六分儀句会水無月の段
6月のメール句会の結果です。ちょっと嬉しい(*^O^*)
36. まくなぎのむこう遠くへ行く電車 (わたなべじゅんこ)6点
☆☆黒田さつき 対比が絶妙です、少し寂しい感じも。
☆☆青に桃々 振り払っても振り払ってもまとわりつく小さな羽虫たち 些細なことの連続の日常から遠くへ行きたいんじゃないか、と思いました。でも行けないけど。
☆☆髙橋梨華子 電車に置いていかれたのか、見送っているのか。払い切れない鬱陶しさが重々しく感じます。
12. 二死三塁九回の裏西日の矢 (わたなべじゅんこ)5点
☆黒田さつき "ここから巻き返しますよ〜‼️西日の矢を味方につけて⤴️"
☆青に桃々 西日の矢という季語を初めて知りました。 きっとサヨナラライナー。
☆☆山本たくや 甲子園の情景がみえる。「西日の矢」にヒリヒリとした緊迫さを感じました。打者側の「逆転の可能性があるぞ」、ではなく、守備側の「油断すれば逆転負けしてしまう」といった緊迫感。名詞で全て構成されているところが、何となくだが劇画チックな情景をイメージさせる。
☆宮川由梨 日も傾いてきた中での緊張の一瞬。見逃せない。
25. ひきがえるあの娘はあかんいうたやろ (青に桃々)5点
☆わたなべじゅんこ あまがえるだと可愛いけど単なる二人だけの物語。ひきがえるだと、家全体に関わる騒動に見えてきておおごとかもしれぬ、と思わせる。季語が小道具としてうまく機能している。
☆髙橋梨華子 関西弁が印象的。俗っぽくて品がなさそうな印象で楽しいです。
☆佐伯一馬 "いわんこっちゃないと言いたげな感じ。ひきがえるの盲目"
☆岡田朋之 このひきがえるは強烈…要素として持つ醜さが際立つ。
☆久留島元 ひきがえる、に対して言っているようにも思えて、ちょっと危うい句。風貌の比喩ととらえると笑えないかも。
43. 何色が好きと聞かれてゐる紫陽花 (黒田さつき)4点
△わたなべじゅんこ 紫陽花としては答えようのない問いに揺れるばかりかも。私は濃い紫か、青が好きですけど。
☆山本たくや 聞いてるのが紫陽花なところが、ファンタジーに感じる。パステルっぽい青や紫だけでなく、もっと色んな色に染まってもみたいと紫陽花が言っているよう。
☆宮川由梨 それぞれの主張がありそうですね。余談ですが、かすみ草を着色料につけて色を変えられるというのを先日初めて知って驚きました。
☆髙橋梨華子 紫陽花を見かけるとその話をすることが多いです。まだそこまで親しくない人との挨拶のような話題だと思いました。
☆佐伯一馬 一色で埋め尽くす花も良いですが同じ種類でも色が違う紫陽花の咲き方もとても好きです。
05. うつうつつふねゆれ一日迎え梅雨 (髙橋梨華子)4点
☆宮川由梨 声に出した感じが好きです。鬱々か、うつらうつらか。
☆☆わたなべじゅんこ うつうつつ、がうつつか夢か、につながり、ふねゆれが白川夜船?もしくは船を漕ぐ?につながり、気の早い雨の様子にぎいーっと櫓のなる船端を思って。重層的でかつ静謐な。その重なりすべてが近いと言われれば近いのか?
☆久留島元 うつ、鬱なのに、うつらうつら、船を漕いでいるのんきな情景にも見え。
よろしければサポートお願いします。これからの資料購入、執筆の原動力となります!