豊かに生きる
「みんなが豊かに生きていけるように努力したい」
今年90才になった父が、ー明日のパンがないよ、と言うのと同じような感じで言った言葉が、わたしの心にずっと残っています。
豊かに生きていく。
「豊かさ」とは、もちろん自由に使えるお金や安心な住まいも含まれるのだけど、やっぱり人間関係もものすごく大事で、家族をはじめ、古くからの友達、これから出会う友達の存在、そして趣味、好きなこと、体の健康、心の健康、自分の感情を操ることができる技、などなど、豊かさの定義は果てしないのかもしれません。
誰かに優しくされた時に、素直にありがとうと言える心とか、素直に誰かの忠告に耳を傾けられる余裕、心から感謝の気持ちを感じられる謙虚さ、過去の傷を無かったことにするのではなく、しっかり癒しながらも共に生きていこうという意思、とか…そういう姿勢も豊かさの一部ですよね。
人は見た目だけではわからなくて。
一見、普通の健康そうな人に見えても、抗がん剤治療の帰り道だったり、大きな心配ごとを抱えていたり。
そういう人への思いやりも、豊かさへ繋がる大事なことの一つ。
「みんなが豊かに生きていけるように努力したい」
と言った父は、今日も若い人たちと交流し、新しい考えや技術に興味を持ち、家族みんなが美味しいと思うもの、やりたいと思うことを与えてくれようとしています。
そして、父は父で、自分が欲しいものを手に入れているように見えるのがすごいところ。
与えれば、自分にも返ってくるーというのを実践しているのかも。
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