ブギ連@東京キネマ倶楽部
2019年9月27日(金)
東京キネマ倶楽部で、ブギ連。
7月の渋谷クアトロ公演はチケット即完で見損ねたため、昨夜が自分にとっての初ナマ・ブギ連。これはやばい。やばすぎる。アルバムも今年の邦楽で一番ってくらい好きになって繰り返し聴いてたんだが、ライブはもうそれどころじゃなく。ぶっとんだ。凄いふたりが本気ですごいプレイを見せるとこんなにも凄いんだっていう、そういうライブ。圧巻。破格。びっくりしましたわ。
ステージ上はもちろん内田勘太郎と甲本ヒロトのふたりだけ。勘太郎は1曲目から思わず弦を切ってしまう(あの勘太郎がだよ!)ほどの熱の入りようで弾きまくり、ヒロトは歌はもちろん、何よりブルースハープを存分に吹きまくった。あの石田長生が、もっとも好きな日本のブルースハープ・プレイヤーとして名前を挙げていたヒロトだが、そのことに大いに納得。両者とも本当に凄まじくて、火花がそこに見えるようなプレイだった。
ブギ連のリーダーはいちおうヒロトだそうで、勘太郎は「甲本先生」なんて呼んでもいたけど、実際にリードするのは勘太郎で、ヒロトは勘太郎と渡り合おうとすること自体を楽しんでいるようだった。何度か隣の勘太郎のプレイに思わず「すげえ~」と声をあげたりもしていた。素直なひとだ。彼にとって勘太郎が憧れの大きな存在であることがよくわかった。
憂歌団~憂歌兄弟のライブがそうであったように、ふたりは曲と曲の合間にユル~くその場で思いついたようなことを喋ったりもしてた。憂歌団の場合は木村さんがアホなこと言って、勘太郎がそれを引き取ったり流したりする形だったが、ブギ連はむしろ勘太郎が先に喋り、ヒロトがそれを引き取る形なのが面白かった。ヒロトとしては喋るよりもどんどん曲を続けたいわけだが、勘太郎が喋るからそれに合わせる。思わず「やりにくいな」と笑いながらつぶやいたりもしてたけど、そのやりにくさ(間のとりかた)が、バンドだったら喋りなんて挿まずどんどん曲を繰り出すヒロトにとってはきっと新鮮で、楽しくてしょうがないのだろう。
ヒロトは本当に楽しそうだった。僕はこれまでそこまで熱心な甲本ヒロト・ファンというわけではなく、バンドのライブもフェスでしか観たことがないのだが、あんなに楽しそうにずっとニコニコしていて、客から声が飛ぶとそれにも普通に返したりするヒロトを観たのは初めてだった。サニーボーイ1世と2世の違いを話し、その吹き分けを披露して嬉しそうにしている姿はブルース好きの子供みたいだった。シンプルにぶっとばすことを一義とするバンド表現と違って、ブギ連ではヒロトの(ミュージシャンとして&ひととしての)幅と奥行きを感じることができた。ヒロトってこういうひとだったのか。僕は今更ながらこのひとのことが大好きになってしまったよ(おっそ!)。
めちゃめちゃ近くて、生々しい。けれど技巧も存分に。あと、歌詞が本当に素晴らしい。そんなブギ連。期間限定と言わず、長く続いてくことを心より願ってます。ああ、早くまた観てえ。いろんなところで観てみてえ。因みに大阪の公演では憂歌団の「おそうじオバチャン」もやったんだって。くぅ~。それも聴きたかった~。
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