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【まとめ】妄想と解釈の垂れ流し【🌾💭】

 舞踊を見ての妄想と解釈を垂れ流しておきます🙌一本noteを書くほどでもないものたち。どう受け取って妄想して刺さったのか、わたしの記憶保持のためと物好きが読むため。都度、追記していく予定だよん。

2021/07/17 夜 ラスト 五人花魁

 五人それぞれの背景や接客スタイルを考えてみました。

 翔也花魁。ごく一般的な百姓の家庭から身売りに出された過去を持つ。花魁の仕事に誇りを持っている。新しく来たかむろを「田舎臭くてかなわんなぁ、はぁ〜、泥臭い泥臭い」など罵る。花魁道中では凛としているが、常連客には可愛らしい天使の顔をする。道中、冷たい視線で差し出す手には無数のたばこがタバコが飛んでくる。助六も驚く男前な立ち姿。気が強い性格で、異例のスピードで花魁になるが、他の遊女とのトラブル絶えなかった。特に張見世では取っ組み合いの喧嘩する。鼻の下に人差し指を置いて、「…ふっ、今の見たかい?貧乏ったらしいったらありゃしないねえ…。絵描きに身請けされようなんて、そんな絵に描いたような話ありっこないわぃなぁ…っ。」と絶妙に聞こえるくらいの声で人のマブを馬鹿にして目を細める。声の聞こえない通りかかった男たちはその艶のある微笑みに虜になる。
 蛇々丸花魁。甘え上手な太客の多い花魁。でっかい貢物が絶えない。張見世では、後ろの方に座りながらも目配せで語りかけてくる。布団に入る前にお酒に付き合うが、蛇々丸花魁のザル具合と注ぐ仕草の色気につい飲みすぎてしまう。「ちょいと兄さん…、今日も飲み過ぎだよ…っ」とか言う。おめしものにあしらわれた牡丹の花言葉は「風格」「富貴」「恥じらい」「人見知り」。座っているだけで風格のある花魁だけど、2人になると恥じらいの魅せ方が上手いので自分だけ特別なんだと思わせる力を持っている。生まれつき体に牡丹の花に似た形のアザがある。
 翔也花魁と蛇々丸花魁はライバルで風呂の帰りにたまに会っては「お前さんのそういうのんびりしたところがよくないのさ、ぼさっとしてたらわっちが客取っちまうからね?」「お前さんこそ、その男みたいな性格、なんとかしなよ?竹だって若いうちは綺麗に割れるかもしれないけど歳を取ったらどうなるか分からないじゃないか」とか言い合って仲良し。
 獅子丸花魁。伝説の花魁の娘。もちろん、遊郭生まれで遊郭育ち。あまりギラギラとした野心はないが可愛らしい顔立ちと二世の物珍しさに客足は途絶えず、花魁の座へ。かむろにとても優しい。普段は穏やかであるが、母譲りの度胸がありいくつかの修羅場を切り抜ける。「なに身請け?そんなのお断りさ、わっちはここで生まれんした。ここで死んでいくって決まってんのさ。」とか言ってがつがつ遊郭を経営していく立場になる。引退の時の言葉は、「朝陽屋の獅子丸花魁は今日で死にんした。」
 礼斗花魁。伝説の花魁で獅子丸花魁の母。ごく普通の町人の娘だったが、ある日突然売られる。絶望の中、必死に働き男を虜にする手練手管を持ち合わせるまでになる。1人、初期から応援してくれてるとんでもない太客から小判がぎっちり詰まった桐の箪笥をもらう。直後、親のように慕っていたその太客が死んだことを知り悲しみにくれるが、お腹の中に獅子丸がいた。また、接客だけでなく教育にも長けていたので経営と教育に回るけど割とすぐ病気で死ぬので獅子丸が道中張るところは見届けられない。
 礼斗花魁は最期、「こんな姿になったんじゃ、わっちも落ち目だねえ…」と、獅子丸に1番大事なかんざし譲るんだけど、獅子丸花魁は引退の時に母の死と自分の花魁としての命の終わりを重ねて「朝陽屋の獅子丸花魁は今日で死にんした。」って言ってそのかんざしをすっと外すんだ。やっぱり伝説の花魁の娘なので「姉さんの引退寂しいよう」って泣いてる全員を見て泣きそうになるその涙をぴっと捨てて「泣いててまんま食えるわけじゃないんだ!さあそろそろあかり灯すよ、支度しな!」と強い。でも実はチビたちの涙拭いてやったりみんなを部屋にいかせたりしてからこっそり一筋だけ泣く。
 政次花魁。新しいもの、珍しいもの好きの花魁。見た目こそ派手だが、接客は至ってシンプル。客の一人一人を大切にすると言う基本に忠実なスタイルだけどめちゃくちゃ目が行き届いているのでなかなか真似できない。こちらのだいたいの感情が透けて見えていてメンタルケアがすごい。落ち込んだ日に会いにいくと、こちらが何も言わずとも「ここにいるときくらいは、そんなこと忘れちまってもいいんじゃないかい?」と甘やかしてくれる。

2021/10/23 夜 ほろ酔い

古ぼけたスナックで
一人洒落たカクテル飲み干してさ
またお前のこと思い出す
かき分けた前髪握りしめて

 懐古しながら自分の気持ちの吹っ切れなさに、今も昔も「ダメだな俺は」と笑う顔がセピアでグッときた。昭和の男だなあ、と思うことあるけど、まじでなんか、なに。平成に生まれて令和に生きてる昭和の男はセピアです。
 いつもそのタバコを吸う背中と横顔を見ていたから、窓にその姿が映るような、タバコの煙が鼻を掠めるような気がしたそんな夜。今度一緒になった人は吸わないタバコ。

2022/03/28 夜 ほろ酔い


 何百回と見たはずの、元恋人の何気ないタバコを吸う仕草。酒飲んで思い出してみたくたって、暗闇でぼんやりしか見えないように、曖昧にしか思い出せなくて。
 いっそ思い出せない方がいいのに、匂いと味が君のこと私の脳みそに紐付けしてその紐がいつまでも切れないんだ…。ね。街中で似た歩き方の人を見ては、実はこっそりと元恋人を思い出したりするような、でも、2度と戻りたくない恋だよね。

2022/05/17 昼 ほろ酔い

 ほろ酔いの男と別れの何十年後かにたまたま酒場で出くわしてしまい、「どう最近?」と上の空なご挨拶を頂戴して私はそっと指輪を外す。亭主と死に別れた日にだけは毎月外で飲酒する、そんなところなんて誰にも見られたくなかったのにな。タバコを吸う時の癖は私と一緒だった時のまま変わらないのですね。

2021/11/21 夜 恋色・愛色・夢ん中

 紅にひっかかった髪の毛といい、柔らかさと若さを含んだ女の曲線といい、とにかく刺さって心臓にきた…。
 人の表現を借りていうなら「量感が腰のあたりに漂う」です。もももっとした腰回りのそれが女すぎてとても好き。獅子丸さんの女形特有の柔らかさが人間味があって不完全で、美しい。他の月よりお痩せになっていた獅子丸さんからこんなに綺麗な曲線が出てくると思ってなくて息が詰まってしまった思い出です🙌

2022/03/11 昼 時代屋の恋


 「I love you」をどんなきっかけで知ったのかなと言う妄想で頭がいっぱいになってた。
 この時の結論は「あんた」がおしゃれで買ってきた英語の古びた雑誌をなんの興味もなく開いていたら「これなんて意味かわかる?」と後ろから「あんた」が覗き込んできて、教えてくれた、です。そのときの埃くさい紙の匂いと、かわいいゴシックっぽいフォントを想像して萌えた。1人でいる時にまた雑誌を開いていっこいっこのアルファベットを指で辿ってその時「あんた」が近づいてきてくれたことを思い出して、きゅっんっとするような恋が、時代屋にはあります。私の想像の時代屋は純喫茶みたいな空気のお店で、入口に大きめに取ってある花柄のガラス窓からキラキラの夕日が注ぐんだよ〜!(?)

2022/03/17 夜 大阪LOVER

 大阪loverの男は彼女がもやもやするような女関連のしでかしをついついする人で、でも会うと可愛いし楽しいしずっと一緒にいたいと思わせる人で、お泊まりの最終日くらいにやっぱりもう会いたくないかもって言うようなことをしでかしてきて怒って帰るんだけど、会ってる間は楽しかったし彼が悪気があってやったことではないと分かってついついまた会いたくなって会いに行きたくなる人です。会いたくて飛び乗った新幹線の中で、そういえば新大阪駅にスウェット履いてきちゃうようなやつだったと思い出してやや陰鬱になります。多分遠距離でも電話上手だし、裏切られても絶対会いにいっちまうやばい沼を持つ男。最終、別れの局面になった時にこれでもかと可愛さ出してきて別れられません。

2022/05/06 夜 2部 大阪LOVER

 大阪LOVERの「わたし」と「あなた」の空気感ってこれよな〜〜〜!わたしがソファに一緒に座ろうと思って買ったクッションを、あなたは気がついてくれなくて地べたに座っちゃうんだから、もう!みたいな。
 ぼんやりアド街見てるあなたはわたしの話なんてこれっぽっちも聞いていない。
「ねえ今からいう事そのまんま言ってみて?こっちこいや」
「え?なに?…あっ、見て、テレビ。さんかくこうえん!」
 どうしても「こっち来いや」って言われたくなって仕掛けた会話も無視されるけど、やっぱり可愛さ全開の「あなた」が好き。次の日にドヤ顔で奢ってくれた三角公園横のソフトクリーム、おいしかったね。わたしに付き合ってお出かけしてくれてありがとう。
 男女共に相手が生涯の連れ合いにはならないことを察しながらも仲良く楽しくやっていてかわいいという解釈ありです。

2022/05/17 昼 冬隣

 冬隣っていつも台所感じているんだけど、今回はとても居間だった。し、いつもアルバムに綴じてある写真感じているけど、今回はとても写真立てだった。冬隣の細かな生活感大好き。
 この時の冬隣では、今夜はめずらしく飲もうと思って棚の奥の方にしまってある焼酎取ろうとしたら、ふと触ってしまって「こんな写真立てもあったなあ」って気がつくような茶色っぽい写真立てがあった。いつも表に飾ってある新しい思い出の写真は日焼けして色褪せていくのに、あなたの写真はこんなところにあったからあの日の色のままですね。私の中ですっかりくすんだ思い出になったはずだったのに、こんな写真見てしまったら鮮やかに蘇ってしまうね。
 あなたに頼まれた時には雪平で沸かしたお湯も、今日はポッドでいいですか。わたしは今日、1人でお湯が沸くまで待てるような女ではありません。
 

2022/10/03 昼夜 天城越え

 彼女は本妻!で、明らかに強い態度で押し入ったところから始まりまして。結局浮気癖のある奴が直るはずもなく再三裏切られる人生って感じだった。女の花が散ったくらいで人生振り返って「どうせ信じたかった人の愛も虚偽なら私も自分勝手に好きな人を作ればよかった」と思うけど、もう若くない体が残っているのみ。着飾って遊ぶには老いているけど、死ぬには若すぎる私が、あの時の気持ちで天城山を歩いているよ、と言う話。年上の女のじっとりとした陰で隠で淫な空気と、雨上がりの空気の混ぜた感じ、私は好きだ。
天城越えの女の、年上具合。掠れているが艶があり、できれば別れてから退廃的になっていてほしい、と言う願いがある。
 はあっ。日が暮れてから裸足で天城山を越える世界線はどこだっ。

2022/11/12 昼 好色一代女

 マブの男にタバコ吸いながら「今日何人目?」って聞かれたから、「あんたの前に3人だったけど?」って答えたら、男は「3人ね…?」って言いながら女の煙草盆の持ち手に3本線の傷をつけてくる。男が優しく木屑を撫で払いながら「ここいらの罪人の腕に何が入ってるか知ってる?」って言ってくるような好色一代女だった。癖。昔の罪人は腕に土地土地で異なる墨入れられたそうで。
 仕事場で逢瀬ってたまらんね。仕事場に置いてるものに傷とかつけて帰っていく男。お前俺以外の男に抱かれるとか仕事してるだけで罪だわ、いい加減にしな、という男の嫉妬を思って萌えてた。しかも、罪人に関する知識をひけらかしてくるような半端に知的な男かわいい。仕事何してるのかな〜!
 女はこの後どんどん落ちて行って身につけるものをいくら売り払っても煙草盆だけは売るのは無理だろうな、これもっていろんなところで仕事してくんだろうな、と思って、微笑んだ。女は多分マブのことまじで大好き。待機中に思い出しちゃうくらい好きみたいな気持ちでタバコにヤバいもの混ぜて吸っててほしい。ってか混ぜて吸ってたよね?思い出してうっとりしちゃうような男女のそれとタバコの煙が匂ってたよね??
 煙草盆にもたれかかってうっとりする女の色気、誰に見せるわけでもないからこそダダ漏れていると思う。原作の針箱にもたれかかった一代女を彷彿とさせる〜〜!!

2022/11/12 昼 HOTEL VAMPIRE

 黒い紅の理由考えてたら癖爆発してたのしい。
 ある国で世界一美しい吸血鬼が暮らしていた。自分以外を美しいと思ったことのないヴァ様が初めて美しいと思ったのは貴族の娘だった。明らかに手を出すことは禁忌の存在だが、ヴァ様は衝動のまま吸血してしまう。ヴァ様は国から永久追放され、娘の亡骸は汚れていると言う理由で国外に捨てられた。周りに人気のない山奥の廃墟でヴァ様と剝製として永遠の命を得た娘が暮らし始める。月夜に照らされた娘を見ているだけでは抑えられなくなり吸血してしまう。腐敗した血液で崩れていくヴァ様は美しいはずの自分が壊れていく恐怖を感じた。その恐怖とは逆に制御不能な吸血したいと言う本能が喉から手を出している。頭痛がする葛藤の中で朽ちていく自分と娘を美しいと思い始める。
 ある朝、締め切っていたカーテンを引き裂く。暖かい日差しの中、娘の剥製と灰になった男が寄り添って倒れていた。

2023/03/08 夜 おもいで酒〜想い出のピアノ

 この鬘の時の女の生々しさ、まじ凄まじの好き!
 スナックの雇われ店長の女。少女のような笑顔に少しシワが入るのを最近気にしているらしい。私はスナックの近くに住んでいて月に数回、店に足を運んだ。
 彼女はいつも私に昔の自分を重ねて若いころの恋の話をする。酔っ払って「私も、〇〇さんみたいにかわいい大人になりたいな、失礼かもしれないけど」と言うと「私みたいになったって、しょうがないじゃない?」と照れながら困ったように笑う。照れ隠しで私に背を向けた彼女が酒棚から茶色の瓶を取り出す。「ねえちょっと、試してみない…?」鼻に抜ける強い香りが正直苦手だった。私の顔を覗き込んだ彼女が「おいしくないでしょう?私も初めて飲んだ時ね」と、またひとつ恋の話をしてくれた。そのあと、何を飲んだか彼女のステアを見ているだけの時間が溶け流れた。結局飲みすぎて「だめじゃない、ちゃんと帰りなさいよ」と、ほろ酔いの彼女に小突かれた。
 数日後の朝。夜勤の勤務を終えた私があくびをしながら帰路についていると、最後の客を送り出した彼女に出会った。「おはよ」と、疲れた顔で笑う彼女は、自然光で見ると店で見る輝きは薄れ等身大で抱きしめたくなった。彼女は客を乗せたタクシーが小さくなっていくのを確かめて「今日は長居されて困っちゃったの、あなたいてくれたらよかったのにって思った、なんで来てくれなかったの〜?」と一息に冗談を言った。「今日…仕事だったんです…またいろいろお話ししたいです…」と言うと「お疲れ様ね、私もあなたも!」と笑った。底抜けに明るくかわいい彼女が同じ街で店を構えていることがとても嬉しく元気になった。また、ウィスキーの味を確かめに行こう。

2023/04/13 昼夜 暗夜の心中立て〜花魁



 幕開いた瞬間強すぎて思考できなかったけど、曲に乗せて燻らす煙(概念)と、のたっとした外八文字を見ていたら、もしかして2人は「裏切りっこ無し」の合言葉で束縛し合っている関係なのでは?となり盛り上がった。
 かつて人気の花魁が2人いた。行方知れずになった花魁2人が逢瀬を重ねる遊郭の廃部屋があるらしい。誰も近づかない華やかな壁の部屋で2人の女が「わっちももう落ち目だねえ」「ああ、あともうちっとおぼこければ」「「そりゃ無理な話だわいな」」と冗談に煙をかけあった。色々文句は溢れど、花魁や遊郭が好きで骨を埋める覚悟の女が笑い声をあげる。そこにもうかつての甲高さや張りはない。

 勝手にカップリングして申し訳ないがね、お二人のバランス良すぎてね。売り方が対照的でライバルの2人が落ち目になってから廃部屋で仲良くしてんのよすぎない?!仲良くの内容はいいっこなしです(?)

2023/04/21 昼 天城越え

 天城越えの雨って、我が身を隠す雨であり、不義理の後ろめたさを肯定する雨であり、自分の体温を実感する雨であり、焼石のような気持ちに降る雨である、かもしれんと思ってわくわくした。湿気がある空気が香りをつかんで離さないところも、良い。

2023/04/21 昼 ワダツミの木

 照明が板に落とす水面感、陽だまりのような風に包まれる感覚、砂の温かいとも冷たいとも違う無重力感、水の中の浮遊感とか、以前からかわいい要素多くて透き通る淡い世界観のある舞踊だなとは思っていたのですが…、そこに生命を感じちゃったもんだから刺さりました。絵本を開いて綺麗だなって思ってた世界に気がついたら立っていた。「ここにいるよ」っていう彼と同じ地続きにいるのを実感した。かわいすぎの世界でかわいすぎの青年いた。生命があるのがうれしくて泣いた。「ここにいるよ」に命の重みがしっとり乗っかってきた。

2023/07/24 夜 女人荒野

【写真NG回】
 完全に八重だった……。(noteで言うと10年間説!)女人荒野に「海」「夏」「虫の息」を付加するのずるいっすわ。虫の息と虫の声の言葉遊びで初夏感じさせてきて乙だった。し、前からはあんまり見えないのに後ろ向いたら襦袢が赤く覗いて、「無自覚の死」という感じがしたのも良かった〜〜。黒の内側の弱々しい赤っ。
 最後の方の照明の強弱、昼夜が繰り返される時の流れを感じると言うよりは、意識がいまひとつはっきりしなくて漁火がぼんやり見えちゃうような感じがした。「生きて立っててやるわ」より「死んでもなお立ってるかもしれん」だった。毎日、毎時、天気によって変わる海峡の表情を感じながら歩く女がいた。夏の夜だしさ、ほら、実は生きてるとも限らないなあっていう匂わせをしていた。めっちゃ季節ものの女人荒野だ〜〜〜!

2023/08/08 夜 BONBON GiRL

 ギラっと強く輝いている女帝を見て超泣けた。自信で化粧したような笑顔が印象的に残った。「世界をも振り回す」様子の方が好き…かっこよすぎて泣いた。
 で、これきっかけにPV見に行った。コメントが圧倒的「見ていると自信が湧いて元気が出ます」でビビった。私は別に見たからって自信湧かない、見ている女帝になれると思わない、圧倒的権威にひれ伏してる、つもりでいました、PVを見るまではね!
 PVで浮遊感のあるオチの夢をみる普通の女の子を見て、私は潜在的な不安感から「女帝になれたらいいのに」と思っているかもしれないと気がついた。それは「自信が湧いて元気が出る」とは違って「自信の威を借る不安」であり、私が感じる「なりたい」は「借りたい」なんだよな。だからあくまでiは小文字だよなという結論になった。
いくら「なりたい」と思ってもそれは「借りる」以上のことはできない限界を感じて心に穴が開きました。根本、「なれる」なんていうポジティブさは無いからせめて自信がない自分を武装するために「借りたい」と思う!
 でも正直、弱さを強さで塗り固めているからこその輝きってあるよな〜。わたし自身は「ボンボン」とは全く逆の感じ方しながら生きてると言うか、だからこそ、芯の強い「ボンボン」おると嬉しいなって話。ここでいう「ボンボン」とは公式解釈の「一見甘くて可愛らしい外見とは裏腹に、中身は芯の通った凛とした賢さと強さを秘めた女性を表現している」の意です。

2023/09/03 夜 浪花しぐれ「桂春団治」

 初代の仕事モードの時は平坦でオフの時は感情むき出しに喋るイメージのまんまのだんちゃんいて喜んだ〜〜!声の質と出し方も良い…喋り始めてから1番好きなだんちゃんおった……。
 わたしのイメージの中の初代、仕事の時は世間へのヘイトもこもったような威嚇的態度で淡々と面白いことを言う爆笑王で、オフの時はふにゃふにゃと「わしできんから、してや〜」と羽織を脱いでたと言う感じなのですが、まじでそれだった。仕事の時の気を張ってるのとオフの時の気の抜けたののギャップかわいすぎる。だんちゃん本当しょうもないけど、愛すべきダメ男でどうにも沼。

2023/09/16 昼 天城越え


2023/08/08 昼 天城越え
女に「殺していいですか」と言わしめるだけある男、赤を身につけていてこんなに冷酷な人いるんだ。一緒にいるとひとりぼっちの寂しさ感じさせてくる男で、かっこよかった。
彼の髪と共に私の心も乱れた。

 もう、この男の着ていた襦袢としか捉えられなかった…。「殺していいですか」と言って男にどんな制裁を加えたのかな。怒りが嫉妬に熱をもたせて抑えられなくなるような情動感じた。男女の温度差たまらんてえ。あったかい(ように感じられてしまう)襦袢から人間のいい匂いして気ぃ狂うてえ。

 などと考えていたら女が鬼になったのでおしまいになってしまったよね。人である以上耐えかねる熱情が女を鬼にさせて、感情が力が抜けるように冷めるとまた人に戻っていく流れがあった。人の顔を見ていると、普通の女だったのに色男によって化かされてしまったんだなあ、とはっきり分かった。

2023/11/02 夜 曼珠沙華


 ずっと曼珠沙華の持つ「廃」と「狂」がじっとり刺さってくるの好きだったんですが、不穏なものを差した支度、これの具現化だと思った。ずるじゃん!結末、男が死にきらないところもよかった。じとっとしたまま、幕になった、苦い感情の中で生きていくのかしら。
 初めてこのお支度で見た時からずっと「死んでしまった恋人から宛てられた手紙の筆跡をなぞり続ける未練な男」だと思っているんですが…花言葉や曲名の意味を調べていくと…

・曼珠沙華サンスクリット語で「天上の花」おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくるという仏教の経典から来ている。
・花言葉:「情熱」「悲しい思い出」「独立」「再会」「あきらめ」「またあう日を楽しみに」「想うはあなたひと

 恋人は自死ではなく他殺…つまり心中が成立しなかった結果の死なのでは、!!となった。めでたく2人の人生をぷっつり終わらせるつもりが終わらせきれずに悲しい思い出になった。「2人で命の限り一緒にいようとしたのに置いて行かれてしまった男が、女のことを忘れられなくてその時使った短刀を血も拭き取らず常に身につけ女からの手紙に溺れ続けている話」めっちゃすこ。しかもなんか、「最後の一行」で筆をすべせるような目線をしていて、女を愛でるように筆跡をひたすら撫でているのでは?!と想像した。血文字とか書いてたらどうしよう!こっちがいよいよ狂う。

2023/11/03 夜 時代屋の恋

 お二人の時代屋の空気どちゃ良すぎたな…。定期的に摂取したいロマンスがあった。
 大人の男女の危うげだけど純粋で不器用な恋の匂いと埃の匂いが一緒に鼻を掠める。ワープロやレコードプレイヤーなど物がたくさんある純和風の時代屋だった。映画の時代屋のまんま、2階を寝室にしそうな男だったし、涙瓶をいっぱいにするほど待てなさそうな女だ。不器用で内気な男と底抜けに明るい女の組み合わせ、かわい〜!大人の男女が集まって垢抜けない恋をしたっていいじゃない。私が求める邦画っぽさで切り取られた世界観最高だったな〜!

2023/11/12 昼 ラスト 籠釣瓶

 セリフ履修してから見たら余計に最高〜!
 佐野次郎左衛門、本当に可愛い男〜!江戸吉原の桜を純粋に喜んで可愛いし、宿で騙されそうになって危うい。そんで遊び始めたら八ツ橋に通い詰めて身請けまで話が進む綺麗な遊び方する粋な男…ッ。がちがちメロメロのくせに他の男が八ツ橋のこと褒めた時に「売り物買い物なんだから自分がいない時に買えばいい」とか八ツ橋に意地悪言ってみせたりして(八ツ橋もそれに対してキセル押し当てて仕返していちゃついてた)つんとしてるところもあって余計にすこ。絹商人として稼いでいるだけあってプライド高そうな感じもするよね。
 この回、妖刀を開けた時の1回目と2回目の落差が「ギリギリまで冷静だった男」を演出していて刺さったな。引き込まれる速度とその後の展開の疾走感。誰もそうなると予想していなかったのに一人の男が急に地獄を始めてゾッとした。
 立ち回りに関してですが、主体が妖刀〜本人になるグラデがうますぎて毎回ため息出る。妖刀主体の時の頭の上に勢いよく振り上げるところの足の不安定さが本当に好き。あと私が好きな立ち回りにおける体液感ですが、浮世絵で見たような血の足跡が見えてキュンとしました。冷静な綺麗な男の着物が乱れて血みどろの足跡残してる様子が見えちゃった。そして最後の八ツ橋から刃を抜く時の肉感とんでもなかった。すごい量の血液出ていたし、女の肉の柔らかさがあった。

2023/11/25 夜 飢餓海峡


 お芝居からの流れでちょい深めの紅と黒眉だった。
 これは私の性的な感情ですが(?)八重さんは年齢不詳で普遍的に可愛いのと、女として生きて歳を重ねたことで柔らかくハリを失った様子が両立していてほしいと思っている。熟れた果実がとびきり甘い汁を滲ませるような魅力。私はずっと乳白色の陶器みたいな肌を抱きしめたく思っているんだけど、深めの紅が年齢を感じさせて眉が黒いのが肌の白さを強調してご他界申し上げた。
 あとこのお化粧いつもよりキリリとした印象で、八重さんの芯の強さも同時に表現されていたなあ。良くも悪くも信じたら真っ直ぐになってしまう、わんころみたいなところがかわいかった。
 (と、言う話を全て凝縮して「八重さんが柔らかそうで最高でした!」と送り出しで述べたの気持ち悪かったな、ごめんなさい。)

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