2六分儀句会 如月の段


20. 何人でいても帰りは息白し (岡田朋之)5点
◎ 久留島元 まあ、わかりやすいかな、と。
◯ 青に桃々 学生の部活帰りかな、と思いました。寒いけど、楽しかった頃。いいなぁ。
◯ わたなべじゅんこ 寒い日の帰り道。でも、息の白さがわかるのは互いにしゃべっているから、というのがミソ。寒いけどおしゃべりの口元は冷たいけど、賑やかな帰り道。
◯ 山本たくや 高校生の部活帰りのイメージが広がりました。寒いけど、みんなで帰るほっこりした感じが良いですね。


12. 爪切ればこれはゴミ立春の朝 (宮川由梨)4点
◎ 山本たくや 哲学的で面白い。爪であっても人体から切り離すことで、ゴミへと転化してしまう。季語のチョイスも良く、人間の代謝と時代の流れとがリンクして、より一層、爪を切る行為に深さを感じる。
◯ 佐伯一馬 爪とか髪とか体から離れると途端に無機質な感じがしますね◯ 髙橋梨華子 
△ わたなべじゅんこ さっきまで自分じしんだったんですけどね、っていうところまでワンセット。


13. 焦げパンじゃないわウェルダン春日和 (髙橋梨華子)3点
◎ 佐伯一馬 言い換えのポジティブさが面白いです
◯ わたなべじゅんこ 無理矢理ウェルダンにもっていく強引さも春日和なら笑って許せる。季語がいい。開き直った厚かましさも軽さにつながって笑いをもたらす。


17. 探偵が春の炬燵を出てこない (久留島元)3点
◎ わたなべじゅんこ 探偵ってバーにいるんじゃないんですか??(笑)コナン君も金田一さんも活動的だけど、彼らさえも動きたくない、だれた感じが春炬燵にあってるかも。めんどくさいなあ、とうだうだしてる探偵面白い。ホームズもミス・マープルもどちらかというと出歩かないのでそういう探偵がいてもいいし、なんならそういうシリーズがあってもいいかもしれない。誰か書いて!
◯ 岡田朋之 春になってもでないのか…


19. 直線に冴ゆる光の田舎駅 (髙橋梨華子)3点
◎ 宮川由梨 田舎は線路が真っ直ぐ走ってるイメージ。澄んだ空気の中、光も真っ直ぐ伸びている感じ。
◯ 明定朝子 バックに山があって道が真っ直ぐ駅に伸びてそこだけ輝いてて着くとホッとするそんな駅ですね。
△ 久留島元 きれいな句ですが、田舎駅まで言ってしまうと言い過ぎ&旅人の他人事感が鼻につく気もします

22. 新住所は知らせないから白椿 (青に桃々)3点
◎ 明定朝子 知らない街で誰にも頼らず弱音も吐かず1人で頑張るんだという強い気持ちがいいですね。
◯ 久留島元 新住所を知らせない、は詩情がありますね。この文体だとどこか女性から男性への恨み言のようにも見える。「白椿」がベストかどうか。


29. 水仙や立入禁止線の内 (青に桃々)3点
◯ 明定朝子 水仙は凛々しい立ち姿が目にうかびます。その凛々しさと立ち入り禁止があってる感じですね。
◯ 宮川由梨 植物には立ち入り禁止も関係ない。
◯ 髙橋梨華子 


6. 王将がここにもあって少し春 (久留島元)3点
◎ 青に桃々 春先の新天地に馴染みのある店があって少しほっとしていると思いました。王将は京都の学生向けのイメージがあるので、大学で家を離れることになり、下宿先を探してるのかな。
◯ 髙橋梨華子 


7. おでん誘うには多少の距離がある (岡田朋之)3点
◎ 髙橋梨華子◯ わたなべじゅんこ おでんが口説き文句につながるという感じがいい。確かにおでんて親しみの薄いひととは行かないかも。

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