「Reiny Friday」Rei&山崎まさよし@ヒューリックホール東京

2019年7月5日(金)

ヒューリックホール東京で「Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!」。

Reiちゃんが毎回音楽友達をゲストに迎えて行なっている自主企画イベント＜Reiny Friday -Rei & Friends-＞の記念すべき10回目で、今回のゲスト(フレンド)は山崎まさよし。中学の頃から彼女は山崎まさよしに多大なる影響を受けてきたのだそうだ。共演は初めてではないが、こうしてライブでがっつり何曲も一緒にやるのは今回が初めてとのこと。

Reiの弾き語りに始まり、Rei&the Moonlightsで4曲。山崎まさよしを迎えて山崎の曲を4曲。再びRei&the Moonlightsで7曲続けて、アンコールでバンドに山崎まさよしも加わり2曲、という構成。

有楽町マリオンの11階にあるヒューリックホール東京は、TOHOシネマズ日劇スクリーン1を改装して1年前に開館した劇場型のホール(キャパは約900名)。初めて行ったのだが、非常に音響が優れていた。うん、とてもいいホール。なのでギターはもちろん各楽器の音がダイナミックでありながらもクリアに鳴らされ、Rei&the Moonlightsという超絶バンドの素晴らしきアンサンブルに魅せられた。

まだ結成されて数ヵ月だが、the Moonlightsと名付けられたこのバンド(Bass: 真船勝博、Drums: 山口美代子、Keybosrds: 渡辺シュンスケ)になってから、Reiのサウンドとパフォーマンスそのものが格段にアップした。それは間違いのないことで、ずっと観てきた自分の確かな実感だ。メンバーはいずれも日本のポップミュージック界になくてはならない腕っこきミュージシャンだが、ベテランだからといってただ安定したプレイを見せるだけではない。プレイしながらReiがそれぞれを焚きつけたり、急な振りをしたりして、それぞれがそれにプレイで応える。そこにスリルが生まれ、熱が生まれて、それもまたグルーブになっていく。その様が、観ていて実に刺激的。どんなタイミングでどんな振りをしても3人はそれに技術と情熱でもって応えるから、Reiは伸び伸びと自由にプレイできるのだ。だから存分に燃えることができる。そのことが嬉しくて楽しくてしょうがない、といった感じがReiの表情にも態度にも表れていた。

3月のリキッドルームのワンマンでもそれを感じたが、そこから少し時間を経た分のまとまりと、先述したホール自体の音響のよさが合わさって、結果、これまでずっと観続けてきたReiのライブのなかでも最高レベルのものになっていた。

前に観たライブのほうがよかったなと、そう思わされることがまずない。Reiのライブは本当に観る度によくなっていく。だから観れるライブは観ておきたいとそう思う。

それにアレだ。Reiのすごいところ（かっこいいところ）は相手がどんなベテランミュージシャンであろうが遠慮なく対等の意識でガンガンいくところにある。5月に恵比寿ガーデンホールで行われたCharとの共演もそうだったし、今回の山崎まさよしに対してもそう。それこそがそのパイセンに対しての敬意であるとわかっていて、だからパイセンたちも嬉しくてしょうがないといった感じになるわけだ(そういう意味で、彼女は同世代の若いミュージシャンとの共演時よりもパイセンミュージシャンとやるときのほうがよりプレイに熱が出て、観ている側としても刺激的だったりする)。

そんなわけで山崎まさよしも演奏が終わったとき、Reiに「いや、あなた、凄いですね」と素のトーンで言ったりしてたしね。きっと山崎まさよし目当てで来た女性ファンの多くも、Reiのこの夜の熱の入ったパフォーマンスを観てぶったまげたに違いない。