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評価行脚①


2020年度の休眠預金事業は、山梨県と長野県のコンソーシアムで申請、5つの事業が始まってはや一年。
以前noteにも書きました。

休眠預金では、評価(社会的インパクト評価)を重視しています。やらされ感、上から目線ぽい感じのある“評価”ですが、評価は意識して行うと、事業改善、事業の広報、スタッフや関係者の事業の理解促進に役立つと私は思っています。
休眠預金では、事前評価、中間評価、事後評価と3年間の事業では初年度契約終了時(本当は契約前、事業計画、予算計画確定時がいいが実務的に難しい)。中間評価は折り返し地点、2年目の9月、事後は終了時となります。
評価は振り返りから、学ぶ機会。
事前評価は実際に行おうとしている事業対象の分析、それは、対象となる人たち可塑の課題、背景や状況を直感でなく、分析し、事業対象がずれてないか、を検証します。
課題の分析の後、自分たちが行おうとしている事業計画が、その課題解決へ有効か、適切かを検討します。休眠用語では事業設計の分析といいます。なんか難しそうですが、普通、企業でもプロジェクトを組むときにしているタスクと同じですね。
企業と違うのは、ネガティブ要素もしっかり提示し、削除、変更するにしてもそれも学びにする、というところだと思います。

2020年に始まった甲信地域の休眠預金等活用事業は、長野2事業、山梨3事業。
山から川への5地域で1年を過ぎました。

八ヶ岳の北にある上田別所温泉。八ヶ岳の南にある富士見町。富士見町の西、南アルプスから発する釜無川が甲府盆地に入るところが韮崎韮崎から太平洋に向かう途中南アルプス市、
富士川と名前を変えるあたりが富士川町。

7月19日、戻り梅雨のはっきりしない天気の中、中央高速から双葉ジャンクションで中部横断道へはいり、増穂ICで下りれば富士川町。
ここ富士川町の事業は、リユース食器活用の環境分野では古参の特定非営利活動法人スペースふうの事業。
しんどさを抱えやすい家庭(0 歳児のいる家庭や中学 3 年生の子どもがいる家庭)へ、手作りのリユース食器のお弁当を届け、子育てで一番ストレスの高い時期に、相談や見守りをし、かつ、届け手も、空いている時間に働きたい、といった方々のスキルアップも兼ねての就労支援にもなる。
着眼点もいいし、環境に配慮したリユース食器活用はお手の物。採択時は、引きこもりや課題を抱えた方々全般への配食であったが、事前評価で変更した。
事前評価の、課題の分析では、ふうさんが評価計画書を作る前にしゃにむに保健師さんや社協など関係部署にヒアリングを開始してしまい、対象課題の分析から事業計画を見直す、という段取りがひとっ飛びになっていまし、実は混乱しました。
幅広い困難を抱える方のいる家庭への弁当配布支援、という事業がいきなり、産後間もないお母さんへ支援に対象が変わり、(これは保健師さん等へのヒアリングでリスクの高い層という課題を見つけたため)正直、慌てました。
大量のヒアリングのデータを一緒に整理し、評価計画を後追いで整理、申請時の事業計画を練り直し、事業計画を変更、ともなって資金計画も変更していった。
申請時は、リユース食器を使った家庭支援、配達員の雇用支援がメインだったが、そこから生まれる、子育て中の母親のニーズ把握情報を、地域全体の子育て家庭への支援ネットワークづくり、新たな官民協働のセーフティーネットづくり、という事業、アウトカムが見えてきました。
その名も

hottos / リユースお弁当箱がつなぐ地域デザイン事業


産後のママさんや ひとりで子育てをがんばっている方に ちょっとでもほっとするひとときを感じてほしい そんな想いを込めて、お弁当をお届けしながら、 地域でつながりを育む事業です。 ・出産後、体が痛いのに思うように休めない ・全然寝れなくてしんどい ・自分のご飯を食べる余裕もない ・誰かと話したい・・・等々 お届け時にホットスのメンバーとゆるやかにお話しながら、 少しでもほっとするひとときを一緒につくっていきませんか。

1年たち、中間評価に向けてJANPIAからの新たな宿題、点検チェックリストをもって到着。
最新の事業計画書、評価計画書、事前評価報告書を見ながら、中間支援に向けて、現在地点と事前評価地点の変化、足りてる点、足りてない点を確認していくということ。リスト化すると、うんざりな感じになってしまいます。

例えば、リストの一部
事前評価の確認
・事前評価結果に基づいて事業計画および事業設計図を見直す
・アウトプットの進捗状況を定量・定性的情報に基づいて把握しているか

これをぽんと渡して、やってみて。という状態にしてしまうと、立ち往生してしまう。
一緒にやってみよう、としました。
傍らに、最新の事業計画、評価計画、事前評価報告書、そして点検リストを一緒に見ながら、行きつ戻りつ、リストをこなして行きました。
難しく感じてしまうチェックリストを翻訳しながら、評価計画における中間評価の項目確認、指標をどうするか、事前評価の指標との整合性など話し合いながら進めました。
ふうさんのスタッフが、一つ一つステージを上がるように、理解が深まっていくことを感じました。
富士川町にお弁当宅配をツールとし、子育て家庭を支える官民協働のネットワーク構築、それをモデルとし近隣、全国へ発信していく、という明確なアウトカムが形成されました。

*次回は、山梨県韮崎市 河原部社の事業を紹介します。