私を生む

子どもを生んで産休を取った。仕事から切り離され、意思疎通出来ない子どもと部屋に閉じ込められた。
連日の夏日で、空はクレヨンで塗ったように青かった。窓越しにそれを見て、砂を噛むような想いだった。私は社会から切り離され、絶望していた。
今、仕事を辞め自分から社会との繋がりを切った。同じくパステルカラーの青空を見ている。無音の中で、たったひとりで。
でも、虚しくはない。
私は生まれ直している。社会人として生きてきた時代を終えて、新しく生まれようとしている。私に必要な言葉をとりこんで、私はゆっくり形を変えていくだろう。
社会があるから私があるのではない。
私は常に私であって、何を切り離しても自分自身からは決して離れることはない。
私を腹に入れて、私を生むのだ。

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