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初めての体験~朝の駅前に立つ

埼玉県議会に提案された「虐待禁止条例改正案」、たいそう憤慨しました。
ちょうど「檻の中のライオン 憲法講座」で人権とは何ぞやを学んだばかりのことだったので、人権問題にもなるのでは?と思いました。

小学校三年生以下の子をいかなるときもずっと18歳以上の大人が張り付いて見なくてはいけない。

いくら子どもだって、それじゃ息がつまるのではないか。
子ども同士の公園遊びが虐待になるなんて、かえって大人に張り付かれて口を出されるほうが子どもにとって嫌なことではないだろうか。
学校の休み時間に先生が教室にいないということも許されなくなるのか。
都内の私立小学校に通う子は、県境まで親が送り、当然帰りも迎えに行かなくてはならなくなる。
事業主は夏休みに従業員が小学三年生の子を留守番させて仕事に来ることを認められなくなる。
近所の習い事も必ず親が帯同しないといけないとなると、働いているお母さんやシングルマザーには完全に不可能になる。

夫は「守らなきゃいいんだから別にいいじゃん。みんな破るよ」と言いますが、それでも必要じゃないものに縛られて暮らすのは窮屈、何かしなくてはと思い、最近よく顔を合わせるせこぐちまりかさんという地域が元気になるために活動している人の声掛けに応じ、昨日地元の駅から県庁まで歩いてきました。

朝8時に浦和駅西口に行ったらもう数人集まっていました。わたしの顔をみたまりかさんはカラー印刷されたA3の紙を持たせてくれました。
「STOP 虐待禁止条例改正案」
どんなことやるのか全然わかっていなかったのですが、よく駅前でスローガンを掲げて立っているあれです。自分とは無縁だと思っていた行為、かなりどきどきしましたが、乗りかけた船、もう後戻りはできない。ほかの皆さんと横一列に並び「おはようございます」と言いながら紙を掲げました。

駅から職場に向かう人の群れ。皆さん基本下向き加減、もしくはスマホを見つめている。たまにこちらに目を向けてわたしたちが何をしているか見てくれる人がいます。隣にいた人はデジタル署名のQRコードを印刷したビラを持っていて、渡しに行きます。受け取り熱心に読んでくれる人もいれば、戸惑う様子を見せながら受け取る人もいます。
こちらに走り寄って「わたしも反対です、応援しています。何かできることありますか」と声をかけてくれる人もいて心が奮い立ちました。

人間ウォッチングが趣味の人がいますが、なるほど!と思うくらい色々な人がいました。ファッション、行動、個性的な人がたくさんいるものです。

新聞社の人もいて、それから自民党を通って県庁へ。
「子どもの虐待のない社会を」と大きな看板。その前に並んで写真を撮っていたら、NHKの人が来て許可をとり私たちの写真を撮っていました。
他のテレビ局の人もいて、代表者の方々は取材に応じ、ちょっとした人だかりに。予定があったのでわたしはそこで失礼しました。

今まで素通りしていた対象に自分がなる。
かなり新鮮な体験でした。駅前に立つのはとても緊張しました。親がテレビを見て知ったら起こるんじゃないか、妹に言ったら嫌がられるんじゃないか、友達に知られたら敬遠されるのではないかと思いましたが、自分が気にすることは「周りにどう思われるか」ばかりなのに気がつきばかばかしくなりました。

「何が大事か」
この改正案が可決されないように、安心な日々が今後も来るように意志のままに行動することを、他人の目を理由にストップをかけるのは違う。納得がいくならいいけど、わたしはそんな器用なたちではありません。

謙虚であることの一環として、人の反応をこまやかに読んで不快にさせないことを人生かけて磨いてきましたが、とうとう飽きが来たようです(;'∀')
自分の思いにふたをしてまで気にすることではないというスタンスに。

結局改正案は昨日のお昼ごろ、取り下げられました。
火曜日の夜に憲法について学び、日曜日にトンでも条例改正案が出て、いきり立って連休が明けた火曜日に駅の前で反対のスタンディングをしたらその日に願いが届く。
政治のお勉強キットのような1週間でした。

と思ったら、入れてもらったLINEグループでは「たった4日で取り下げられる虐待禁止条例改正案はなんだったのか」と声を上げよう、引き続きスタンディングをしようという動きがありました。
なるほど、「政治無関心者」を脱却したばかりの初心者は目先のことだけだったけど、もっと深いことがあるんだな。確かに改正案を出した自民党員は「説明不足」を理由の第一にあげ、改正案自体が良くないものという認識はないようでした。そういう疑問を市民の声としてかたちにする。

今朝は予定があり参加しませんでした。スタンディング以外にもなにができるか考えてみようと思います。


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