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よせばいいのに…誰得なスマホ開示ゲームが地雷すぎる韓国映画『完璧な他人』

 ホームパーティーでゲームといったら自分が勝つまでボードゲームをやめません、じゅんぷうです。

『完璧な他人』は、なんと世界18ヶ国でリメイクされているというイタリア映画『おとなの事情』の韓国版リメイク作品で、幼なじみの男たちとその妻たちが集まった新居パーティーの一夜を描いたワンシチュエーション映画。本家イタリア版は見ていない状態で視聴しました。

左端○叩き上げ豊胸外科医の夫と売れっ子カウンセラーの妻⇒成功者夫婦

奥中央○マザコン弁護士の夫と文学教室にハマり中ブロガー妻⇒倦怠期夫婦

手前○レストラン経営者の夫と獣医の若妻⇒新婚バカップル

右端○離婚した元教師の男⇒新しい恋人と交際中

あらすじ 豊胸外科医のソクホ(チョ・ジヌン)と精神科医のイェジン(キム・ジス)夫婦が、新居のマンションに旧知の友人たち夫婦を招待。男たちが少年時代に遊んだ思い出のある月食の晩、にぎやかなパーティーが始まるが、酔いが回ってきたころ、あるゲームが提案される。全員、テーブルに自分のスマホを置き、かかってきた電話はスピーカーにし、メール、SNSのメッセージもすべて公開するというルール。友人間・夫婦間でかくしごとはないはずの彼らだが、ある者は隠ぺいしようとし、ある者は着信によってさまざまな疑惑が浮かび上がり…

 スマホは地雷。全員が全員、友人やパートナーには知られたくない何かを匂わせているわけあり状態での、このスマホ開示ゲーム。実際にずばり浮気とか不正とかの重罪は犯していないにしても、たとえば自分や親族の病気や介護のこと、相続含めて金銭的なことだったり、誰かの悪口までいかなくても知られたくない対応とか…生きてるといろいろあると思うんです。会計中にそのショップのアプリとか決済画面をお店の人に見せている状態でたまたまLINEが来ただけでもちょっと気まずいですよね。それを友人夫婦グループで公開しあうなんて、誰も得をしないはずなのに、誰かの着信のたびにちょっとした暴露や発覚があったりしておかしな空気になりながらゲームはつづくのです。

 いかにもな事情の人物もいれば、パートナーの心情が明かされることで落ち着くケースもあり、想像を超えるハードな真相もありと、着信によって展開するエピソードの緩急で飽きることなくパーティーの終わりまで楽しめました。

▼パーティー料理のお国柄が気になる▼

「郷土料理にこだわった」というメニューはアバイ腸詰、タラの刺身あえ、蒸しパン、甘辛唐揚げ、そしてメインがクサウオスープという日本人には謎めいたものありますが、どれも美味しそう。

 仕上げ~盛り付けしつつキッチンでつまみながら飲み始める、大人の宅飲みの素敵。大層モダンなマンションのテーブルに並ぶ韓国郷土料理の数々。これ、本家イタリア版もさぞかし美味しそうな料理が並んだのでしょうね!リメイクされた各国の料理も気になります。

▼やってそうな男の着信メロディ「I Will Survive」▼

 ちょっとチャラ目の新婚男ジュンモ(イ・ソジン)。会話から女がらみの武勇伝を持ってそうな人物とわかり、彼には公開しては困る着信相手もいそう。そんな男の着信音がグロリア・ゲイナーの「I Will Survive」。

 扇情的なピアノで始まるこの曲!スリリングな展開のBGMとしてこの上ないです。何度か着信するうち、もうギャグに思えてきます。

▼妻のスマホで記念撮影中の着信▼

 これもいいシーンでした。自分はやってても相手にはやられるのは許せない、それが男。

▼日本版リメイクもあった!▼

 2021年1月に劇場公開されていたようです。主演は東山紀之。なるほどヒガシが豊胸外科医の役ね、と思ったら、さえない独り身の元教師の役だそう!しかも、本人自ら志願したというじゃないですか。え、ええ~?役者魂がそうさせたのでしょうが、ルックスって大事よ。いえ、韓国版でこの元教師ヨンベを演じたユン・ギョンホは好きですよ。最近も『秘密の森』で見たばかりだし、でもルックスって大事よ。どれだけヒガシがヨンベ感を出しているのか、配信始まったら必ずやチェックします。パーティー料理も。

※アバイ腸詰※アバイって食材ではなくて「アバイ村」という村のことでした。朝鮮戦争の際に北からの避難民が集まってできた村で、そこの名物・北朝鮮式の腸詰が「アバイスンデ(腸詰)」。アバイ村には今も北出身の人々が生活しているんですね。勉強になります。

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