六分儀句会23 卯月の段

今回は4点句のみで。今回は点がばらけました。


10. るいるいと春のはやさでゆくひかり (わたなべじゅんこ)4点
◎ 久留島元 るいるい、っていう擬音なんか好きなんですよね。よくわからないんですが。春のはやさもよくわからないんですが。二月にげる。三月さる。
◯ 明定朝子 意味は分からないけどるいるいって春にぴったりの言葉かもしれませんね。
◯ 小林少年 「るいるい」がいいですね。しかも走っているのは、「ひかり」、いかにもほどよい昭和の速さです。

15. 古本に死者への手紙春の宵 (岡田朋之)4点
◎ 明定朝子 古本にそんな手紙が挟んであったら見てしまいますよね。
きっと感謝の言葉が綴られているのでしょう。
◎ 佐伯一馬 古本に積もった歴史を感じさせます。怖い感じではなく歴史に思いを馳せる感じです。
△ わたなべじゅんこ 古本にはわりとあるドラマかも。ちょっと状況説明過ぎるのが惜しい。
△ 佐々木ふく 古本に手紙はあるあるですが、「死者への」にどきっとしました。春の宵に、生と死のあわいを感じます。

23. 少年の葬列花筏流る (佐伯一馬)4点
◎ 小林少年 美しく凄惨な句です。少年の屍体を、血を薄めたような色の桜の花びらが囲んで流れてゆく。ギリシャ神話のナルキッソス、ミレーの「オフィーリア」、映画「薔薇の葬列」などが浮かんできました。
◯ わたなべじゅんこ 詩のような、ドラマのような。破調にやりきれなさが詰まっているようにも。「流る花筏」ではおさまりすぎるか。
◯ 岡田朋之 長野まゆみっぽさがある。
△ 仲田陽子 葬列の先は少年だろうか。

25. たこせんべいぱりんと部屋に春の音 (わたなべじゅんこ)4点
◯ 芳野ヒロユキ ぱりんと音がかぶっているのがもったいないけどたこせんべい好き。
◯ 黒田さつき おいしそう😋
◯ 明定朝子 大きなたこせんを持っている人がパリンと音を立てて食べていましたね。
◯ 小林少年 この「ぱりん」は、紛れもなく春の音です。「あ、春が来た」。爽やかな春の風が吹き込んできて、今日もたこせんべいがうまい。
△ 久留島元 ぱりん、と、音、は、どちらかでいいのかも、と思いながら、たこせんのぱりん、こそ春の音だ、という断定は面白い
△ 佐々木ふく 明石吟行のたこせんべいでしょうか。「春の音」が素敵です。「部屋に」とあることで、むしろ、部屋からさらに世界が広がっていく感じがしました。

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