VRChatで任意のハンドサインを自作の別の物に置き換える方法(中指を立てられるようにする方法)

Junked

背景

「ハンドサインを別の形に変更したい」。VRChatに慣れてきたユーザーなら、誰しもこう思うのではないだろうか。
上級者にとっては朝飯前なことでも、初心者にとってはハードルが高い作業だ。
「vrchat ハンドサイン 変更」と検索してみると、そのニーズに応える多くの役立つ記事が見つかる。
しかし筆者が見た限り、記事の多くは「誰かが作ったハンドサインを入手して利用する」という前提に基づいているようだ。※個人の感想

私は自分で設定したハンドサインを使いたいのだ。
自分の責任で自分が設定した中指を立てたいのだ。

以下は「初心者がツールやハンドサインを別途入手することなく、任意のハンドサインを自作の別のハンドサインに変更する」手順をまとめたものである。
「要約」は全体的な手順の概要、「やり方」は実際の手順を簡潔に画像付きでまとめたものだ。
それ以降の文章は、なぜ中指を立てるに至ったのかをつづった内容なので、もし興味があれば見てほしい。

手順の実施は自己責任で行い、生じた不都合等については責任を負えない点については了承していただきたい。
またUnityやVRChatへの見識も乏しく、用語等が適切でない場合があることも了承いただきたい。

前提

  • Unity バージョン 2022.3.6f1 (他のバージョンでもできるかもしれない)

  • VCCやUnityを使い、アバターのアップロードや軽い改変ができる人向け

  • 恐らく簡単にハンドサインを変更できるすばらしいツールなりが存在するだろうが、そういうことには目を向けずにやり遂げたい人向け

要約

  • ハンドサインを司るアニメーションコントローラーを見つける

  • 右手、左手の任意のハンドサインのMotionに設定されているハンドサインのアニメーションを見つける

  • そのアニメーションをコピペ&保存し、ハンドサインのアニメーションパラメーターを書き換えて自作する

  • 自作アニメーションをMotionに設定する

  • アバターをアップロードする

やり方

① VCC経由でアバターのデータを含むUnityプロジェクトを起動！


② アバターのハンドサインの動きを決めるアニメーションコントローラーを見つけ出せ！恐らく”Gesture.controller”かそれに近いファイル名になっているぞ！

② アバターのrootオブジェクト選択 -> インスペクター -> VRC Avatar Descriptor (Script) -> Playable Layers -> Base -> Gesture の項目に設定されているもの


③ 見つけたアニメーションコントローラーを開いてLayersタブを開け！”Left Hand”とか”Right Hand”とか開いてみると、いくつかのハンドサインのアニメーションが登録されてるはずだ！

③ 設定されているハンドサイン


④ 任意のハンドサインをクリックする(中指を立てる場合、RockNRollがおすすめ)と、インスペクターに”Motion”というのが見える。これが指の形を決めるアニメーションだ！

④ 「RockNRoll」のハンドサインのMotionに「proxy_hands_rock」が設定されている


⑤ このMotionに指定されているアニメーション(proxy_hands_rock)をクリックして、アニメーションファイルがあるフォルダを開け！

⑤ ハンドサインのアニメーションがあるフォルダ。ハンドサイン以外のアニメーションも含まれているかもしれない


⑥ このアニメーションをコピペして好きな名前に変更するんだ！その後ダブルクリックでアニメーションを開け！

⑥ proxy_hands_rock.anim をコピーし proxy_hands_nakayubi.animに名前を変更。 アニメーションの保存先は任意


⑦ アニメーションのタブが開かれ、ハンドサインの形を決める各指・関節ごとのパラメーターが見えたぞ！これらを任意の数値に変更すると手を好きな形にできるようになるぞ！

⑦ 画像は中指立て設定済みのもの


⑧ 運がいいとインスペクターの下部に男の3Dモデルが立っているウィンドウが見える。このモデルの手に各パラメーターが反映されているので、これを見ながら数値を調整していくのだ！右手左手それぞれのパラメーターがあるから、必要なら両方のパラメーターを書き換えるんだぞ！

⑧ 数値を変えてはここを確認する。パラメーターを適切に変更し両手の中指を立てられた


⑨ 最後に任意のハンドサインのMotionを作ったアニメーションに変更すれば設定完了だ！両手でやりたければLeft HandとRight Handの両方でアニメーションを変更するんだぞ！

⑨ 自作の「proxy_hands_nakayubi」を設定する

⑩ アバターをアップロードして完了！良識の範囲で中指を立てろ！

注意点

  • ハンドサインのアニメーションのコピペ&保存をせず直接書き換えても良いが、他のアバターにも影響がでる可能性がとても高いのでオススメはしない

    • 今回の場合、RockNRollを使用するアバター全てが中指を立てるようになってしまうかもしれない

  • アバターのGestureを直接書き換えているため、上記手順を実施すると、このGestureを使用するアバター全てに影響が出る

    • Gesture自体をコピペ&保存し、アバター側から利用するGestureを変更すれば回避できるかもしれない

      • アバターのrootオブジェクト選択 -> インスペクター -> VRC Avatar Descriptor (Script) -> Playable Layers -> Base -> Gesture の項目

      • これは筆者の方で検証できていないので、やる場合は自己責任で

  • 中指を立てる振る舞いはモラル的によろしくない行いなので、それが許される間柄以外ではやってはいけない

経緯

わざわざこのセクションまで見てくれた方に、感謝とともに経緯を説明しよう。

汎用的な内容なのに何故中指を立てることにフォーカスした手順になっているのか、疑問に思った方も多いことだろう。
これには浅くもエモーショナルな事情があるため、以上のような手順を実際に実施し、この記事を書き残すに至った経緯を記そうと思う。


あなたはVRChatで友達と遊んでいる時、こんな経験をしたことはないだろうか？


憤怒の瞬間

指ハートのハンドサインで死ぬほど煽られる経験だ。

私は指ハートがすごく苦手(マイルドな表現)なのである。
これはどうしようもない事実だ。世間的に広く受け入れられていようが、若者の間では既によくあるサインとして定着していようが、苦手(マイルドな表現)なものは苦手(マイルドな表現)なのだ。
それを知ってか知らずか、この友人は私を煽るためにわざわざ指ハートを導入し、事あるごとに私に見せつけてくる。
時にはわざわざ私の注意を引き、ポケットから何かを取り出す仕草をしたかと思えば顔面に指ハートを突きつけてくることもあった。


ポケットから取り出すな！！！！！

友人の呼びかけに振り向いたその瞬間、目の前に親の仇が現れるも同然である。
これにわずかな怒りも感じない人は、世界広しといえど存在しないと、私は強い確信を持って断言できる。一方的な暴力とはこのことである。

このような無礼な振る舞いを見過ごすわけにはいかない、私は反撃しなければならない。そう思い、手を色々な形に変えてみて気づく。
なんと、私の使っているアバター(恐らく大抵のアバター)にはデフォルトで中指を立てるハンドサインが含まれていないのである。
繰り返そう、デフォルトで中指を立てるハンドサインが含まれていないのである。

標準的なハンドサインの一覧

これは非常に深刻な問題だ。私の趣向が原因とはいえ、一方的に不快な思いをさせられた挙句やり返すこともできない。こんなことがあっていいはずはない。私はこの理不尽な状況を回避するため、中指を立てられるようにすべくGoogle検索の旅に出た。


・・・

なるほど、確かにハンドサインを書き換えることはそれほど難しくはなさそうだ。
だが見た限り、ハンドサインのアニメーションをBoothなりで入手することが前提となっているものが多いように見える。
調べればきっと、中指を立てるハンドサインを作って公開している人がいるはずだ。時間をかけてでも見つけ出して、分かりやすい導入手順をいくつか参考にすればきっと……


本当にそれで良いのか？
理不尽への抵抗に誰かが作ったハンドサインを？
いや、私は自らの意思で、自ら設定したハンドサインでやり返すべきではないだろうか？
私は決意し、調査し、実行し、そしてついにやりとげた。


またやりやがったな、だが……
今の私には「こいつ」がある！！！！！！！！！！
やり遂げた瞬間

そんな経緯があり、自作の中指を立てるハンドサインを作成し、アバターに設定してアップロードするに至ったのである。
指ハートでなくとも、苦手なハンドサインで一方的にやられっぱなしでやり返すこともできない、そんな理不尽な目に会う人が1人でも少なくなればと思い、ここに手順を書き残す。
「ハンドサインを自作のハンドサインに変更する」という目的を、特にアニメーションのダウンロードなどもせずに達成できる汎用的な内容になっているので、誰かの役に立てられれば嬉しく思う。
反撃の証のために、または好意を示すために、またはそれ以外の表現をするために。あなたなりの意思の表明があなたの作成した手段で行えるようになることを、心の底から祈っている。


尚、中指を立て返したところで依然として指ハートは見せつけられる。
反撃は問題解決の糸口とはならなかった。戦いは続く。

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