不登校の海㉗ 集合写真
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
「はじめに」はこちら★
涙の運動会
運動会に参加することは諦めた長男。
でも、「運動会、観るだけでも行く?」と私が聞くと、迷いなく「うん、そうする!!」と答えました。
そして運動会の当日。
学年ごとに時間を区切って行われたので、父兄の数が少ないのも幸いでした。
私と主人と長男の3人が到着したのはちょうどリレーが始まった頃で、トラックの周りを父兄が囲んで観覧していました。
私たちは目立たないように、他の父兄の隙間からそっと覗いていたのですが、長男と仲の良いI君がすぐに気づいて長男に向かって手を振ってくれました。
長男は恥ずかしそうに、でも少し嬉しそうに手を振り返しました。
同じクラスの周りの子たちも気づいたようでした。
長男もリレーのグループに名前を入れてもらっていたのですが、長男の代わりにサッカーをやってるN君が2回走ってくれました。
「1組頑張れー!!」
長男と一緒に、長男のクラスを応援しました。
リレーが終わると、ソーラン節の合間に担任のY先生がやってきました。
先生:頑張ってよく来たね。みんな、H君来てるの気付いてるから。
離れてるけど心はひとつやで!!!
ちょっとクサいセリフを言った後、Y先生はさらっとこう続けました。
先生;最後にみんなで写真撮影するんやけど、H君も入る?」
長男:うん。
わたし:…!!(え?マジで?そんなんできるん!?)
先生:わかった!!じゃあ、また後でな!!
クラスのみんなと顔を合わせるのが不安で練習にも参加できなかったのに、一緒に写真撮影なんてできるんだろうか…?
そんな私の心配をよそに、爽やかな笑顔を振りまいて先生はグラウンドに戻っていきました。
そして、いよいよソーラン節が始まります。
そのとき、去年の担任の先生で5年生の補佐についていたK先生が長男の法被を持ってきてくれました。
長男はその法被を羽織ってみんなのソーラン節を見ました。
ずっと長男と一緒に練習したソーラン節。私ももう、振り付けを覚えてしまったソーラン節。
長男が躍っているところは見られなかったけど、「志」と書いた長男の背中越しに見るソーラン節は、胸にジンと来るものがありました。
そしてソーラン節が終わり、先生が長男を迎えに来てくれたのでみんなの元へ…
本当に、行けました!!
「クラスの子に会うのが怖い」そう言ってまだ教室にも入れない長男が、写真撮影だけとはいえみんなと一緒にいる…。
友達とちょっとふざけあったり、後ろの子と話したりしています。
ピースして写真に収まっているのを見ると、5月から学校に行けていないことがウソのように思えてきました。
思わず「これがきっかけで、明日から教室に入れたりしないかな?」なんて期待してしまいます。
(実際のところは、そんなにすんなりとはいかなかったのですが…。)
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