強盗にあった日本人

ラボのドイツ人留学生が「新しく日本人のルームメイトが入った」と言う。

「かわいそうだった。断れるわけなかった」と。

聞いてみると、日本人のその彼は、サンフランシスコについて早々、興味本位か何なのか、ダウンタウンの危険な地区へと踏み入れたらしい。そして案の定危険な目に合って、持ち物をすっかり取られてしまったのだそう。身ひとつになって絶望を背負って部屋探しに現れたそんな彼を、断って帰すことができなかったということらしい。

あっぱれなルームメイトたちである。しかし、強盗に合った日本人のことは、しばらくラボで話題になっていたっけ。ダメだと言われるところに踏み入れて入国早々強盗に会うという、大学で働く人たちにはいないタイプだったからかな。会ったこともないのにね。

かつて、ダウンタウンの交差点で、そこから南は危険ゾーンという所に「地球の歩き方」を広げた日本人男子2人組がいて、気になって見ていたら、危険ゾーンへと歩き出したので声をかけたことがある。彼らはゴールデンゲートパークへ行きたかったらしいが、それは西方向だよ。しかも歩いていける距離でもないから…。

今ならグーグルマップがなんでも教えてくれるだろうけど。
あぁ隔世の感。



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