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ブロックチェーン証明書

多くは海外にお住まいの方からですが「作品証明書はついていますか?」と質問されます。実は僕は今まで作品証明書は用意したことはありませんでした(ディーゼルでの展示ではディーゼルが用意してくれました)。サインが入ってるのが証明では?と思うのですが、二次流通を見越した場合に必要なのかな?いずれにしても今後は作品証明書をほしいと言われることが増えそうです。

今までは"作品証明書"というと紙に「これはJun Osonの作品で間違いないです」と書いてあって、アーティストのサインが入ります。最初はそれを用意することも考えましたが「いまどき紙というのもな…」と頭をよぎりました。そういえば、先月新しいスタジオが完成したのですが、その時にお世話になったFさんが「友人がデジタル証明書の会社を立ち上げて今注目を浴びてるんですよ」という話をしていたのを思い出しました。

スタートバーンという会社で、Cert.というのがブロックチェーン証明書のようです。サイトには下記の6つの特徴が書いてありました。

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なかなかいいかも。早速連絡を取って色々と質問をした末に導入することにしてみました。ブロックチェーン証明書というとどうしても「なんだかややこしそうだな…」と思われるかもしれません(僕もそうでした)。が、一言でいうとこんな感じ。

「所有者(購入者)はStartbahn Cert.というサイトを通じて作品の所有者登録をする」

現在は僕が所有者として登録されています。作者ですもんね。で、購入していただいた方にはStartbahn Cert.のサイトに登録してもらい、僕はその登録に使用したEmailアドレスを教えてもらって(教えたくない方はCert.側で暗号化もできるとのこと)作品の所有者を移転させます。以上です。

Cert.はどんな取引方法でも関係ないみたいです。現金だろうとクレジットカードだろうと。要は、取引や利用の来歴を記録していくものなので。僕は「仮想通貨でないと支払えない」ということになるのは避けたいと思っていました。購入者への負担が大きすぎます。

"購入者への負担"といえば、このCert.にはアーティストのことを考えられた新しい試みが導入されています。それは「その作品が売買された時にアーティストが定めた還元率で還元金を受け取ることができる」というもの。

友人・知人のアーティストの作品がオークションで高額で売買されているのをみて常々「アーティストに還元されないのはどうなんだろう?」と疑問に思っていました。個展で50万で販売したキャンバス作品が500万で落札されたとしてもアーティストには1円も入ってこない。もちろん「高く売れるアーティストだぞー」というイメージにはつながるので得るものはありますが、アーティストでなくてそれを購入して売った人に大金が入るのは、やはり手放しで良しとできない流れです。

僕は今回その還元率を5%と設定しています。例えばですが、30万円で購入した作品を100万円で売った人がいたら、100万円の5%、5万円を僕の口座に振り込んでもらうことになります。これはいい!還元率は作家の任意なのでもっと上げたり、もっと下げたりできます。このシステムは普及していって二次売買、三次売買の際にもアーティストに還元されるのが当たり前になってほしいですね。

ということで、しばらくCert.のブロックチェーン証明書を使っていこうと思います。Startbahn Cert.への登録や二次売買の際のアーティストへの支払いなどコレクターさんにはご負担をかける部分もありますが、ICタグで簡単に情報が閲覧できたり、ブロックチェーンによる強固な証明など、メリットも沢山もあります。ご理解いただけると幸いです。

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