六分儀句会22 弥生の段
43. 春の闇少年だったものの跡 (岡田朋之)7点
◎ わたなべじゅんこ ざわめく感じがいい。大人になったというのがストレートな読みかもしれないけれど、そうではなく、消えたり影だけ残ってたり。そういう異世界譚っぽい妖しさを醸し出すのも季語の効きがいいからだと。
◎ 宮川由梨 冬の間にぐんと成長したんでしょうね。成長後ではなく成長前の名残が感じられていいなあと思いました。それとも得体の知れない何かになってしまったのか…春の闇が怪しげ。少年という言葉に弱い。
◯ 佐伯一馬 ちょっとさみしい感じが良いと思います
◯ 青に桃々 春の闇濃密な闇の中に、少年だったもののしかも跡、とは鳥肌のたつ。
◯ 久留島元 ちょっと説明的なわりによくわからない設定ですが、ミステリアス
11. 背伸びしてやっと目が合うお雛様 (髙橋梨華子)5点
◎ 佐伯一馬 かわいらしくて好きです
◯ 宮川由梨 成長が感じられます。段々になった大きいお雛様なのかなあ。
◯ 岡田朋之 詠みたい景がわかるけれど、少々散文的な気がする。
◯ 青に桃々 八段飾りの昭和のお雛様。優しいお顔拝見か、本当に夜に動き出すかしら?と怖いような気持ちか‥、長靴下にスカートの女の子が浮かびます。
△ わたなべじゅんこ こどもの風景かな?可愛い💕
37. 丸刈りのうなじ凛々しく風光る (髙橋梨華子)5点
◎ 山本たくや 3月は春のセンバツ甲子園があるので、高校球児を思い浮かべることができました。季語の選択も良いですね。泥まみれのユニフォーム姿の中に、凛々しく光る姿が目に浮かびます。
◎ 明定朝子 息子が中学で野球部に入りお父さんがバリカンで3年間丸坊主にした事を思い出しましたね。
◯ 佐伯一馬 非常にキラキラでいいですね
△ 宮川由梨 中坊かな。若々しさがある。
31. 梅まだか何かできることないか (久留島元)4点
◎ 岡田朋之 梅への期待と、自分にできることはないとわかりつつ言う「できることないか」がとても好きです。口に出すとリズムも良い。
◎ 青に桃々 持ち家の庭の木か、角の家の庭の木か。あの神社か梅園か。いかにも待ち遠しい気持ちが伝わります。
19. 猫の尾が春光の中にとけている (岡田朋之)3点
◯ 宮川由梨 はたはたとゆったりしたリズムで打たれる尻尾。縁側とかでとろけてるんでしょうね。
◯ 青に桃々 写真に玉ボケという分野があります。玉ボケしている春の光にとけていく猫の尾‥ なにか起こりそうな句。
◯ 明定朝子 春の光の柔らかさと猫の柔らかさがあってますね。
20. 落第の肩もくっつけクラス写真 (髙橋梨華子)3点
◯ わたなべじゅんこ クラス写真、春に撮るよね?しみじみ辛くなる。
◯ 佐伯一馬 青春ですね
◯ 明定朝子 落ち込んでいる友達と優しい友達が笑顔いっぱいの顔が浮かびますね。
△ 宮川由梨 クラス写真という響き懐かしい。合否にとらわれず仲良くありたい。
33. 君きっと受かるんだろう春の雪 (宮川由梨)3点
◯ 岡田朋之 中七までだとどこか嫉妬めいたものや寂しさがありそうな表現ですが、春の雪というと暖かさというか晴れやかな感じが足されて明るい句になりますね。
◯ 久留島元 そっけない感じで合格を祈っているツンデレのような、あるいは受かってしまうと別れ別れになるので不機嫌になっているような、微妙な関係性がみえる
◯ 髙橋梨華子 友達目線か、親目線か、先生目線か。合格してほしい思いもありつつ、進路が分かれる未来への寂しさも感じる句です
9. 春風や鎖骨をさっそく吹き抜ける (髙橋梨華子)3点
◯ わたなべじゅんこ さっそくがいい。身体を鎖骨で表現、吹き抜ける風が立体的に感じられた。
◯ 岡田朋之 春風が吹く頃ですから、鎖骨が出るような服も着れるという季節感が出てると思います。「春風」って言ってるから下五はもう少し詰めれるかなあとも思いますが。
◯ 明定朝子 春になると薄着して出かけたくなりますよね。だけど首もとが寒いんですね。
△ 青に桃々 3月になるとすぐ薄くて可愛い色の服を着たくなりますね、すごく寒くて後悔しますが‥。
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