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B型肝炎入院体験記-入院から2週間

 170cm・74kg(41歳) ウオーキング運動に軽いカロリー管理。
これまで少しぐらいは健康に気を使ってきたつもりではありましたが、そんなこと全く関係なくウイルス感染で入院生活に。

 初めて聞いたB型肝炎ウイルスというワードだけど、いったいどんな入院生活が始まるのか。

 そうしたなんでもない?日々を記録しておきます。これから入院されるかもしれない方の不安が少しでも拭うことが出来たなら幸いです。

B型ウイルス急性肝炎ー入院中の症状は

 B型肝炎ウイルスによる急性肝炎は、その症状にかなりの個人差が見られるかと思います。私の場合は 腹部鈍痛 黄疸 嘔吐感 倦怠感 でしたが、その程度はかなり軽く、健常者と同じように動けるレベルでした。

 調べる限りでも、それほど重い感じでは表記されていませんので軽視されがちかもしれません。

 ある方は腹痛で死んでしまったほうがマシだと言っていましたし、発熱や関節痛で感冒症状の方もいるかと思います。入院生活は3週間から1ヶ月ぐらいと、入院先の看護師さんの話でしたので、治療期間は少し長いという印象です。
▶︎ 肝炎の症状は?(肝炎.net)

日々の処置内容

初期の処置としては以下の通り

 電解水点滴(ブドウ糖?)
 核酸アナログ製剤・ゼフィックスの服用
 毎日の採血

血中ウイルスの増殖を抑える核酸アナログ製剤を服用しながら経過観察 です

 毎日採血をして、血中肝酵素(AST/ALT)の数値を観察します。
この数値は肝臓が炎症を起こしていると上がってきますが、治ってくると低下してゆきます。

 体を安静に保つことで治癒を目指せる方もいますので、症状の傾向を探ってゆく期間となります。

核酸アナログ製剤は効果が出るまでに1−2週間ほどかかるため、入院生活は数週間を余儀なくされます。


血液検査で注目した数字たち

 AST・ALT(血中肝酵素)
 ▶︎肝臓へのダメージで上昇します

 総ビリルビン
 ▶︎数値が5前後で黄疸症状が出ます

 PT%
 ▶︎劇症肝炎への診断基準の一つとなります

 AST・ALTは肝臓の健康状態を確認する上で注視しました
こちらは私の数値です



 ASTの方が半減期が短いので、先行して下降する傾向にあります。ASTが下降(上昇)すると、翌日にはALTが下降(上昇)していた感じですね。 

総ビリルビンという値にも注目します。この数字は上昇すると目や肌が黄色くなる黄疸症状が出ます。数値的には5以上になることで明確に確認出来るようになるそうです。

 緊急入院を果たした23日、自身で黄疸が確認出来たことが病院へ行くきっかけだったのですが、見事に5に近い数字です。

  PT%という血液凝固因子に関する数値がありますが、これにも注目です。この数値が下がってしまうことが個人的には1番怖くありました。

 基準値(70−130)以下で、検査数値が40ぐらいになってくると肝性脳症を起こし意識混濁に、そして劇症肝炎への診断が下りたりします。その発生率は1−2%だそうですが、ゼロではないので不安感が払拭出来ませんでした。


▶︎劇症肝炎について 全国健康保険協会HPより

まえだの採血経過

 こちらは私の入院前(3/31)から、緊急入院日(4/23)-入院11日目までの採血結果全体です

 赤字のものは特に気になった数字です

 基本的に肝炎を示す場合のALTは1000前後ということですが、私の場合は4倍の数値でしたので、先生が大変驚いていたのが印象的です。

 かといって数字の大きさが体感できる症状の重さと比例せず、肝臓の自覚症状の薄さ【沈黙の臓器】と言われる所以もわかるところです。肝臓は自己修復機能に優れ、その半分を失っても命に別状がなく、数ヶ月で復活する臓器です。

 反面、明らかな体調不良が現れ、肝硬変や肝癌などを発症するとその致死率は一気に跳ね上がり、肝移植をせねば救命率は2−3割というものでもあります。

 症状が軽い時だからこそ治療に専念することが何よりも大事だと感じました。

入院時の不安感が大きかった

 急性肝炎の入院生活の一番の難所は不安感でした
体は動く、健康体だ。歩ける、痛くない。

 でも血液の各種数字が示している 私は病気なんだ
1−2%の劇症肝炎って多いの、少ないの?50人の内の1人が致死率70%?
あくまで肝移植を行わなかった場合の致死率です
いったい私はどうなるのだろうか

 なまじ体が動く分だけ訪れる不安感は体感したことがないものでした
怪我をした、風邪をひいた、手術を行った となると、徐々に自身の痛みや症状が緩和されてゆき、回復を実感することができます。

 しかし血液の数字は自分の努力とかではどうすることもできず、感じることもできず大変気持ちが悪かったです。これが不安感の元凶でした。

 とにかく医療を信じて、気を紛らわして毎日を安静に過ごしてゆく
これが入院時に急性肝炎の患者さんが取り組む唯一のことです

 体の筋肉を酷使するようなことさえしなければ、かなりの自由時間が出来ますので、これまでの生活では出来なかったことを満喫するのも悪くないかもしれません

不安感を拭った一つの資料たち

▶︎CRCグループ HPより

 入院生活では採血結果が毎日出てきます
その1日の数字だけでなく連続した数字にも注目をしてあげてください
そして必要以上に心配しすぎないでください

 私はALTの数字がとんでもない数字でしたが、この鑑別診断表で随分と安心できました

 こちらは残念にもお亡くなりになった例でしたが、一つの資料としてリンクを貼っておきます
 今の私はここまでの状況にはない だから安心して過ごそう
そう思たなら良いかと思います

▶︎ 日本腹部救急医学会雑誌34(3):747-751.2014 
 【劇症肝炎に合併した急性膵炎の2例】

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