見出し画像

今日、父親が死んでいた。

深夜2時によく行く釣り場で私はタバコを吸いながら朝マズメを待っていた。
昨夜、東京にいる弟から連絡が入りオヤジと連絡が取れなくなってると…
電話をすると留守番にすぐ切り替わってしまうそうだ。
心配になった私も電話をかけてみると同じ結果だった。
単身京都で暮らしている最近認知症の気配のあった父親に私達家族は離れているためすぐに確認がとれないでいた。
深夜だというのもあるし明日まで様子をみてみようと話し合った。
そして、私は海でタバコを吸っている。
心配をし始めるとキリがなく、ただ携帯の充電を忘れて寝てしまっただけだろう…と思いたかった。
そう言えば2日前に父親と電話で話してたよなぁ…普段なら絶対に言わないお前はホンマに優しいなぁ…などと言われたのを思い出した。
最後なんてこんなモノで簡単に簡略化され海の波のように複雑で繰り返し起こることなんだろう。


私はもう一本タバコを吸った。


母親を先に喪っているので別れというものの感じ方はわかっていたはずなのに、また別の何か違う感情がある。なかなか言葉や文字では表せない。
何を思って父親は生きていたのだろうか…なぜ生きているのか…家族に最後何か遺せたのか?
ずっと答えのわからない事を遺したのだろう。


父親らしいちゃらしいよ…でもね…わかるよね?


最後寂しかったのかなぁ…?

そりゃ寂しいよね。ゴメンね…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?