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”Road to とんかつDJ” from 監督 #1 【ニノケンのスイカコラム】

こんにちは、二宮です。上の写真で、アゲ太郎の隣でレコードのトレーナーを着てなんか言ってるのが、僕です。クランクイン前に「レコードDJの話だしな!」とZARAでしれっと買ったトレーナーです。

10/30(金)より公開する映画『とんかつDJアゲ太郎』。宣伝のキャッチコピーのひとつに、”Road to とんかつDJ”とあったので、ここでは監督の立場で語れる”Road to”を綴ろうと思います。

『とんかつDJアゲ太郎』の監督を決意するまで。

時は遡って、2019年、1月『チワワちゃん』3月『疑惑とダンス』の2作続けて自作を公開しました。特に『チワワちゃん』を公開したことは自分の中でも大きくて、20代前半のYOUTHをライブ感MAXで出し切り、次は何を撮ろうかな、とフラついてたわけです。

と、同時に『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』『チワワちゃん』と、密度の濃い作品が続いた反動で、自分はディズニーやピクサーを観て癒やされるみたいなモードに入りだして、ビンボン泣けるぜ…(インサイド・ヘッドの話)とかボヤいてました。

そんな中、以前から交流があったフジテレビの小原一隆プロデューサーに呼び出され、渋谷のカフェで聞かされたのが『とんかつDJアゲ太郎』の話でした。知ってる漫画家5人くらいってほど元来漫画に疎いので、小原さんの口からはじめてタイトルを聞いた時、僕はこの人のボケを聞くために渋谷までやってきたのか、と膝から崩れ落ちそうになりました(小原さん、スイマセン)。落ちきる前に、それが少年ジャンプ+の人気漫画ってことを教えてもらい、「『とんかつDJアゲ太郎』を最高に面白い映画にしたい!」という熱意を語ってくれました。

とりあえずその日から原作を読み始めたわけですが、絶妙に心のガードを下げて、能天気にグイグイ接近して、不意打ちでアッパーしてくる感じに(自分でも引くほど分かりづらい表現)、簡単に言うとまんまと僕もアゲられてしまったんです。

しかもその時僕は、ディズニーピクサー漬けのおかげで、心がホカホカに仕上がっており、すっかりアットホームモードだったので、『とんかつDJアゲ太郎』を全世代に届けられる最強のファミリームービーにしたい!と、すぐに沸き立ちました。(この企画、音楽を贅沢にチョイスできるんじゃねえかって下心も余裕であったけど)

「『とんかつDJアゲ太郎』をディズニー映画みたいにしたいっす!」

思い返せば相当キャッチーな覚悟を、小原さんに後日本気で伝えました。そうして『とんかつDJアゲ太郎』の監督として企画にジョインすることになりました。

しかし、そこから怒涛の日々が始まります。諸事情でこれまでの映画制作に比べてクランクインまでの時間が圧倒的に少なかった上に、シナリオもまだない。あるのは、僕らスタッフチームの「ぜってえ面白いもん作ってやるぜ!アゲアゲ!!イエイ!!」と原作のノリに引っ張られた熱めのヴァイブスだけ。いや、でも気概が一番大切なはず!と、僕らは撮影に向けて舵を切り始めました…。(続く)

次回は、シナリオ作りの話や、脚色にあたって参考にした映画の数々について話しますね。

©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会


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