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「枕辺さん！　飛ばしすぎです！」
　こんなあからさまな荒野で横転してもJAFは来ないし、なんなら、西部の保安官にしょっぴかれるのではないか。
　超速の馬がパカラパカラとやってきて……この車は防弾仕様ではない！
　僕が後部座席から身を乗り出すも、枕辺さんは、うっとうしそうに舌打ちするのみだ。
　なんて非人道的な職場に勤めてしまったのだろう。
「時速70キロでも100キロでも着く時間は大して変わらないですよ！　急がば回れ！　石橋は叩いて渡れ！」
「笑う門には福来たる。さあ、笑え。ひよこ」
「バカじゃないの！？」