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DXはミドルが失敗をもたらす


chat GPTが話題なって久しい。日本だと2023年に変わったくらいのタイミングからユーザーが増えているので、もう4月が経過している。一昔前のAIがどのように語られていたか懐かしくなって、昔読んだ「人工知能は人間を超えるのか」を再読した。

2015年3月の技術的な背景も懐かしいし、今読み返しても色褪せることのない本質が書かれていることに気づく。

さて、件のchat GPTに「DXの失敗原因を教えて」と質問すると下記の回答をいただいた。


  1. ビジョンや戦略の不明確さ: DXを進めるにあたって、明確なビジョンや戦略の欠如は大きな失敗要因となります。組織全体での共通のビジョンや戦略がない場合、DXの方向性や目的が定まらず、プロジェクトが迷走してしまうことがあります。

  2. 組織文化や風土の抵抗: 組織の文化や風土がDXの変革に対して抵抗する場合、成功するのは難しいです。組織の中には、従来の方法や既存の慣行を変えることに対しての抵抗感情がある場合があり、DXの推進が妨げられることがあります。

  3. スキルや人材の不足: DXには新しいデジタル技術の導入や活用が必要ですが、組織内にそのスキルや人材が不足している場合、DXの進行が難しいことがあります。適切なスキルを持った人材を確保し、育成することが重要です。

  4. プロジェクト管理の不備: DXは大規模な変革プロジェクトであり、適切なプロジェクト管理が必要です。プロジェクトの計画、進捗管理、リスク管理、コミュニケーションなどが不十分な場合、予算超過やスケジュール遅延、成果物の不備などが生じ、DXの失敗につながることがあります。

  5. ユーザー中心のアプローチの欠如: DXは組織やビジネスの変革を目指していますが、最終的にはユーザー(顧客や社内利用者)による受容が必要です。ユーザーのニーズや期待を無視したり、ユーザーの参画やフィードバックを十分に取り入れなかったりすると、DXの成果が出にくくなることがあります。


現場で心身を擦り減らしながら立場からは、chat GPTの回答は教科書的であるという印象を受けました。

人工知能は人間を超えるかの知能の社会的意義という章に以下のような記載がある。

複数の人間に共通して現れる概念は、本質をとらえている可能性が高い。

人工知能は人間を超えるか/P199

さて、DXは既存事業を変革するような形で始まることになるのだが、この業務に対応するのは、元々は既存事業で活躍していた社員ということになる。そして組織構造というのは、上層部は抽象的で対極的な経営判断を行い、下は具体的な実務実行を担うことになる。

中間層は具体と抽象をどちらも理解して意思決定を行う必要がある。ところが、古き良き日本企業には、新規事業における具体的な知識を持った人は少ない。そうすると、これまでの人事評価を基にミドルマネジメントに登用されるケースが大きくなる。すると何が起こるだろうか。複数のミドルマネジメントの共通が概念は旧態依然の会社の価値観を頑健に守ることに傾倒することになる。

やや刺激的なタイトルになってしまいましたが、組織もディープラーニングも中間層が大切ということでした。組織の共通概念を変えていくことは、とてもエネルギーが必要ですし、日本社会復活のためにはかけがえのないチャレンジだと思います。


今日はこのへんで

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