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産後から続くクライシス

私が、産後1年8ヶ月くらい、一日も夜通し寝たことがなかったことを、夫は知らないだろう。

夫の帰宅直前まで、猛烈に泣き止まない4歳児と対峙していて、身も心も折れる寸前だということを、夫は知らないだろう。

知らないからって、恨むところではないことは承知している。

母親の授乳事情を、詳しく伝えている訳ではないし、お正月でも体調不良でもお構いなし、一日たりとも我が子は卒乳するまで夜通し寝ませんでした、ということを伝えてないのは私。
それに、子供が泣き止まないカオスをリアルタイムで報告しているわけでもない。あなたが帰ってきたのは、子供のギャン泣きという嵐が過ぎ去り、静けさが戻ったタイミングよ、なんてその都度伝えていたら、それは嫌味だ。

だけど、こういう精神が弱ってしまう事柄って、その地味さ故、また夫婦の役割分担的に、なかなか理解されにくかったりするから、じわりじわりと少しずつ、心に溜まっていって

「なんで分かってくれないの」

「こんなに頑張っているのに」

って、思いがち。


あるいは、夫側からしたら、自分なりに頑張っている、貢献しているはずなのに、妻に不満そうな顔で生活されれば、「妻は理解がない」になってしまうだろう。


そして、お互いが相手に対して「理解してもらえない」と感じたまま長い時間が過ぎてしまうと、いつしか心の距離はグンと離れ、気付けばお互いの心を通わせ直すには、難しすぎるところまで来てしまう。


だから、夫婦の間に信頼関係がないと、人生がとても辛いものになるんじゃないかと思う。

「相手は自分の大変さを理解しようとしてくれている」

って思えていれば、手遅れになるほど心の距離はひらかないだろう。相手への信頼。はじめから、こんな境地になんて立てなくてもいいと思うけど、ぶつかり合って、気持ちを伝えあって、泣いて、笑って、少しずつ考え方を変えられればいい。

ただ、現実ってそう上手くいかない。

ぶつかりあってからの歩み寄りの難しさよ。



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