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現代人の受難~大人の役割

現代を生きる子どもである我が息子、それより36年前を生きたわたしの生活はかなり違います。

スマホを手にしたのは30歳を過ぎてから、携帯電話を所有したのは人より遅めで20代半ば、新卒で入社した会社では営業部に所属していたので、ポケベルを持たされ、鳴ると公衆電話へ走っていました。
Suicaなるものもいつからでしょう。社会人になってからです。定期を更新すると同じカードが書き替えられることに驚きました。

テクノロジーの違いは周知のとおりですが、昨日、ある違いを目の当たりにしました。おててについて。

月曜は小学校の放課後クラスで子どもたちの面倒を見るボランティアをしています。希望して申し込んだ子たちがA,Bの2グループに分かれて、自主学習1コマ、運動や工作など計画されたワークを1コマします。
昨日は牛乳パックを加工して千代紙を周りに貼りペン立てを作るという、工作をすることになっていました。専門の先生をお招きして指導してもらいます。わたしは入れ違いに入る両チームの子たちを補佐する役目でした。

先生が切っておいた牛乳パックを組み立ててセロテープで止め、周りに千代紙を糊付けする。千代紙の端の処理などして完成。そんなに複雑なものではなく、低学年でもお手本を見れば作れそうでした。

わたしは2年生のテーブルを担当、ある女子は数秒おきにわたしを呼びます。「じゃあここ折って、ここに貼ってね」と指導してほかの子の呼びかけに応じているとまた呼ばれ、行くと折ったところで止まっています。ここに貼ってねと伝えて別の子見てるとまた呼ばれ、見ると糊を指に付けたところでとまっている、そんな具合。できる子はどんどん進めているけど、すべてを確認してからじゃないと次にいけない子が多いことを知りました。それは各々の経験やペースにもよるからまあいいとして、糊を扱えない子が多いのに驚きました。小さなお皿に紙用ボンドがマヨネーズのようにむにゅむにゅっと用意されていたのですが、まず子どもたちは「これ指で塗るの?触るの?」としり込みします。ウェットティッシュもあるし、終わったら水道で手を洗えるから大丈夫だよ、と子どもたちを促すと、素直に始めたものの、ひと塗りごとに手を拭き際限なくウェットティッシュを使う子もいれば、広い面にボンドを塗るのに、指先にしか糊をつけない子もたくさん。二年生の指先では5ミリほどの幅でしかボンドを塗れません。指の腹に付けるよう指導しても応じる子はほとんどいませんでした。

月曜日は放課後スクールを早退して駅に向かい息子と合流して三鷹に向かい、天真体道の稽古を受けます。息子と小学校3年生の男の子で指導を受けますが、到着すると空手着に着替えます。二人とも帯がまだすんなり結べず、「縦結びになってるぞ、やり直し」「ねじれてるぞ、やり直し」、ついつい口や手を出しそうになるのを我慢して歯がゆく待ちます。10分ほどしてやっと結べて稽古開始です。
曾禰田先生によると、ひも靴が減っている影響で結べない子がとても多いそうです。昔はプリントにパンチ穴をあけてひもで綴じるなんてことよくしたけど、今はあまり見ません。ゴムのズボンもまだまだ主流。

わたしが子どものころは外で遊べば植物で遊んだり、何かと手を使いました。現代の子は外で遊ぶこともあまりない。便利なものばかりで手を使わない。

ロボットの開発で一番大変なのは、人間の手の動きを再現することだと聞いたことがあります。
現代の子はテクノロジーを使いこなし頭はいいかもしれないけれど、次の工程も細かく言われないとできなかったり、手をうまく使えなかったりで、これではまるで・・・!?

子どもがいけないわけではないし、昔だけがいいわけではない。
昔がいいと思うことは、昔を知っている親がしっかりしなくては。できることがあるはず。今日まで申し訳なかったけれど、今一度目を見開いて、人間の持つ素晴らしい能力をまんべんなく使えるように子どもたちに寄り添おうと思います!

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