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 ふたりで見たってさして楽しくもないものを、ひとりで見て、楽しいわけがない。
 ライトアップされた橋を眺めながら、光るウエハースを妄想する。
 張り込みをすると言った張本人は、このクソ寒いなか、平気で居眠りをしている。
 何度も叩き起こしてやろうかと思ったが、これで凍死するなら自業自得で仕方ないということで、コートを掛けてあげるにとどまる。
 見張るにしては遠すぎるロケーション。
 豆粒ほどの車が、ちょっとスピードをつけて通過していくのを、ぼんやりと見ている。
 こんな人生のつもりだったっけと、幼稚園の卒園式を思い返した。

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