頭脳警察@マウントレーニアホール渋谷

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2019年9月21日(土)

マウントレーニアホール渋谷で、頭脳警察「ニューアルバムリリース記念&結成50周年2ndライブ」。

結成50周年ということで今年は非常に活発な動きを見せている頭脳警察。4月に新宿花園神社水族館劇場特設天幕(テント)で行なわれた1stライブも鮮烈な印象だったが、今回はそれとはまったく異なるアプローチのライブがホールで行われた。

現在の頭脳警察は、PANTAとTOSHIに、若手3人…黒猫チェルシーの澤竜次と宮田岳、そして樋口素之助を加えた5人編成。若手3人もすっかり馴染み、4月に観たときよりもバンドとしての一体感が強まって、その分グルーブもより一層のものとなっていた。

ライブは2部制で、第1部は18日に発売されたばかりのニューアルバム『乱破』の収録曲を7曲(ソロ曲「R★E★D」の頭脳警察バージョン含む)。初っ端の「乱破者」では尺八の石垣秀基も加わった(その尺八はジェスロ・タルにおけるフルートのような役割とも言えるか)。

そして、休憩挿んでの第2部は、事前に募った頭脳警察楽曲のリクエストから上位11曲を下から順に演奏していくというもの。11位「詩人の末路」、10位「光り輝く少女よ」、9位「落葉のささやき」、ひとつとばして7位が「さようなら世界夫人よ」と、このへんまではバラード曲が多かったが、8位が「赤軍兵士の詩」で、6位「戦慄のプレリュード」、5位「飛翔<ひらめく旗の下で>」、4位「銃をとれ」、3位「Blood Blood Blood」、2位「ふざけるんじゃねえよ」と、上位は荒々しいロック曲ばかりで1階席は総立ちに。10代・20代の若者たちが音楽でひとつになって熱狂している様をフェスとかで見るのもいいものだが、ここで立ちあがって拳を振り上げているのは50代・60代・70代と思しき年配の方々で、自分も共にそうしながら、ああ、この光景、なかなか美しいものじゃないか、と思ったりもしたのだった。

そして栄えある第1位はといえば、PANTAも「これが1位で嬉しいです」と言っていた大名曲の「万物流転」。ここでは自然発生的にお客さんたちが、♪あ~、なんにも変わらない~ それなのに~ それなのに~、あ~、変わったふりしてる~ おまえのため~ ほらパンタレイ~ と大合唱。頭警のライブでこんなふうにシンガロングが起きるのを僕は体験したことなかったので、めちゃめちゃグッときてしまった。ずっとPANTAを、頭脳警察を、好きでい続けながらそれぞれに歳を重ねてきたひとたちがいまここにいて、こうして一緒に歌っているのだ。そう思いながら自分も歌っていたら思わず涙が……。

アンコールの「コミック雑誌なんかいらない」も(再び尺八の石垣秀基も加わって)盛り上がったが、それより何より「万物流転」。この日はそれにつきる。それくらいあの場面は感動的だった。

あと、PANTAの声量の落ちなさもすごいけど、改めてTOSHIの叩きのすごさを改めて思ったライブでもあったな。終盤で上半身裸になってシャツだけはおるかっこになってたんだけど、そのカラダ、贅肉がまったくなくて引き締まりまくってるの。いやぁ、かっこいいわ、TOSHIさん。やっぱロックはこうじゃなきゃ。

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