六分儀句会長月の段

「最高得点句がいい句とは限らない」という師匠の言葉を肝に銘じつつ

m(_ _)m


16. 生き死にの話のあとに心太 (わたなべじゅんこ)6点
◎ 髙橋梨華子 日常にあるギャップ。食べることは一番大切なことのひとつだと思いました。
◎ 岡田朋之 生き死にの話というちょっと剣呑な話も、心太の日常にあるどこか間抜けな雰囲気を持ってくると柔らかくなりますね。
◯ 青に桃々 心太をずずっとやる。さっきまでの生死の話が、とたん現実となって、ずずっずずっとやるしかない。
◯ 佐伯一馬 取り合わせはとても好きです
心太の気の抜けてる感じが良いと思います

32. 駱駝ゆくごとりとかしぐ西日かな (わたなべじゅんこ)5点
◎ 宮川由梨 歩みの遅い駱駝と、刻々と沈んでいく日。ごとりという擬音がはまってて好き。
◯ 青に桃々 西日が傾ぐのだ。駱駝といえば鳥取の大砂丘だ、シルエットの駱駝は砂丘を越えてどこへ行くのだ。西日は傾ぐ、ごとりごとり。
◯ 黒田さつき 鳥取砂丘かな❓
◯ 髙橋梨華子 風景も色も語感もすきです。重くてゆらゆらしてる感じがおもしろいです。

27. じんるいのいちぶはあきのくものした (久留島元)3点
◎ わたなべじゅんこ そうか、秋は地球上一部のものだね、と気付く。しかも視点は天からの位置付け。全部ひらがなで片言のような、呪文のような。面白い。
◯ 岡田朋之 あたりまえなんですけどね、人類の一部に着目したところが世界中秋じゃないことをうまく表していて好きでした。
ひらがなにしたのがうまくいったようなそうでもないような…

37. 好きじゃない人の背中が秋の空 (岡田朋之)3点
◎ 久留島元 嫌い、とは言ってない。
◯ 山本たくや 哀愁がある。好きな人に好きになってもらえなかったらきっと、そんな背中になるだろう。

42. どら焼きのどらから食べる秋暑し (岡田朋之)3点
◯ わたなべじゅんこ どらってどこ…
◯ 宮川由梨 皮からか餡からか。どらとは。ぱっと見で言い回しに惹かれた。
◯ 山本たくや 「どら焼」の「どら」とは何処を指すのか興味深い。ただ、季語は一考した方が良いかも。取り合わせ的に、胸焼けのような重みを感じる。

8. ドリンクバー夜長も足りぬ二人席 (髙橋梨華子)3点
◎ 山本たくや お金のない学生でしょうか。振り返ってみれば、金欠だった学生時代は、社会人になってからでは決して味わえない青春が詰まっている。
◯ 宮川由梨 仲のいい2人には秋の夜長さえもあっという間に過ぎるのでしょう。ついこの間似たような思いをしたのでとりました。
△ わたなべじゅんこ ごちそうさまです

9. 白桃の重みほどのしあわせなり (宮川由梨)3点
◎ 青に桃々 一つだけ買った桃だろう。さあ食べるかと思う手のひらにたっぷりと水気を含んだ桃の重みは、しあわせの重みか。わかくてあまい、しあわせなふたり。
◯ 岡田朋之 けっこうずっしりしているようで、しょせん小さい数百gの白桃。ちょうどいいような少し物足りないようなしあわせですね。
566はう~ん…


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