SOSに気付くこと

なんかおかしいなとは思っていた。
職場の事なので諸々大人の事情でここに詳細は書けないが、とにかく哀しい職場だった。

スタッフの悪口は当たり前。
そして患者さんの悪口も当たり前。
管理者が率先するかの様にスタッフや患者さんの事を言うのだからそりゃそうなりますよねという感じ。
私がここにこれを書く時点で私も同じなんだけれども。

自分がやりたい事が出来ると思って入った職場だ。
選んだのは自分。
綺麗事に聞こえるかもしれないけれど後悔はしていない。
辞めるにあたり、色々あったけれど。

とにかく何かがおかしいと感じ始めた。
自分の体と心が何かおかしいと。

そんなある日、寝ていたら変な感触がした。
急いで起きる間も無く、何が起きたかはわかった。
失禁していた。

状況は理解できているけれど、頭の中と感情が追いつかない。
なんで?この歳になってなんで?涙がぽろぽろと出てくる。
患者さんってこういう感覚になるんだな・・・そんな事も思った。

私は何年もその日自分に起きたことや感情を掻き出している。

どうしてそういう事が起きたのか?
なぜこういう感情になったのか?

を深掘りしていく為に。
正直、失禁に関しては冷静にはなれなかった。
しかしまた、数日後に同じことが起きた。

私はリハビリパンツを買い、夜はそれを履いて寝るようになった。
失禁しない日もあればする日もある。
失禁をしてしまう日には何があったかノートを見返すと、大きくストレスがかかっていた日だった。
もしくは翌日にストレスがかかるのがわかっている時だった。

恥ずかしいから誰にも相談できない。
自分のストレス耐性が低いのではないかとも考えたけれど、ストレス耐性なんて人それぞれだ。
何より今までストレスを感じてもこんな事は一度も無かった。

このままだと私は壊れると思った。
壊れたら看護師はできなくなるなと思った。

退職したい旨を何度も伝えたが「人が少ないのわかってるでしょ?」で一喝された。
いくらマンパワーが足りなくても「私」という存在は世界に1人しかいない。
その「私」をどう動かすかは「私」にしか出来ない事である。
自分を護ろうと決めた。自分が壊れるなんて嫌だ。
笑っていたい。笑っていたけど。

強行手段に出た。診断書を書いてもらった。
そうしたら診断書が出た日から退職と言われた。そんなバカな話は無い。診断書の就労不可能な日にち付けで退職なことくらい知ってるよ、私だって。

逃げるの?

と言われた。

逃げて悪いですか?

と答えた。
黄色信号なんだよね、私。赤信号になったら無理なんだよ全てが。
今いる道が黄色信号なら、赤信号になる前に次に青信号になる道に行けば良いだけじゃん。
心の中でそう思っていた。

自分が自分へ発しているSOSに気が付いて欲しい。
甘えだとか逃げだとか言われても、そんな事は気にせず「人生において何が大切なのか?」を考えてみて欲しい。
「自分」という存在は唯一無二であること、ご家庭を持たれている方ならご家族にとっても「あなた」の代わりはいないということ。
仕事は結局代わりはいくらでもいるから。

「自分を大切にしよう!丁寧に扱おう!」

という事ではなくて、SOSを見逃さないで欲しいということだ。

写真家の鈴木心さんの写真道場の時。スマホを持っているのが心さん

笑って看護師をしている時と写真を撮っている時が一番楽しい。


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