見出し画像

改訂版 貴方は本当にレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか? その5

       風変わりな解析

 さて、これからが、私の風変わりな解析の始まりです。誰も私の説明に関心を示さないのであれば、私の代わりにレオナルド・ダ・ヴィンチにそれを説明してもらえば良いと考えたのです。まさか、500年前に亡くなったレオナルド・ダ・ヴィンチを呼び出して説明してもらうことはできないでしょう。もしそんなことをしたらオカルトの世界に突入です。話はそこで終わってしまいます。私もその様なオカルト的世界観が嫌いなわけではないです。しかし、それは最後のお遊びにした方が良いと思います。
 私はレオナルド・ダ・ヴィンチが「謎の扉を開ける鍵」を残しているはずだと閃いたのです。私は、その「鍵」を見つけ出し「ペトロの右手問題」を解決すれば良いと思ったのです。
 私はその「鍵」を探しました。「ペトロの逆さに持ったナイフ」と同じような右腕を探したのです。当然レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の中からそれを見つけ出そうとしました。私は難しい事を考えたわけではないのです。
 レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の枚数は他の画家に比べ、それほど多くはありません。しかし、あの「ペトロの右腕」と同じような場面を私は見つけることはできませんでした。レオナルド・ダ・ヴィンチは人体の解剖をしています。解剖のスケッチも多く残っています。それも私は調べました。しかし、あれほど限界に近い「手首の返し」で描かれたものを発見することはできませんでした。
 時間が経過しました。私はイスカリオテのユダの後ろにもう一人の人物が居るという発見を自慢する気持ちは少しもありません。この段階では単なるアイデアと言っても良いでしょう。自分の心の中で満足していればそれで良いと思っていました。しかし、私に絵画の知識のないことが返って私自身を助けてくれました。ある時、ある絵画を見つけました。それは「アンギアーリの戦い」です。それはモノクロのデッサンです。

この「アンギアーリの戦い」はルーベンスが模写したと言われているものです。ルーベンスが今では失われてしまったレオナルド・ダ・ヴィンチの壁画を模写したものだと言われています。さらに詳しく言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画を模写した版画を見てルーベンスが模写したとされるデッサンでした。多分貴方は言うでしょう。「君はそんなことすらも知らないのか?」と・・・私を笑ってください。しかし、知識が真実への道の障害になる時があります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?