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産休・育休中のリスキングってなんだろう。「特権」て知ってる?子どもたちが自由に生きられる世界って。


1月27日の参院本会議での育休についての答弁が、あまりにも育児に理解がないなど話題になっています。



上記から引用すると、このような提案と答弁があったと。

「産休・育休中のリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば、子育てによるキャリアの停滞を最小限にし、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる」
「リスキリングと産休・育休を結びつける企業を国が支援すれば、親が元気と勇気をもらい、子育てにも仕事にも前向きになれる」
自民党の大家敏志議員(参院本会議の代表質問)



「育児中などさまざまな状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」
岸田首相の答弁


私たちの求める支援はそこじゃないというぶわっと湧き出る感情を一旦抑えて、これを頭の片隅に置いておきます。


少し前提として「特権」について共有します。

気づきにくい、特権とは?




進学、引っ越し、買い物、就職、昇級・・・暮らしのさまざまな場面で「自分はなにごともなく実現できたのに、ほかの人は苦労していた」ことがありますか。それは、個人の努力の問題ではなく、国籍や性別など、社会のマジョリティー側の属性をもつためかもしれません。差別の心理を研究する出口真紀子さんは、そうした「労なくして得られる優位性」のことを“特権”と呼んでいます。“特権”は、持っている本人は自覚しづらく、差別につながることも。
あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とは
記事公開日:2022年08月10日


「マジョリティー性の高い人は、マイノリティー性の高い人のことを知らなくても生きていける。つまり、マジョリティー性が高ければ高いほど、社会の仕組みは意外とみえていないかもしれません。そのことを一度受け止めることが大切だと思っています」
あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とは
記事公開日:2022年08月10日

この記事の中で、日本でのマジョリティー側の属性として人種・性・学歴など8つの項目が提示されています。

それが、
・人種:日本人
・出生時に割り当てられた性:男性
・性的思考:ヘテロセクシュアル
・性自認:シスジェンダー(身体と性自認が一致)
・学歴:高学歴
・社会的階級:高所得
・身体・精神:健康
・居住地域:大都市圏在住


さて、この項目に、国会議員や中枢の政治家の方々はどれほど当てはまっているでしょうか。


全て当てはまる方が多いのではないでしょうか。


とするとマイノリティー側に当てはまる方の苦労が、もともと気づきにくい状況があります。

周りの多くが同じ状況なので、自分の「特権」が崩れるか、個人がかなり努力し傾聴して理解に努めないと、いつまでもそれ以外の苦労が理解できません。



それを踏まえて、もう一回質問と答弁をみてみます。

「産休・育休中のリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば、子育てによるキャリアの停滞を最小限にし、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる」
「リスキリングと産休・育休を結びつける企業を国が支援すれば、親が元気と勇気をもらい、子育てにも仕事にも前向きになれる」
自民党の大家敏志議員(参院本会議の代表質問)

さてここで、産休・育休とはなにかについて振り返ります。

産休・育休とはなにか


https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000563060.pdf

産前休業:
出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、 請求すれば取得できます。出産当日は産前休業に含まれます。
産後休業 :
出産日の翌日から8週間は就業することができません。 ただし、産後6週間を経過後に、本人が請求し、医師が支障 がないと認めた業務には就業できます。
育児休業制度:
1歳に満たない子を養育する労働者は、男女を問わず、希望する期間、子どもを養育するために休業 することができます。  育児休業は1人の子に対して原則2回に分割して 取得できます。また、産後パパ育休と育児休業を合 わせれば4回休業できます。
産後パパ育休制度(出生時育児休業制度):
 育児休業とは別に、原則として出生後8週間のう ち4週間まで、2回に分割して休業することができ ます。(なお、出産された女性の場合、産後8週間 は産後休業期間となるため、本制度は主に男性が対 象となりますが、養子を養育しているなどの場合は 女性であっても当然に対象となります。)
パパ・ママ育休プラス:
父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳 2か月に達するまでの間に父母それぞれ1年間まで 育児休業を取得できます。
(上記厚生労働省のリンクからのPDFから、引用)

実際に出産を体験していない人に、その大変さを理解してもらうのは非常に難しい。
だからと言って「分かっていない!」というだけでは乱暴だと思うので…

・子どもが健康に生まれるか不安
・出産が怖い(無痛分娩したいが、普及率が低くて希望するのに気を遣う、またはできる施設が少ない)
・出産時に子どもに何か良くないことが起こらないか不安
・お腹が重くて常に苦しい
・夜お腹苦しかったり足が寝られない
・今後、仕事がどうなるか不安
・子育てしながら仕事ができるか不安
・家事をどうすればよいか不安
・子供がいる場合は、体調悪い中子育てするのが身体的・精神的に困難(これは妊娠中に限らず)
・子どもの一生が全て自分にかかっているような恐ろしさ
・出産に関する諸々の手続き
・職場へ負担をかける申し訳なさ
・パートナーとの関係性

もう、キリがないんです。
わぁ、産前だけで心配事のボリュームがおさまらない。

産後休業は、言わずもがなですよね。
身体が事故にあったような状況で、授乳などで寝たいだけ寝られないので。

私としては、育児休業での学びなおしはいったん置いておいて、「産休」というワードを入れたのが、配慮の足りなさが突出していて驚きでした。


そして、育児休業は、男性も取れるのです。


だから、男性を含めての話のはずが…

この質疑からは、男性は育児を女性にさせるのが当たり前で、仕事の勉強もサポートするって女性のことちゃんと考えてるでしょ、という思いが透けて見えたように感じました…。


「育児中などさまざまな状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」
岸田首相の答弁


そこは…
分からないこともないです。

というのも私は、育休の時。

「何かしなきゃ」

何かしないと、と、焦っていました。

今のままではいけないと思ったし、自己肯定感も爆下がりでした。
キャリアもものすごく不安で、キャリアにつながるような何かを求めていました。

でも、今思い返すと、
あの時あったら嬉しかったものは。

・夫の育休
・子育ての支援体制(一時預かりなどの保育や、金銭面など)
・思いやり(迷惑と思われないか不安)

この辺り。


特に、男性に育休を取ってもらうことで大変さや苦しさも、逆に子育ての楽しみも分かち合うことで女性が生きやすくなるのは間違いないと思います。

そして、巡り巡って男性も


子育ての支援を、机上の空論で進めるのは無理です。

男性の育休取得推し


子育て支援として私が推すとすると、
男性の育休取得を一気に上げさせる。

お金は、国として子どものためと思って割いてOK。
それなら、専業兼業変わらずパートナーは助かりそう。

もちろん、数ヶ月以上、子育てフルコミット前提。

と書くと、男性側にデメリットばかりのようにも見えますが…


でも、男性側のメリットとしては、長期で人生を考えると。
この100年生きる時代の中での一部を変えることで、より人生の豊かさが分散されます。

家庭に貢献することで、長く見ればより幸せに近づくのではないでしょうか。


最後に、我が家の子どもたちからの言葉を抜粋します。

6歳娘「こどもうみたくない」


4歳息子「あかちゃんほしい」


子どもの時からこんなに子育ての負担感が違うのか、と私も驚いたことの一つです。


どうしたら、子どもたちが自由に生きられる世の中になるか、模索し続けよう。




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