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【MUP OUTPUT#9】論理的思考スキル後半

前回からの続きから。

前回では、なぜ論理的思考スキル(ロジカルシンキング)が必要か、人間にはどのような本能があるかということを書いた。

今回は、その論理的思考スキルを使ってどのようにサービス設計をしていくかという話である。

サービス設計の流れ

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実際にサービス設計をしていくうえでの手順は上記のように

3C分析⇒SWOT分析⇒4P分析⇒デプス調査⇒ペルソナ設定⇒市場調査

という順序で組み立てていく。

3C分析とSWOT分析について

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3C分析とは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competior(競合)の3つをまず把握して分析するということ。

その中でまず一番先に自社のことを先に進める。自社を分析する際に使うのがSWOT分析であり、この2つの分析をセットで行うと良い。

SWOT分析とは、Stregth(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(拡大可能性)、Thereat(縮小可能性)の4つのことである。

竹花校長の経営(投資先?)のハイボールから揚げのお店を例に挙げる。

そのお店のSWOTは

強み:1階路面店で目立つ・仕入原価が安い・国産仕入れ・オリーブオイルを使用・UBEREATSでデリバリーが可能・オフィス街で人が多い・宴会で使われるなど…

弱み:メニューが豊富さ(少ない)・ブランド名がない・値段を多少高めに設定・オフィス街なので週末空き・人が少ないときに弁当販売ができない・長期休暇の際は売り上げの上がり下がりがある

拡大可能性:親会社がマーケティング会社である・Youtuberを使ってイベント開催・体脂肪ケアでハイボール同好会・キッチン貸し

縮小可能性:大型休日が増える・ヘルシー思考・外食する人がそもそも減少

というように当てはめることが出来る。

次にもし自分がコンサルティングをするとして、クライアントがカフェを新規オープンする、スターバックスが近くにあるので先行きを不安がっている。まずは3C分析により以下のようにまとめてみる。

【顧客分析:Customer】オフィス街/休日はあまりいない/サラリーマン多い/男性が6割程度/年齢は40代程度が多い/スーツを着用している人が多い

【自社分析:Company】ここでSWOT分析を使い、当てはめる↓↓

強み:ドリンク価格がスターバックスより40%ほど安い・個人店なので独自のキャンペーンなどを利用できる・アルコールなど幅広いメニューを提供できる

弱み:ブランド力がない・大手ではないので仕入れ原価が多少高い

機会(拡大可能性):夜はバーとしても営業が可能・オフィス街なので企業ベントなどでも利用できる・フードデリバリーも可能

脅威(縮小可能性):近年色々な業種でアルコール取り扱いが増えているため、スターバックスでもアルコールを販売されると集客が減ることが考えられる。

【競合分析(Competitor)】朝の入店数は50人程度、昼時には約100人程度、夜は40人程度・女性が多い・店内でフードをオーダーする人は入店数の30%程度・そのため客単価を530円と仮定すると1日の売り上げは100,700円程度である(これをグラフにすると分かりやすい)

ここまで3C分析とSWOT分析まで進められた。

4P分析について

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4P分析とは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)のことである。

上記したカフェの事例にこれを当てはめてみる。

Product(製品):サラリーマンが多い観点から、おしゃれなメニューよりボリュームを重視したランチメニューを用意。夜もアルコールメニューを用意。また女性の取り込みのため、タピオカなど競合などのドリンクメニューも提供。また企業イベントなどで飲み放題パッケージも用意。

Price(価格):価格はランチタイムはサラリーマン取り込みのため、ドリンクセットで1000円では高いので900円で提供。夜は競合がいない為、高めに設定し客単価4300円程度を狙う。

Place(流通):オフィス街であることから一定のデリバリー需要もあることを想定。そのためランチデリバリーを宅配サービスを提携して提供予定。

Promotion(販売促進):忘年会などのイベントシーズンでの利用を刈り取るためLINE@での登録でドリンク1杯無料などを行う。看板認知の獲得が可能なのでホットペッパーなどには掲載しない予定。ランチタイムに多くのテーブルフライヤーでのクーポン配布を実施予定。

このように1つ1つフレームワークを使って当てはめて提案することで考えがまとまり、ロジカルシンキングとなる。

徹底的にパクる=TTP戦略

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カフェの事例でいくと、自社と競合(スターバックス)を4P分析の比較してみると上記のようになり、勝てる部分が見えてくる。自社、競合の4P分析を比較し細かく1つ1つ改善を行えば必ず勝てる勝負である。

市場調査について

よく聞く言葉では市場規模ではないだろうか。市場調査する際は少しGoogleで調べると思うが、これだけではリソースが少なくて完璧な市場調査とは言えない。市場調査とは特定の商品やサービスを必要(ニーズ)とする人がどれくらいの数がいるのかが①、そしてそのニーズに人々はどれくらいのお金を支払うのか(デプス調査+メンタルアカウンティング分析)が②、その①×②が市場規模となる。

①サービスを必要としている人の数×②そのサービスに支払うお金=市場規模

メンタルアカウンティングとは、100円の自動販売機でケチる人はいるが女性と行くディナー1万円はケチらないというように、支払いの際の意思決定が、出どころや何に使うかで変化する心理的な会計のことである。

このメンタルアカウンティング分析も内容も必ず入れて考えることが必要である。

それでは【ニーズ調査】はどうするか?

これは多くの人に「こんな商品やサービスがあったらどう?」とシンプルに聞くことが大事である。この際必ず、主婦や会社員、無職など様々な人に聞いてみてカテゴリー分けを行う。

つぎに【デプス調査】は上記のニーズ調査の中から特定のニーズが確認できたカテゴリー層を呼び、5~10人程度に直接対面でヒアリングを行うことが重要。これは必ずリラックスした環境で行う。これを行うことでかなり明確なブラッシュアップなどができたり、市場が把握できる。

ZOZOTOWNでは、利用しているユーザーがカートに商品を入れるが、その日にはなかなか購入までに行かない人が多かったり、翌月、翌々月に購入する人が目立った。ZOZO側としてはその日に購入させたい。その取りこぼしに対して「ツケ払い」というサービスを導入した例がある。私もZOZOユーザーであり実際にカートに入れて悩むことが多々ある。このサービス自体は利用したことは無いが…

なぜ支払い期限がが翌々月(2か月後)なのか…ユーザーのほとんどがクレジットカード決済であり、来月再来月の支払いが確約されているため、支払期限を延ばした設定になっている。これも細かいニーズ調査やデプス調査を行った結果と言えるだろう。

少し戻って【デプス調査】について、これにも順序がある。

①スモールトーク(日常会話でリラックスをさせる。そして自分のこともよく話し、相手に安心感を与える)

②ライフスタイル質問(趣味や家族構成や職業や帰宅時間、出勤時間、子供の保育園の時間など平日と休日に分けて、その人の1日を聞き出す)

③ワンアヘッド質問(実際の年収や、家庭の経済状況、そしてローンの残高など折り入った質問を聞く)

④そこからサービスや商品に対しての意見をもらったり、なぜ必要・不要だと思うのかをWHY3回聞くような質問をする。

※インタビュー中に重要なことは、ホロっと口にした言葉などを必ずメモに残す。サービスや商品については必ず最後に質問することが重要。

ペルソナ分析

ここまで進めたら、一番共通点がある部分を持つ人物を勝手に作り出す。それを「ペルソナ」という。あたかも実在しているかのように年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、価値観、趣味、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方。ライフスタイルなど、リアリティのある詳細な情報を設定する。

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ペルソナを設定したら以下のように式に当てはめることができる。

(ペルソナ×同様人物)×利用意向×メンタルアカウンティング=市場規模


普及曲線

最終的に普及曲線と呼ばれる、新しいサービスや商品が普及するスピードを表したもののように、市場に浸透するまでに時間がかかる。いくら何億円の市場があったとしてもいきなりは普及しないのである。

参照:コンテンツマーケティングラボ「普及曲線」からコンテンツマーケティングを考える

例えば50憶の市場があったとすると、まずはイノベーターやアーリーアダプターなどが占める割合16%の7、8憶の市場を狙う施策を打たなければならない。その次に口コミでアーリーマジョリティの市場へバイラルしていく。

UBEREATSは口コミで広がっていった良い例で、最初はTV広告をあまり打たずに広まり始めたのである。

口コミを広げてくれるこの16%は、新しいものに挑戦してくれる人たちなので、ただの「カフェ」よりも「高級チョコとコーヒーのお店」のようにニッチなPR戦略で口コミが広がるようなキャッチコピーで考えると良い。

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