六分儀句会霜月の段

今回は久留島氏の巧者ぶりに圧倒されました。
表現にも工夫があるといっていいのかな?これは縦書きでも再現可能だという気もするけどどうだろう?

42. 冬隣問診票のはい/いいえ (久留島元)8点
◎ わたなべじゅんこ ○をつけるだけの、そしておおかた○のみの、大事で必須な、でも単調な作業。冬隣の気分によくあっている。
◎ 青に桃々 問診票を書くときは、具合の悪いところに不安が大きいと思います。冬隣と、ずらりと並ぶはい/いいえを選択していく緊張感が良いです。
◎ 黒田さつき どちらかしかないから困るよね。
◎ 山本たくや 俳句を文学として考えるなら、一行書きで書かれがちな状況は一考すべきといつも思います。邪道と言われても、高柳重信や、垣根は越えるが草野心平のような、表現における柔軟性はあって良いはず。今回選んだ句は、俳句ではあまり無い「横書き」だからこそ出来た表現であり、果敢に挑む姿勢も含めて、特選にしました。

34. 1人ずつ見えなくなって秋の空 (佐伯一馬)3点
◯ 黒田さつき 寂しい。
◯ 宮川由梨 何を見送ってるのかいい状況が浮かばなかったけど、ひとり残ってしまった寂しさ。
◯ 岡田朋之 写実なのか心象なのかわかる具体性がほしいなとは。

35. 小父さんと鳩のいる坂美術展 (青に桃々)3点
◎ 久留島元 美術館へ続いていく坂とかそういうことなのか。説明不足な部分もあるが、実に何でもない風景で豊かな時間が流れる安心感がある。
◯ 黒田さつき どこにでもありそうな風景だけど、美術展が、非日常感を演出している。

6. お下がりの机に秘密なく夜長 (青に桃々)3点
◯ わたなべじゅんこ お下がりだから秘密がないということなのか。夜長の気分が秘密なく、に通ずるか。季語は迷いどころかなあ。夜だから秘密あってもいいかも。
◯ 宮川由梨 仲のいい兄弟ですね。
◯ 髙橋梨華子 落書きがあったのか、メモが引き出しの奥に残っていたのか。勉強机でしょうか、気恥ずかしくて懐かしくなりました

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