイレットペーパー・シャンプーなどは市場規模の議論をしやすいでしょう。

供給ベースというのは、店舗・拠点を扱います。収容人数は座席数や拠点面積、稼働率は平均的な利用状況、時間当たりの回転率は人が入れ替わる頻度として考えます。コンビニ・歯医者・カフェ・水族館・映画館などは市場規模の議論をしやすいでしょう。

こちらのサイトの解説を見ていただくとわかりやすいと思います。

こんなフェルミ推定の用い方は面接官に嫌われる

フェルミ推定をパターン化したら本質的ではなくなる、という意見を見かけましたが、それはパターンの用い方次第。

たとえば、あるかき氷屋さんの売上を推測するのに、観光地の夏休み時期であれば「供給ベース」で考えることができますが、秋の終わりの閑散期であれば「需要ベース」で考えます。画一的に「お店の話だから供給ベースで考えよう」というのは思考停止に等しく、これは先の指摘通りです。しかしフェルミ推定をうまく使う人は、「かき氷屋さんの置かれている状況を確認(仮定)してからロジックを組み立てます。 問題の因数分解は一側面であり、前提分析と解像度の段階的な設定をすることで推定の粒度を細かくしたり粗く捉えたりする枠組みを作るのが実用的なフェルミ推定です。

特に就活生の皆さんは「画一的なフェルミ推定の用い方」は面接官にマイナス印象を与えます。それだけはしないよう気をつけてください。

参考書籍

フェルミ推定のように思考の定石をまとめたものをフレームワークと呼びます。よく使われるものを『フレームワーク使いこなしブック』(日本能率協会マネジメントセンター)で詳しく解説しています。この本は、新人の東むぎ夫がフレームワークを使って課題を解決していくストーリーを追いながら、フレームワークを学べるしかけになっています。「わかる」レベルから「使える」レベルに無理なくステップアップできます。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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