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キラキラ青春ラブコメ「PRINCE OF LEGEND」と「貴族降臨」を履修した

「貴族降臨」を浴びた。知る以前の世界にはもう戻れない。


 ハイアンドローの衝撃から約1ヶ月。私の手元には「PRINCE OF LEGEND」と「貴族誕生」「貴族降臨」の円盤が堆く積まれている。6年近い付き合いのフォロワーがご厚意で貸してくれた品々である。そもそも配信で内容は全て視聴可能なわけだが、「特典ディスクが真髄なんで!!!」と熱量が凄まじく、たしかに…(それはやばい)とお言葉に甘えることにした。


 オタクとしての年季は入っている方だ。それでもこの致死量の刺激を正面から浴びるには研鑽が足りないと思った。しかしJSBとEXILEがメインの「HIGH&LOW」ではあんなにスタイリッシュアクション活劇だったのに、GENERATIONSがメインを張るだけでどうしてこんなに清々しいまでに諸々が大渋滞を起こすラブリーふわふわコンテンツになってしまうのだろう? GENERATIONSの「そういうとこだぞ」と「そういうとこ好き」が高濃度でブレンドされてもはや言葉もない。残る3人の登場すら待たれる。いやそれもうただのGENE高やんけ(名実ともに)


 はじめのほうは王道のラブコメを掠っている感がある。朱雀奏はまさに正統派の王子キャラで、王子を仕込まれ王子としての生き方しか知らないナチュラルボーン天然(気合の入った養殖はもはや天然!)王子様である。怒りの発散の仕方もよくわかってない。だからなんだかプンスコしてる動きも含めてコミカルでかわいい。中の人はキレたら靴を蹴り飛ばす悪(ry

 誠一郎と元というこれまたタイプの異なるイケメンを側近として周りに引き連れ笑顔を振り撒く圧倒的王子ぶり、演じてて大変だけど同時に楽しかったんだろうなあ。片寄くんのすごくいい笑顔が眩しい。全編通してキラッキラしてる。その奏と対立する陣営、京極兄弟と生徒会のアクの強さもまた半端ない。京極兄はなぜかヤンキー役に定評のある鈴木伸之(キヨマサ、サトサガ、京極兄弟。ヤマトもそうか)、弟はなんとこれで初演技の川村壱馬。うまい。空気感もそうだしやりとりの温度感もそうだが本当の兄弟みたいでほわほわしている。ほわほわした家族のほわほわしたやさしい世界。こんな見た目で中身はゆるキャラさながらの愛らしさである。生徒会のメン玲於コンビも良い。だからそれただのジェネ高だって! サラサラヘアーのメンさんは疑いようもなくガブリエルである。地味に脱ぐとすごい佐野さんも満喫できる。マイナス7度の過酷な環境下で己を鍛える会長。出演作間違えてますよ。しかしルードのときの未熟で血気盛んなナンバーツーの印象からガラッと変えてツッコミどころ満載のカリスマとは、佐野さんの役者としての振り幅は実は結構すごいんじゃない…? と思う。パフォーマー業が忙しいのは百も承知だけど映画たくさん出てほしいなあ。また推し俳優が藤井道人監督と被ってしまう。超わかるよ藤井監督。監督より速く佐野さんのインスタにいいね押せたことない。好きな役者なんだよねわかる。わたしもすき。


 で、プリレジェもそんな感じでとっても楽しんだんですけど、やっぱ「貴族降臨」は凄かったです色々な意味で。

 まず何? あのねっとりしゃべる白濱亜嵐さんは。ネクターを直に喉に流し込まれてるみたいな。本人はドリーの極意を「言葉が全部溶けてるチーズだと思うこと」とか言ってたからたぶんあんまり大筋間違ってないと思う。なんか貴族の像が色々おかしなことになってたんだけど何事なんです? 結構意味わかんなかった。でもあのドリー様のキャラ付けは割と好き。というか朱雀奏や綾小路葵と渡り合うならあれくらいのパンチがいる。並みのキャラの濃さでは負けてしまう。

 素のシンタロウさんからドリー様への変貌はFF8のスコール並みによくわかんなかったんで正直どっかで頭打ったとしか思えなかったんだけど、実はあのドリー(像)をしれっと演じられるシンタロウ(素)だと思うと結構倍増で滾るものがあるので、あの頭打ったんか? っていうダイレクションで進めてくれた製作陣には感謝だ。サンキュー。ここに助かる命があります。白濱亜嵐の奇才ぶりもよくわかった。白濱さんには正統派イケメンの枠組みをこれからも超越し続けていってほしい。


 やはり自分はジェネに手を引かれて入ったジェネのオタクなので、収録中に7周年前夜を迎える片寄白濱のお二人が「まさかこんな収録してるとは〜」みたいな話をしているのが不思議に感慨深くもあった。2人ともお互いに似てるところで「イケメンなところ」と答えるあたりがサービス精神の似通い方を感じて箱推しオタク的にもかなりぐっときた。求められる像への応え方というか、向き合い方というか、セルフプロデュースの手法というか、なんかそういう思考プロセスのところで相通じる部分があるのを見せられるとグループのファンは弱い。それは共同で仕事をしている人間に特有の高い解像度の共有だし、しれっと言っちゃうとこが逆に繕ってなくてよかった。これは凄いですね。健康によかったです。なんだか自分たちのファンのことを「DREAMERS」と呼ぶグループらしい、この先をいくらでも見据えられるアーティスト集団だなとほっこりするなどしました。一応別沼の人生で2番目に長い沼が似たような感じで、「10年後20年後を約束できるバンド」とそれこそ20年近く前から本人たちが言ってるのをずっと聞いてきたんですけど、あ〜なんか似た空気感を感じるなあと謎に嬉しくなるなどしました。若い時から苦楽を共にした友人でもあり仕事仲間でもある人と長くリスペクトフルでいられるって凄いことだと思うし、それをこのメイキングの一瞬から感じ取れたような気がしますね。続けるだけが正解ではないけど、続いていることはひとつの大正解であり幸福なんだよなあと思います。彼らが10周年を迎える前にファンになれてラッキーでした。あれこれ何の話でしたっけ?


 本編の話に戻すんですが、映像作品としてやっぱり脇が豪華ってのは忘れちゃいけない要素だと思いまして。鈴木伸之さんがひとりでハイローやってた(かなりのアクション要素があった)のも個人的には最高に痺れるんですが、やっぱ塩野瑛久さんが良かったですね。これ貸してくれた方が塩野さんの人っていうのもあると思うんですけど、塩野さんの誠一郎解釈は非常に真摯で繊細で、行き届いた最高の演技をされてたと思います。結構こういう明るいトーンの作品で盛り込むには難しいというか、安易にギャグに走りがちな風味を見事に解釈してたのは演出もさることながら、塩野さんの高い理解度あってのことではないかと。サービスカットも意識しながらですが、細かい立ち位置とか振る舞いとか、表情づけとか言動とか、「誠一郎ならどうするか」を繰り返し語っていたのが印象的でした。シンプルにうまい。それも計算され尽くしたというよりは揺れ動く様を描出するような丁寧さで、他の作品でもどんどん見たいなと思いました。すぐ役者の話をしてしまうのは単に私がそういう生き物だからですが、これノーガードで見に行ってたらずっと奏と誠一郎のこと考えてそうで怖いなと思います。うまく処理できないクソデカ感情が好きなんで…そこに追い打ちかけてくる「honesty」と「possible」にはちょっとひと言言いたいです。片寄涼太さんはいい仕事をしすぎ。あんなのもはや奏によるクソデカ感情じゃん。公式イメソンみたいなもんじゃん。もう片寄さんはビリージョエルのカヴァーアルバム出しませんか? 言い値で買います。


 なんせ特典映像が膨大なんで細かく見るには結構頑張らないとなんですが、拾い見ただけでもまあまあな殺傷能力なんで時間と気力を小出しにしながら頑張って見ていこうと思います。白濱亜嵐といえばこの筋肉、役オファーが来なくなったレベルの美マッチョが本番直前までストイックに鍛え倒してたのを見て自分も筋トレがんばろ……と思いました。本当にトレーニングが嫌いで続かないんですが、またベンチプレス60kg上げられるように頑張ります(人生ベスト値が多分そのくらい)。


 あとこれは完全に余談ですが廣瀬智紀と荒牧慶彦のとーらぶ映画勢が輝きを放っていてちょっと嬉しかったです。信長様もいたし。あの並び、ドリー様は実質審神者なのではないか。実際中の人はみかちのコスプレしてたしな……ややラテンな三日月もわるくない……といろんなことを考えました。(マジで雑念)

 それから青天以降私の心を掴んで離さない群馬のスーパースター町田啓太ですが、今作の結城先生のはっちゃけぶりはあーーーせやったこの人バラエティ行ける人やったわの確信を強くさせました。メンさんとまとめて後輩組にいじられ倒してたのすげえ癒しでしたね。ノボルの面影や何処に。可愛かったので良しとします。わかってるよ、ってハグしてあげるあの空気感な。チーム先生に100点あげたい。ひとりだけど。


 作品としては概ね上級者向けな気がしますが、楽しみ始めるとこんなに楽しいコンテンツもなかなかないぜということで、この記事を読んだ人が私みたいにちょっとした些細なきっかけからブッ刺さって楽しい感じになれば良いと思います。お楽しみください。


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