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誰が何と言おうとク・スンジュン。彼を永遠にした『愛の不時着』の罪

 コロナ禍によるステイホーム中、わたしも例外ではなくひたすら韓国ドラマを見ていました。緊急事態宣言の約2ヵ月間で7本、話数にして約120話。ところが8本目の『ザ・キング:永遠の君主』で初めての挫折。そして『愛の不時着』2周目に不時着したのです。

2周目に突入したらク・スンジュンロスは埋められるのか…?

 そう、不時着ロスやヒョンビンロスの嵐の中、わたしは紛れもなくク・スンジュンロス。たしかにヒョンビン演じるリ・ジョンヒョクはいちいちカッコよくて、ドラマの中でも「顔が特別」「ほかの女のために走って行くのにときめく」「怒っているのがかっこいい」「顔天才」と南北問わず女性たちに称賛されているし、誰もが認めるヒーロー。

 ク・スンジュンは韓国で財閥令嬢のセリに縁談を断られ、セリの兄相手に巨額の投資詐欺をはたらいて北朝鮮に逃亡中の自称実業家。
 初めは単なる噛ませ犬かなと思ったけれど、人を信用しなそうな、でも人のよさそうな(詐欺師だから)なんとも軽薄なオーラ、嫌いじゃないし声がヤバい。
 
彼の素性も思惑もわかっている。悪い男とわかっているのに。ラスト手前、彼がまともな男に生まれ変わるためのチケットをビリビリしたあの瞬間、誰が何と言おうとヒョンビンよりヒーローだった。そして恋人未満のダンと一緒に「ク・スンジュン! ク・スンジュンーーーー!!!!」と叫んで心が空洞になるに至るわけです。

情けないけどいい男ク・スンジュン

 ブローカーに大枚はたいて北朝鮮でセレブ生活を送るべく入国したら、いきなり車のワイパー盗まれてるク・スンジュン。
 タクシーがエンストして困ってるダンを乗せてあげたのにガン無視されるク・スンジュン。
 主人公2人はロマンチックだったあの焚き火の夜、ブローカーのチョン社長と肩寄せ合って野宿するク・スンジュン。
 そのチョン社長に裏切られて屋上でボコボコにされるク・スンジュン。
 プロポーズしたセリに逃げられたあげく指輪を質入れされるク・スンジュン。
 泥酔したダンをおんぶして腰を痛めるク・スンジュン。
 セリに協力するのを躊躇して「いや男に二言は…あってもいい!」ってぺこぱなク・スンジュン。
 市場で物乞いの少年(セリが助けた子)に助けてもらうク・スンジュン。

 いちいち情けないク・スンジュンの思う壺なわたし。セリを病院から連れ出すときといい、ダンをマウンティング女子会から連れ出すときといい、女を車で迎えにくるのだけは様になる悪い男ク・スンジュンがダンに指輪を渡すシーン、あれダメだよ…指輪はセリに一度あげたやつだし場所も勝手に入ったジョンヒョクの家という不安定さがまたク・スンジュンなんだ…結果、2周目のほうが泣けた。

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 tvN公式サイトより

※追記※

2020年、4周不時着しました。

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