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採血の失敗、右手が動かなくて泣いたあの日。私は絵を描きたいだけなのに。

私は3年前に胃潰瘍になった。

ロキソニンの飲み過ぎと過度のストレスから胃がやられたのだろう、ということだった。

ある日、病院で採血された。私の血管は採血しにくいらしい。血管が細すぎるのだ。

「ぎゃっ!!!」思わず、私は叫んだ。

採血中に右手が電気が走ったかのように酷く痺れた。看護婦さんはそのまま採血を続行して、私は泣きそうになった。

「……右手が痺れます……痛い……」

看護婦さんは「今は大丈夫?」と声をかけてくれたが、大丈夫ではなかった。

その後、右手は重くなり動かせなくなって、お箸を持つことも出来なくなった。

「私、このまま右手が動かなかったら絵を描けないよ……」

医師に言うと「採血が原因じゃないだろう、握力だって両方変わらないし」カルテに書き込まれていた私の握力は、さっき測った数値とは明らかに違った。この医師は、いつも私の腹肉をつまんだ。失礼にもほどがある。この人、本当に医者なのか?

なんでこんな病院に行ったのだろう、と酷く後悔した。

私はすぐに整形外科の病院へ駆け込んだ。握力は以前の半分以下におちていた。指も動かすのが難しく、先生は「採血中に針で神経を傷つけたのだろう」と診断した。

 

過去を悔やんでも始まらない、と頭では分かっていても、心は理解していなかった。ゴロン、と畳に転がり天井を見た。木の年輪模様が心の不安と一致した。「なんで、こうなったのよー!!」私は泣いた。

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