見出し画像

息子の無念を晴らせなかった母、結局息子に助けられる

息子の部活が少し前に代替わりし、2年生の時代になりました。
部長も2年生の中から決まりました。

その部長を決める経緯で、4人いる2年生に一人ずつ1日部長をさせ、適任者を1年生の投票も参考にして選び出し決定しました。

息子によると1日部長をしたのは息子を除いた三人。先生になぜ自分が入っていないのか尋ねると「部長になる可能性がないから」とのこと。
一日部長をした三人の中には母子家庭の子がいて、お母さんの負担が大きいから、その子は部長をしないと2年生の共通認識になっていたそうで、部長をすることがない子まで一日部長をするのに自分が外されたのは不公平だと息子はいい、わたしももっともと思ったので、今日保護者会のついでに顧問にどういうことか聞くことにしていました。

先生の話によると、母子家庭の子に部長ができない制約はなく、2年生全員に「部長をやりたい人」と聞いたらひとりの生徒が手を挙げ、後ふたりはどっちつかず、息子は「自信がない」と答えたそう。
それゆえ一日部長にはあえて入れなかったとのことでした。

息子が不公平と感じ悲しい気持ちを味わったことには気づけなかった、息子の言葉をうのみにし過ぎたことは反省します。必要があるなら説明します。とのこと。

先生からしたら、後ろ向きな息子のために一日部長から外してあげた、という感覚のようです。

わたしはそもそも息子が母子家庭の子のことを勘違いしていたのが誤算で、不公平と主張できなくなってしまい、それでも息子を不憫に思い色々食い下がってしまいましたが、先生は心のどこも痛くない様子でした。
一年生もいる前で息子だけ一日部長をしないことがからかいの原因になり得ないか心配だと言いましたが、「そういうことはしてはいけないときつく指導しているので大丈夫です」と胸を張る体育大出身の先生。

帰りながら、何ともやるせない気持ち。
果たして母子家庭の子の云々がないといっても、4人いる生徒のうち1人だけ外し「おれはやらないんですか」と聞かれても息子がやりたくないと思ったのだろうか、「君が部長になる可能性はないから」と答えたことは公平なのだろうか。そう聞かれたなら「あれ?」と思わない?

ここ数週間いろいろ考えて、わたしはどうやら傲慢な一面を持っているようだとわかってきたのだけど、先生との会話を不服に感じているのはわたしが傲慢だからだろうか。

いずれにしても、息子の気持ちを先生の心に届けることはできなかった。
無力な母。

帰ったら、息子は明るく楽しそうに何かをしていました。コーヒーを牛乳で割って渡すと砂糖も入ってないのに「甘い、最高の配分」と満足げにしました。
息子はその一件で暗く落ち込んでいるわけではありません。顧問の先生との会話を報告して、こうみたいだけどそうなの?と聞いたら「もう覚えてないよ」と笑いました。
だからこそ晴らしてやりたかったけど、今回も息子の明るさに助けられてしまった。

ごめんよ。

昇降口で若い女性の先生に話しかけられたことを息子に伝えました。
わたしが首から下げた名札の名前を見て、突然話し始めた先生。
「曽我君のお母さんですか、わたし英語を担当しているんです。いつもたくさん発言してくれて、英語のコミュニケーションが素晴らしくって助けられているんです。本当にありがとうございます」

「あの先生そんなこと言ったんだ」
とまんざらでもない様子。
夜帰宅した夫にも伝えたら、夫もとても嬉しそうな表情をしました。

結局息子の頑張りが我が家を明るくしました。

よかった、ありがとう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?