MRが学習体験を大きく変える

VR(バーチャルリアリティ)が「没入」するためのデバイスである一方、MR(ミクストリアリティ)は「ながら作業」をするためのデバイスと言えるだろう。

例えば、MicrosoftのHoloLensのようなMRデバイスは、自動車のエンジン組み立てや飛行機の安全点検の際に、次に取り掛かる部位を色分けして教えてくれる。これは一見すると些細な機能に思えるかもしれないが。作業を行う人々にとっては、手を止めずに情報を得られるという点で非常に有用である。

そしてここに、音声入力アシスタントが組み合わさるとさらに便利になる。

動作をしながら、音声指示に従い、視覚情報も得られるという体験は、私たちが新しいスキルを学ぶ方法を根底から変える可能性がある。

例えば、楽器初心者がMRデバイスと音声アシスタントを使用すれば、基本的なビートパターンを視覚化してリズムを覚えることができるだろう。

また、絵画や工作など、具体的な「もの作り」の技術を学ぶのにもMRとAIアシスタントは非常に役立つ。

真っ白なキャンバスの上に絵画のモデルを投影し、次にどんな線を描けばいいか、一から教えてくれる。

また、具体的な指示を動画やテキスト、音声で複合的に伝えることが可能になり、「見て学ぶ」学習が格段に向上する。
家にいながら寿司屋修行が可能だ。何回も教えてくれるので、10年も修行はいらないだろう。

さらに、医療トレーニング、家具の組み立て、料理、宇宙探検、公共のスピーチなど、さまざまな領域でこの技術の利用が考えられる。

これらはすべて、視覚的な情報と音声による説明が組み合わさることで、より強力で直感的な学習体験を提供できるだろう。

私たちはこれまでにない新しい学習体験の世界に立っている。

MRと音声アシスタントが組み合わさることで、学習はより直感的で自然なものになり、またそれは誰にでもアクセス可能なものとなる。

体が不自由で出歩けないような人も、自宅にいながら気軽に学ぶことができる。

また、金銭的な理由でおけいこにいけないような人も、安価な「アプリ」で学ぶことができるだろう。

MRとAIアシスタントの発展は、学ぶ機会を、与えてくれる。

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