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「幸せは金、じぶん、人間関係の3つ」 本のまとめ:幸福の資本論、橘玲

この本は一言でまとめると

「幸福の定義とその方法について、金融知識を使った考え方で説明している」本

この本から得られる学びをまとめると

・幸福を得るには社会資本・人的資本・金融資産の充実を図る
・社会資本は少数の「なりたい自分に近い」人との関係だけ維持し、それ以外を手放す
・人的資本は好きな事に集中し能力を高める。
・金融資産は分散投資と拡張性の高い仕事を行う
=無駄な人間関係に煩わされず、経済的に自立し、個人の充実をもつフリーエージェント的な生き方を目指す

よくわかんねえ!って人にスーパーざっくり言うと

幸せになりたかったら、金、じぶん、人間関係の3つだべ。
まず仕事はやりたい事やれ。好きな事しかするな。それでなんとか稼げ。
人間関係なんて、増やせば面倒も増えるから好きな人とだけ繋がれや。あと、なりたい自分に近い人。ポジティブになりたきゃポジティブな人、痩せたきゃ痩せてる人といな。
金欲しかったらサラリーマンはマジ無理。フリーランスの方がマシだべ。最初は頑張って働いて、その内自分以外の人が稼いでくれるよう頑張って。金ができたら分散投資ね。
 以上!


詳細

人には幸福を得るために3つの資産がある
社会資本=他人との繋がり
人的資本=個人の能力や働く行為
金融資産=現金や不動産など

例1:プア充 (社会:高、人的:低、金融:低)
 ・田舎にいて収入は低いのに幸福度が高い
 ・これは社会資本(地元の仲間)によって資産の少なさを補っている為
 ・逆を言えば「仲間はずれ」をする事で一気に貧困化するリスクがある

例2:ソロ充(社会:低、人的:高、金融:低)
 ・都会で働きそれなりの収入を得ている
 ・独身で人付き合いも多くないが自分の趣味などへかけるお金はある為幸福度が高い

例3:退職者(社会:低、人的:低、金融:高)
 ・貯金と退職金によって経済的には余裕がある
 ・仲間も少なく、あまりする事もない為生活は可能だが幸福度は高くない

例4:リア充(社会:高、人的:高、金融:低)
 ・稼ぐ能力が高く仲間や恋人、家族に恵まれている状態

例1−3は柱が1つしか無いためそれを失うことで一気に貧困へ転換する可能性がある
 プア充>仲間はずれ ソロ充>怪我や病気で収入源 退職者>社会変動、詐欺などで資産をへらす

例5:貧困
 ・稼ぐ能力が低く孤立した存在
 ・障害者、シングルマザー他

3つの資本の確立が安定した幸福を作る

1,金融資産の作り方

・サラリーマンは一生で一億円以上納税する
・中小企業オーナーが有利な税制なのは投票のため
・個人年収800万円、世帯年収1500万円、金融資産1億円までは増収=幸福度上昇、それ以降はない
・逆に言えばそれまでは収入アップが確実に幸福度上昇につながる
・現状はマイナス金利なので、資産運用よりも多く働いて稼ぐほうがプラスになる時代
・長期で見れば日本円はリスクなのでインデックス投資などでドルユーロに分散して持つべし

2,人的資本

・仕事は収益と自己実現で構成されている
・資本主義的には収益と安定性であるべきだが、人間性がそこで複雑にしている
・拡張可能な仕事かどうか。医者や弁護士は単価は高いが、自分が働いた分しか稼げない点では拡張不可能。
・楠木新「会社で自己実現を目指してはいけない」
・ポジティブゲームとネガティブゲーム「高評価の数が大事になれば人は積極的にポジティブを目指す。悪評がリスクになる場では「目立たないように」がゴールになる」
・重要なプレゼンを前にするとうつ病になる人間がいた。本人は「プレゼンが向いていないから」と言っていたが、その実は「能力が足りない事を自覚しておりそればバレるのが怖いから」だった。
・バイオリン学校の例。トップランクの学生は18歳までの練習時間が、平均の倍以上だった。更に現在の練習の中でも個人練習が平均の倍以上を占めていた。これは「個人練習をすればよくなる」ではなく、「トップランクの人間は個人練習を好む、好きだから」と解釈。
・弱者の戦略「小さな土俵」「複雑さで勝負」「変化に早く」シンプルなゲームは強者に有利。
・フリーエージェントの道「好きなことに集中する」「ニッチな市場を見つける」「官僚化した大企業から収益を得る」

3,社会資本

・幸福は社会資本からしか生まれない
・愛情空間、友情空間、貨幣空間。愛情と友情の外の人間との関係とは経済圏における関係性(例:家のコップを作ったのは中国の誰か)
・友情とは平等感によって生まれる。それは差が生まれやすい貨幣価値を友情関係において発生させたがらない為。
・欧米人は「個人」型、アジア人は「間人」型。人とは関係性の中にある存在。
 >幸福には関係性が必須な為、会社に属することが幸福に近いと考えるようになる
・フリーエージェント戦略:特定のグループに属さず、薄いつながりで自由と利益の両方を得る
・ポールドーラン「幸せな選択、不幸な選択」楽しいともだちとは近づき、楽しくない友達からは離れる。体重を減らしたければ痩せている友人に近づき、太っている友人からは離れる。近い関係ほど「伝染効果」がある
・技術の進化によって、愛情+友情空間を全て貨幣空間(+ネット)で置き換えるソロ充が増えていく(by超ソロ社会)
・愛する人の死別よりも長時間満員電車の方が人を不幸にする
・BOBOS(ブルジョア+ボヘミアン)と呼ばれる現代的なフリーエージェントリッチが誕生している。高収入+自由な生き方を模索している。彼らが欲しいのは知的コミュニティにおける評判。

本当の自分とは

・子供の頃の集団で自分が(無意識にでも)選んだ役割のこと。リーダー、道化、はぐれもの等
・マイルドヤンキーは地元、学校からの繋がりを維持し、キャラが変わらないので本当の自分に悩まない。しかし通常大人になりかつての役割と新しい役割が違う事で違和感を覚える。

幸福の戦略

・社会資本:愛情・友情空間の肥大は問題の種>小さい愛情・友情空間+広大な貨幣空間
・人的資本:好きな事に集中する事でやりがいを得る。子供の役割を取り戻す事で悩まなくなる(?そこにこだわらなくする方が早い)
・金融資産:経済的充実が自由を生む。分散投資と拡張可能な仕事を得る。
・宝くじに当たった人は不幸になる>金融資産を得るが人的資本(労働)と社会資本(人間関係)を失うから
・一方不幸(事故・死別など)にあった人は徐々に元の幸福度合いへ回復していく「進化の過程で不幸から立ち直る為に幸福の維持を捨てた」とも考えられる。


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