見出し画像

”Road to とんかつDJ” from 監督 #3【ニノケンのスイカコラム】

こんにちは、二宮です。『とんかつDJアゲ太郎』ついに公開されました。本当にいろいろあったけど、初日を迎えることが出来て良かった。映画は、公開されたら、あとはお客さんに委ねられます。作った身としては、思いっきりアガって欲しい、楽しんで欲しいと願ってますが、お客さんの感想というのはどんなものでも刺激的だし、勉強になる。「そこに気づいてくれたか!」とか「いえーい、君とは気が合いそうだ」とか「ああ、そこはすっかり見落としていた!ごめん!」とか。もっともこの映画に関しては「帰りにとんかつ食べて帰った」は、シンプルに嬉しい。その帰り道はとっておきのプレイリストを聴いて、こっそりアガったりしたのかな。だと、もっと嬉しい。

最近になってその頻度は減ったけど、イヤホンで音楽聴きながら町を歩いてるとき、感情が高ぶって思わずひとりで踊りだしてしまうことがよくある。他人がそうなってるのを目撃してしまったとき、どう歩み寄っても冷凍庫みたいに寒いなと思うし、その感じを知ってるのにも関わらず、自分もやっぱその時が来ると踊りだしてしまう。劇中のアゲ太郎は何の躊躇もなくそのモードに入って、渋谷で踊っている。これは特定の人間にとって、抗えない何かなのだ。(まさにヴァイブス)

ただ、そんな超パーソナルな脳内宇宙の音楽的高揚感、言い換えるなら音楽を共犯にドープにキメた自己陶酔の世界を、映画『とんかつDJアゲ太郎』は、壮大に讃えてます。少なくても僕はそのつもり。だって、それが初期衝動ってやつだから。それで痛い目みて、人は成長するけど、それでも初期衝動は自分の礎になる。そして、それを守るため、よくわかんない不潔なものに侵されないため、大人の対応みたいなものを覚えていく。そしてあとは、その塩梅を自分と要相談しながら生きていく。みたいな。(もっとも僕は、自分に大人の対応が全然身につかないことを危機に感じている)

謎の言い回しで煙に巻いてしまってるようだけど(そんなつもりはない)、伝えたいことは『とんかつDJアゲ太郎』を観て、ぜひ映画館で踊って欲しいし(大丈夫。恥ずかしくない)、ノッて欲しいし、楽しんで欲しい!!多分こんなハッピーな映画を作ること、自分のマインドを冷静に見つめても、この先そんなにない気がしている。だから、僕の中のとっておきのウルトラハッピーな精神は、これみよがしにこの映画に注ぎ込んだし、ロースしぶかつ弁当ばりにお届けしたい。

画像1

約1年前、しぶかつのセットでドヤ顔している僕の写真。どの映画も撮影は大変だから、『とんかつDJアゲ太郎』の撮影も例に漏れず大変だったけど、僕自身は長編映画の撮影の経験はまだ数回で、その大変さには毎回心身ともにOMGで、早く慣れたいなと思っている(そんな日は永遠に来なさそうだし、とりあえず今度多作の監督に尋ねてみよう)。

この映画はクラブカルチャーを描いた作品だから、自分の中の音楽愛に留まらず、文化全体としっかりコミットしたいと思った。選曲、劇伴、DJの描写などなど、音楽映画にふさわしく、音楽分野のスタッフはたくさん参加してくれたし、皆同じ志を持って全力を注いでくれた。

匠海くんは、多分彼の中に音楽が根付いているし、DJの役をすることへのプライドがしっかりあって、そこは本当に心強かった。コミカルで楽しげなアゲ太郎だけど、DJシーンは、サラッと見事なパフォーマンスを披露しているので、ぜひ劇場で観て欲しい。

サブ⑩

皆さんの感想を本当に楽しみにしてます。皆さんにアガってもらって、この映画は、やっと完成します。どうぞよろしくお願いします!

ひとまず ”Road to とんかつDJ” from 監督 のコラムは、ここで区切りますが、書きたくなったらまた書きます!それでは皆さん、アゲアゲ!

©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?