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お彼岸に思う『サンガプ屋台』の「あの世」観

お彼岸も過ぎてもう月も変わってしまったけど、たまたまお彼岸の中日に谷中散策をしていて谷中霊園がにぎわっているのを見たとき、少し前に見た「あの世」と「この世」のお話を思い出したのです。

韓国ドラマ『サンガプ屋台』

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・主人公ウォルジュに、生前の罪を償うために課せられたミッションは10万人の恨みをはらすこと

・恨みを持つ人、悩める人の夢の中の世界に入り、悩みを解決する

・サンガプ屋台で「これは」という悩みのありそうなお客さんに「サンガプ酒」を飲ませることで、その人の夢の中に入ることができる

・これまで500年かけて99990人の悩みを解決してきた

・あと10人で満願成就!

「あの世」と「この世」の間

「時空を超えて生き続ける」「転生する」設定は韓国ドラマで多々見られます。たとえば『トッケビ』も生と死、輪廻転生が描かれていました。高麗時代の英雄キム・シン(コン・ユ)が霊的な存在「トッケビ」となって900年生き続け「死」「無に帰る」のが希望だったのが、運命の女性“トッケビの花嫁”と出会ったことで「生」を夢見るようになる。生と死の間にいるのがトッケビ。

・時空を超えて生き続ける存在の主人公たち

・神剣や神木を汚す大罪を犯したことが原因(有り余る不条理で恨み爆発の結果)

・生を終えた人間たちを管理する存在・組織がある

といった共通点がある『トッケビ』と『サンガプ屋台』(ユク・ソンジェくんも!)。ウォルジュもまたトッケビのように生と死の間に立つ存在で、数百年もの時を自らの罪とともに生きてきた―という、一見シリアスな設定ではあるんだけど、恨み晴らし達成人数が電光掲示で景気よく表示されたり、閻魔大王(ヨム・ヘラン様もトッケビつながり)がスマホでメッセージを誤送信しちゃったり、ウォルジュもメイクとクセ強めだしあまりにも奇抜な要素が全面に出ていたからか、視聴率も評判もいまひとつ。屋台に毎回違う客が来てメニューはその人の思い出の味でというオムニバススタイルも、ていねいな料理の描写もわたしはよかったと思うんだけども。

ともかく現実にコロナで遠出できない状況で、お彼岸のお墓参りがフィーバーしている様子を見て浮かんだのは『サンガプ屋台』のあの世の大運動会!

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聞いたことない、あの世のロト大戦

スポーツウェアを着て大集合しているのは亡者たち。優勝者には、子孫の夢枕に立ってロトの当選ナンバーを囁ける権利が与えられるというロト大戦。○✕クイズ、障害物走などあって最後のゲームは片足相撲。ちょっと「リンカーン芸人大運動会」を思わせるこの大会、あの世のご先祖さまも必死。生を終えても、この世を見守る場所があると思うと、日本と韓国の死生観て近いものがあるよねとあらためて感じられるエピソード。

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『サンガプ屋台』で描かれる「あの世」への思いから、ヨシタケシンスケさんの絵本「このあとどうしちゃおう」を読んで涙した話はまたの機会に。

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