ビョーク@東京ガーデンシアター
2023年3月20日(月)
東京ガーデンシアターで、ビョーク。
今回の来日公演は古典的な「orchestral」と最新型の「cornucopia」の2形式で開催。20日は32人のオーケストラとビョークだけで構成される「orchestral」。
開演前に「ビョークの気が散るので、スマートフォンでの撮影はおやめください」というアナウンス。「気が散るので」とストレートに言うアナウンスは珍しく、少し笑いがもれたが、その後ライブを観て納得。確かに少しでもビョークの気が散ったら成立しないであろう、集中力の高さがキモとなるライブだった。
ビョークの歌唱が素晴らしかった。
オーケストラの演奏が素晴らしかった。
ビョークの肉声とオーケストラの演奏の融合のされ方が素晴らしかった。
全てが完璧に素晴らしかった。
映像演出は一切なく、照明の色合いが度々変化するというわけでもない。が、加齢による衰えなど微塵もないビョークの肉声が豊かでダイナミックなオーケストラの音と合わさるだけで、現実とも夢とも区別のつかない「ここだけの世界」が立ち現れる、そんな感覚があった。
新作の曲が中心になるのかと思いきや、そうして演奏されたのは代表的な曲の数々で、(このあと神戸もあるので曲名は書かないでおくが)録音ブツでは電子ビートがバキバキだった曲をオーケストラのアレンジに変えて生まれ変わらせる…という試みもあった。最後の最後に発した動物の鳴き声のようなシャウト(的なもの)も、それはその1回だけだったので尚更印象に残った。
濃密。そして圧巻の70分!
それにしても、よくわからないセレブとかインフルエンサーとかといったあり方などに少しも意味を見い出さず、ひたすら音楽の求道者として自身オリジナルの音楽/ライブを突き詰めてきたビョークのアーティストとしての生き方は本当に素晴らしいし、それ故のオーラをまとっているなぁと思う。誰にも真似できない…真似したところで意味のない圧倒的なオリジナリティ。
31日の「cornucopia」では、また違う形でそれを実感することができるだろうから、楽しみでしょうがない。
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