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『ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版』感想。

2022年11月1日(火)

吉祥寺アップリンクで『ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版』。

これっていつの作品だったっけかとググってみたら1990年リリースだった。もう32年も経つなんて信じられない。まだVHSで持っているけど、もうずいぶん長いこと見返していない。ふたりの来日公演も観たし、その時に買ったパンフレットもあるけど、ものすごくよかったということしか覚えてない。

あの頃、ルー・リードは自分にとって最重要アーティストだった。ルー・リードとプリンスとストーンズさえいれば、ほかの全てのミュージシャンがいなくなってもかまわない、とすら思っていた。なのに、プリンスは今でもガンガン聴き返すけど、不思議とルー・リードの作品群は死後、滅多に聴き返さない。ある意味、自分のなかで神格化されてるところがあるのかな。流し聴きなんかしちゃいけない音楽、聴くならちゃんと向き合わないといけない音楽という気がしてしまうのだ。

『ソングス・フォー・ドレラ 4Kレストア版』。今回初めて劇場で観たが(というか、劇場公開されるの初めてですよね?)、1曲1曲聴きながら当時どんなことを感じていたのかを思い出した……ような気がした曲もあれば、こんな曲もあったっけかと新曲を聴いてるような気がした曲もあった。全曲歌詞の字幕が付いているので、改めて曲の内容がグッと入ってきたのがよかった。そうするとなると、ルーの歌詞がやっぱり凄い。こんな詩人はいないなとつくづく思う。というのと、ジョンがアンディ・ウォーホルの情けない愚痴(「VUの再発盤が出たのに僕にはお金が払われない」とか「ルーはなんで結婚式に呼んでくれなかったんだ」みたいなこと)を歌う「ア・ドリーム」に「ひ~っ」となり、それを経てこそ最後の「ハロー・イッツ・ミー」でのルーのアンディに対する正直な気持ちが胸にぶっ刺さった。「グッバイ、アンディ」と言うルーに、思わず涙。32年が経っての、改めての感動。

因みにこれ、「ルー・リード&ジョン・ケイル生誕80年記念公開」だそうな。そうか、ルーが生きてたら80歳なのかぁ…。

↑小野島大さんによる素晴らしい記事。読んでから観ればより理解が深まる。

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