六分儀句会23 皐月の段

「いちご白書」という映画があった?青春性の象徴みたいに語られてきた?そういう歌もあった?
そんなことをふと思い返しました。失われた「時間」は戻りませんね。


36. 先生についてぞろぞろ風薫る (久留島元)8点
◎ 芳野ヒロユキ ぞろぞろと風薫るの青葉若葉のイメージが新鮮。
◎ 山本たくや 京都市内に住んでいると、今の時期に修学旅行生の一団をよく見かけます。そんな光景と、「風薫る」がよくマッチしているなと感じました。
◎ 明定朝子 小学校1年生かな。迷子にならないように前を向いて真っ直ぐ歩いているんですね。まるで、カルガモの親子みたいですね。
◯ 髙橋梨華子 新学期にも少し慣れたころ、でもまだクラスの団結感はまだないころ。
◯ 仲田陽子 先生についてゆく大勢の生徒だろうか?風薫るが素直。

22. 春の雨未来の話を止めたとこ (岡田朋之)5点
◎ わたなべじゅんこ ちょっと先のこともわからないもんね。まさか今雨に降られるなんてね。
◯ 久留島元 未来の話、止めちゃったのかー、と。また続きを話せる春であってほしいけれど。
◯ 佐々木ふく 春の雨のせいか、未来の話を止めたことにも、なんとなく前向きな印象を受けました。今を生きる、みたいな。
◯ 芳野ヒロユキ 未来の話をしなくなってもう、どのくらい年月が経っただろう。

30. ボクたちは昨日に戻れない苺 (芳野ヒロユキ)4点
◎ 仲田陽子 苺という果実はとにかく傷みやすい。収穫から時間が経てば経ったぶんだけ鮮度が落ちてゆく。人もそうなのかも。
◯ 黒田さつき 昨日に戻れる苺もあるのででしょうか
◯ 久留島元 昨日に戻れないボクたちはありふれた歌謡曲めいていて、苺もふるいフォークソングのようでもあるのですが、一周まわって爽やかというか、苺に同化できるような人なら時代遅れのピュアさがあってもいいのかも。


よろしければサポートお願いします。これからの資料購入、執筆の原動力となります!