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技術という名の財産

お疲れ様です。
毎年暑さが増してきております。
これからが夏本番ですよね!

この時期は、暗室の涼しさに篭りたくなります。
まあ、温度調整が大変な時期なのでなんだかんだ大変かな?とかとか呟きながら。


ある広告で、
「技術を受け継ぐ人材がいない」 
と流れてきた。

大雑把にいうと、(大規模な言い方はしたくないですが)
今、若いといわれる方々は昔より色々な意味で選択肢が多いのですが、ありすぎるからこそ何をすればいいのかわからないようです。
色々なところで、繋がる話のように思います。

多分、大きな括りがあるだけで
色々な仕事は昔からあったんだと思うのだけれど。

私は、写真作家としてうたっているけど
作品を作るだけではなく、暗室でプリントする技術を教えている。ある意味技術職的な。
仕事とは、色々な組織であるわけで。

時代と共に左右されるその技術は、
今失われつつある。

昔はという言い方をあえてしながら
守ってきた秘技的なものは、
はっきり言って消滅を余儀なくされる。

そういえば。
ワークショップをする中で、ご質問を受けることがあります。
僭越ながら、お答えする中で
なるべく詳しく回答をする事を努めるのですが
糸口的に切れてしまう事もあります。
切れるというのは、先が見えなかったこと。
無くなってしまったこと。途絶えてしまったこと。

ワークショップでは、モノクロプリントの他に
自家現像にも取り組んでおり、ポピュラーなものを取り扱っております。

とあるご質問の内容は、Kodak SELECTseriesKodachrome64というもので、一部に出回っているオールドフィルムになります。
これを現像出来ないものか?と色々とお調べになっているご様子でした。

此方はカラーネガになり、k14(クロス現像)というものになります。
色素が入ってなく、正しいネガになるのかは現像し終わって色がつくもの。いわば発色現像になります。
現像工程が18項目になり、かなり大変だそうです。

日本では2000年受付中止、
アメリカなら現像出来るかもしれないという代物。
日本では規定に引っかかる。「免許」が必要です。

現像には、外式、内式と分かれておりまして
内式だと通常の現像工程なので、比較的簡単な作業部類にはいりますが、この代物は外式になるようです。

それを踏まえながら、モノクロ現像として
貴重なネガを現像化出来ないものか?
国内での現像は、実験的な「試み」になってしまいます。

このような話や情報を聞く機会があることも、貴重になってきている今。
情報だけで行動に繋がる事と、不可能に近い事もリアルにあるわけです。

これは、何かを促すものではありません。
話を聞く中である意味、取り扱いに注意をしなくてはいけない事だと考えて記事にいたしました。

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話は戻りますが
何処かで誰かが手をかけている、支えている。
それを守っていくことは難しい事もあるし、
受け継ぐ場所がある環境があるか、など。
結局オリジナルは、個々にしか解釈できないのですから。
形を変えながら、原型は絶えることがないと思います。
今できる事は、技術を辿りながら推測すること。
保持できることを考えること。


言葉で伝えることは、難しいですね。
言葉だけでは伝えきれない部分なのです。
そこに携わっているからこそ、見えてくるもの。
発想や発見、そして知恵になり知識になる。
何処かで、誰かの情報や知識に少しでもなれたらといつも思います。


坂本純子

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